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「したこと」を5W1Hで書けばもう日記で困らない どの子も日記 第3段階

日記が苦手な子供に対する段階的な指導方法を、私が実践したことに基づいを紹介している。

前回の「ヒント帳 73」では、

第1段階 読むことと言葉で言うこと
第2段階 「したこと」を書けば十分!

という指導段階の方法について説明した。

ここまでの段階的な指導で、子供は、<主語・述語を整えて、3文くらいで、したことを順序よく>書けるようになっている。
具体例で示すと、次のような文が書けるようになっているはずだ。

「ぼくは、さっかあをしたよ。ぼくは、ぼうるをけったよ。ぼうるは、ころがったよ。」

(前回の記事には、以下 ↓ ↓ から飛べるので、宜しかったらお読みいただきたい。)

今回は、「くわしく書く」というレベルに挑む。
そのための三つの段階を踏むのだが、まず、前回の記事から数えて3番目、第3段階の指導について設明する。

第3段階 「したこと」を5W1Hで書く 【くわしく書く1】

5W1Hといっても、私が日記指導で用いたものは、次のとおりである。

①いつ
②だれが
③どこで
④だれと(「なぜ」ではなく、「だれと」に変えているので注意!
     「なぜ」を書かせる場合もあったが)
⑤何をしたか
⑥どのようにしたか

これらを、先の<主語・述語を整えて、3文くらいで、したことを順序よく>書いた文に加えていく。
だが、いきなり全部を書き加えなくていいし、また内容によっては書く必要のないものもある。そもそも「②だれが」「⑤何をしたか」は、既に「主語」として書いてある。
従って、「①いつ」」「③どこで」「④だれと」を書き加えれば良い。

すると、次のような文ができあがる。

きのう、ぼくは、こうえんでともだちとさっかあをしたよ。ぼくは、ぼうるをけったよ。ぼうるは、ころがったよ。」

この「①いつ」「③どこで」「④だれと」を書き入れることに慣れてきたら、「⑥どのようにしたか」を書けばよいのだが、この一歩は、子供によってはかなりの径庭がある。
⑥どのようにしたか」を使った例文を先に示そう。

「きのう、ぼくは、こうえんで、ともだちとさっかあをしたよ。ぼくは、ぼんと強くぼうるをけったよ。ぼうるは、ころころころがったよ。」

私は、この「ぼん」「強く」「ころころ」といった修飾語を思い付くことが苦手な子を何人も見てきた。むしろ、それが普通なくらいであった。
だから、前回述べたように、他者の書い日記を読む機会を繰り返しつくることが大切なのだ。どんな修飾語があるのか、知識を増やす必要がある。
また、子供と会話をしながら、「言葉にして書く」ことや、「言葉を探しながら書く」ようにするとよい。

T(P)「どうやってボールを蹴ったのかな。」
C「がって、けった。」
T(P)「ほかの言い方も、できるかな。」
C「ぽんって。」
T(P)「いいね。もっと思い付くかな。」
C「ぼん!。」
T(P)「いいね。どのくわしい言葉にしようか。」
C「『ぼん』にする。」

と、やっていくのである。

こうして、少しずつ子供の使える修飾語、つまり、「擬音語(擬声語)や擬態語を始め、様子や動きを表す言葉」の引き出しを増やしていくのである。

次の第4段階で「五感を使う」ことは、そのための手立てにもなっている。

そのことを含めて、第4段階についての説明は次回に!

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