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インドネシアドラマ「Little Mom」

主演:( )内は役名:Natasha Wilona(ナウラ)、Al Ghazali(キーナン)、Teuku Rasya(ユダ)、Elina Joerg(セリーヌ)
2019年 全13話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★★
(写真=WeTV公式サイトより)

ちょっとインドネシアに行ってきました!
といっても、もちろんドラマの話。WeTVでやたらと評価が高く(自社制作だし)、オススメとして表示される本作、タイトルからして『14才の母』系なんだろうなとはわかっていた。でもなぁ、タイドラマは今一本おもしろいのを観てるしなぁ、タイの志田未来かぁ。。。ちょっと観てみるか、と観始めたら、え、これ何語?
タイドラマだと思って観始めたら、なんと驚きのインドネシアのドラマであった!

インドネシアが舞台の作品は、少し前におディーン様主演の日本映画『海を駆ける』を観たばかり。作品自体には色々とまあゴニョゴニョ言いたいことはあるものの、インドネシアといえばおディーン様以外には、ユーミンの歌(←古すぎ?笑)ぐらいしか思い浮かばない私には、なかなか新鮮なロケーションと言葉の響きであった。

高校生ナウラの物語

16歳のナウラは高校でも優秀で、生徒会長も務めている。しかし、密かにバスケ部のスターで先輩のユダ(見出し画像右)と交際している。
そんな折、ひょんなきっかけで転校生のキーナン(見出し画像左)と知り合う。両親の離婚が原因でグレていたキーナンだったが、ナウラと出会ったことにより、少しずつ変わっていく。

一方、ナウラのクラスメートでチアリーダーのセリーヌは憧れの先輩ユダがナウラと交際していることを知る。ナウラには学業でも負けているセリーヌはだんだんと嫉妬心を燃やし始めるが、さらに中学時代に好きだった男の子キーナンまでナウラと仲良くなっている!
ナウラの存在自体が我慢できないセリーヌ、親友のウィディとキキと一緒に彼女を貶めるためのありとあらゆる陰謀を企てていく。

ナウラとユダの交際はプラトニックだったが、ある日デートの後、ユダの家に行く。そしてついに、いけないとは分かっていても、ナウラは彼に体を許してしまうのであった。
そんな行為を後悔するも、数週間後に彼女は自分が妊娠していることに気付く。
さて、どうしよう?!両親に怒られる!学校にも知られたら、まずい、退学になってしまう。。。

伝統的な価値観と社会の中での未成年妊婦の葛藤

ナウラが毎日つける日記のモノローグで進んでいくこの物語、日本のドラマのように母になるための覚悟を描いていくものかと思ったら、いい意味で期待を裏切られた。

まずはこのインドネシアという舞台。ジャカルタの高校、おそらく金持ちの子が集まる私立高校の生徒たちが主役であるが、大都会とはいえ、まだまだ伝統的な価値観が守られている。なので、高校生の男女交際も禁止だし、結婚するまではセックスはもちろん、妊娠なんて到底受け入れられない価値観がメインとなっている。

なので、いかにナウラの妊娠を学校、近所、親戚に隠し通すかがまず一つのテーマ。そのためには、嘘に嘘を重ねていかなければならないのであるが、なんとしてもナウラの弱点を突きたいセリーヌたちの執拗な嫌がらせが続く。

そして、もう一つ重要なのは高校生という思春期の若者たちの心情。恋愛だけでなく、学業における競争、そしてさまざまな家族関係、親たちの夫婦関係といったものも見えてくる。特にキーナンは両親の離婚、セリーヌは姉との比較、親子関係といったものから、彼らの持つ苦しみというのもよく描かれていた。

もちろんナウラとユダの関係も、妊娠が発覚してからは様々な障害があり、一筋縄ではいかない。キーナンはナウラの妊娠など知らないので、ナウラに交際を申し込む。交際どころではないナウラはやんわりと断るが、キーナンもまた諦めない。そして嫉妬深く、独占欲が強いユダとも幾度も大喧嘩になる。

そんなユダもここぞという重要な時にはナウラの前から姿を消し、ナウラはどん底に突き落とされる。

妊娠だけでなく、ユダや学校の友人との関係に悩まされ続けるナウラの苦しむ姿に釘付けになってしまい、ほぼ一気見してしまった作品であった。

最後までドラマチックな展開が続く

ほとんど英語でも情報がなく、何か小説を原作としているのかよくわからないのだが、とにかくストーリーとしてはとてもよくできていて、ドラマチックであった。というか、もう最初から最後まで、ナウラの妊娠から、セリーヌの陰謀、ケンカ沙汰、怪我、事故となんでもありで、ジャカルタとバリ島を舞台に激しくストーリーが展開していく。
インドネシアのドラマがみんなこんなによくできているのなら、ちょっとこれからもちょくちょく観てみたい。ネトフリでも探したら、数本映画が出てきたのでマイリストに追加。

ジャカルタがメインだが、途中数話の舞台はバリ島になる。リゾート気分が出る場所で、とてもよかった。
また、インドネシア国内でそれ風に撮影されているが、一応日本も出てくる!
タイドラマでも驚くが、インドネシアも金持ちは超金持ちのようで、みんなの住んでいる家が半端なく広いのも特徴。

メインキャストの4人もすでに俳優としても活躍しているようだが、皆とてもよかった。
本作中では、唯一回収されなかった伏線があるので、おそらくシーズン2があるはずである。というか、その部分を展開させたら、さらに劇的なものとなるはずなので、楽しみに待ってみることにしよう。

ってか、これからインドネシアドラマもチェックしなきゃならないとなると、忙しいなぁ。。。

自分用インドネシア覚書

今回ドラマを観ていて、色々とインドネシアについて調べた部分をメモ。
(1)言語・・・インドネシア語。アルファベット使用。交易のための共通語で、聞いているとオランダ語っぽい単語があったり、響きがタガログ語に似ているが、マレー語系。かなり英語も交えている。
(2)人口・・・約2億7千万人でなんと世界で4番目に多い国!
(3)教育システム・・・高校が舞台だったので、気になったが、年数としては日本と同じで6・3・3システム。ただ、教育文化省管轄の一般校とイスラム系のマドラサ校というのがあるらしい。本作は前者。回想シーンで出てくるが、高校の新入生歓迎イベントがSOTUSっぽいところあり(あの上級生のサインを集めてくる系)。
(4)運転免許・・・高校生のユダ、キーナン、ウィディなどが車を運転して登校しているが、どうも17歳から免許が取れるらしい。

本作は現在WeTVにVIP登録をしていないと全話視聴できないが、WeTVでは第2話まで、YouTubeでも第1話のみ無料配信されている。こちらが予告編。

こちらはドラマとは全然関係ないけれど、やはり私にとってインドネシアといえばユーミン。彼女の名曲『スラバヤ通りの妹へ』を天海祐希が歌っている動画を発見したので、思わずリンク!

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