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中国ドラマ「Angels Fall Sometimes」(谢谢你温暖我)

主演:リー・ランディ(李兰迪)、リン・イー(林一)、スン・ティアンユー(孙天宇)、リー・シンラン(李欣燃)、ワン・ヨウジュン(王宥钧)
2024年 全24話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★★
(写真=全て本作公式ウェイボーより)

今年になって、大好きな林くんのドラマが出てきて、観ようと思っているうちに、あれよあれよと3本も配信!
どれから観ようか迷ったが、2014年の三浦春馬くん主演の大好きなドラマ『僕のいた時間』のリメイクということで、本作をまず観ることにした。
(注:公式には「リメイク」と記載されていないが、脚本家の橋部敦子氏およびフジテレビへの感謝がエンドロールに出てくるので、内容からして個人的には「自由リメイク」と解釈。)

若くして不治の病を負った青年と恋人の物語

大学3年生の時、就職の面接で知り合った林くん演じるリン・トゥオ(林拓)と、リー・ランディ演じるアン・ズーチュエ(安知雀)。一目惚れした二人は付き合うようになる。
一緒にアルバイトをしながら、それぞれ就職活動に励むものも、なかなか就職先が見つからない。家具デザインを専攻していたリン・トゥオは、先輩に頼ってやっと希望の家具メーカーに就職が決まる。
大学ではビッグデータを専攻していたが、お菓子作りが好きで得意だとわかったズーチュエは、自分でカフェを起業することに。

全てがうまく行っているように見えた時、リン・トゥオは筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症。死に向き合うことを余儀なくされた彼と彼を支えるズーチュエ、周りの人々も人生のさまざまな局面に向き合うことになったヒューマンドラマである。

プロット的には忠実、キャストも良かった

リメイク比較が大好きな私、日本版を観ているので、いやでも心ではそれを思い出しながら視聴してしまった。
なので、この記事でも多少日本版との比較が入ることは許して欲しい。
(現時点では『僕のいた時間』を再視聴したいとは思っていないが、もし視聴したら記事を書くかもしれない。)

本作視聴にあたって、一番興味があったのは長さ。日本版は全11話であるが、本作は倍以上の全24話。どこを膨らませているのかなぁと知りたかった。

まずは、リン・トゥオとズーチュエの二人の仲が、じっくりと深められていく様子が描かれていく。これだけで10話ほどあり、ズーチュエの父の病気、リン・トゥオの弟の家出という家族の問題を一緒に考え、支え合っていく過程はなかなか良かった。

他のドラマを見ていても思うのだが、中国ドラマはメインキャストとその周りの人物たちの描写が丁寧である。話数に余裕があるため、それぞれきちんとしたキャラというのが描かれるので、それが時には物語の進行で重要かどうかはともかく(笑)、うまく演じられていれば物語にもとても深みが与えられている。

どの登場人物も良かったのだが、中でも日本版ではあまり重要では無かったこの二人。
主人公の働く家具メーカーの上司であるウェイ・ハイヤン(魏海洋)と、リン・トゥオのお祖父ちゃん

嫌な上司に見えるものの、実はいい人

社員がALS患者になってしまったらどうなるか。もちろん、本作での展開はまだ現実的ではないかもしれないが、職場における多様性を採り上げた点は評価したい。

忙しい両親に代わってリン・トゥオを育てた祖父

この祖父にあたる人物は、日本版にはいなかったと思うが、リン・トゥオと祖父の二人の関係性は、職業や死のテーマにおいて、重要だったと思う。

他にも、リン・トゥオ以外のALS患者のストーリーも盛り込まれており、本作はある意味、ALSという病気の認知・啓蒙も目的にしていたのではないかと思う。

1リットルどころか”一升の涙”

重病患者のドラマとしては、日本ではなんといっても沢尻エリカ主演の2005年の『1リットルの涙』がある。中国語タイトルが『一升的眼泪』ということで、当時は「量が増えてる〜!」と笑っていたが、本作ではまさに涙一気に増量😭

後半以降はとにかくウルウル状態が続き、ティッシュ箱必須だが、個人的に一番泣かされたのは、スン・ティアンユー演じる親友のチェン・グァンプー(陈光普)!

リン・トゥオをずっと支え続ける親友役を好演

日本版を思い出しながら、と書いたが、実は、キャストは主演の春馬くんと多部ちゃん、母親役の原田美枝子と弟役の野村周平のことぐらいしか覚えていなかった。
後で調べたら親友役はなんと風間俊介。全く記憶になかったが(汗)、なるほど、イメージ的にはピッタリ。

ちなみにもう一人、これも記憶になかったが、先輩役は斎藤工だった!本作では地声が聞けて嬉しかったワン・ヨウジュン。

身長188cmとなっているが、絶対にもっと高い。。。

出番はそう多くないが、家具メーカーで上司と共にリン・トゥオを支えていく。

病気をテーマとし、ハッピーエンドではないため、興味のない人も多いだろう。しかし、キャストも良かったし、なんといってもベースの物語は日本を代表する脚本家の橋部敦子氏の作品(今調べたら、彼女の脚本のドラマは結構好きなのが多い!)。
見応えは十分なので、日本でも配信されるようになったらオススメはしたい。

重慶ってデザインで有名なの?

今年に入って重慶舞台のドラマはシャオ・ジャン主演の『Sunshine by My Side (骄阳伴我)』に次いで2本目。シャオ・ジャンは広告デザイナー、本作の林くんは家具デザイナーと、どちらもデザイナーが主人公だが、重慶にはデザインの勉強で有名な大学があるのだろうか?
あるいは何かデザインを代表する会社とかがあるのか?
長江を挟んだ町の風景や、地下鉄にケーブルカーなど、上海に負けず劣らずの大都会の様子はなかなか良かったので、いつか行きたいなぁ。。。

こちらが予告編。


より内容が詳しく書かれている、らん💚85号さんの記事も併せてお読みください!


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