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韓国ドラマ「ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜 パート1&2」

主演:ソン・ヘギョ、イ・ドヒョン、イム・ジヨン、パク・ソンフン
パート1:2022年 全8話
パート2:2023年 全8話
いしゃーしゃ的おすすめ度:(両シーズンとも)★★★★★
(写真=韓国のニュース関連サイトよりお借りしました)

いじめの復讐劇、ということで、出た当時はあまり観る気がしなかった。だが、年末に2023年度の高評価韓国ドラマの一本に挙げられていて、昨年はあまり韓国ドラマを見ていなかったため、せっかくなので観てみることに!

壮絶ないじめに対する人生賭けた復讐劇

高校時代に壮絶ないじめを受け人生の時が止まったままのムン・ドンウン。いじめが問題になっても担任は無視し、母親もいじめ加害者から金銭を受け取り結局いじめ被害者であるドンウンが自主退学をすることとなった。退学後、建築に興味があった彼女の夢は復讐を果たすことへと変わり、高校退学後の人生を全て“その時”に向けて捧げてきた。Part1ではその復讐の準備を、Part2ではついに復讐が完結していく。

Filmarksより

綿密な復讐もいいが、いじめは?

韓国ドラマには復讐をテーマしたものが多く、どれもよくできていると思うが、これはなかなか凝っていた。
ドンウンが学校を辞めてから、厳しい生活をしながらも、一瞬たりともいじめっ子たちのことを忘れず、一人一人に対して周到な罠を仕掛けていく。

いじめっ子4人組

じっくりじわじわと、進められていく復讐計画だが、これはかなりの頭脳がないと無理である。恨む相手がいても、ただ恨み続けるか、それとも何か行動を起こすか、どちらが正解とは言えないが、成功させるには、頭脳と何よりも忍耐力が必要であろう。

私は特に自分が誰かをいじめたことはない(と思う)が、もしかして誰かがこんなふうに私の周りで密かに準備していたら怖い。。。

復讐劇として見るにはとても面白いが、やはりこれを観て感じるのは、いじめが根本の問題ということである。このいじめというのは一体、どうしたらなくすことができるのだろうか?

韓国ではこのドラマの成功をきっかけに、いじめ問題に本格的に取り組む動きも出ているようで、2026年度の大学入試の選考から、いじめなどの校内暴力への加害記録も反映されるようになるらしい。
しかし、いじめも学校側が取り上げなければ、記録としても残らないのではないか。

根本的ないじめの解決にはならないとは思うが、きちんとした体制を作り、この新しい措置で何らかの効果が生み出されるといいのだが。。。

この二人の演技が一番良かった

主演のソン・ヘギョももちろん良かったし、いじめっ子たちも学生時代を演じた若手俳優も含め、皆迫力があったが、個人的に感動したのは、まずはチュ・ヨジョン役の演じたイ・ドヒョン。

彼は初めて見たが、最初は単なる恋愛相手なのかなぁと思っていたら、彼自身も壮絶な心の闇を抱えており、それが話が進むにつれて明らかになっていく。その心情がとてもよく伝わってきて、良かったが、最終話では彼の復讐の展開をもっと見せてほしかった。ちょっと最後に急いで幕を閉じた感があり、本作の唯一の欠点。
特に二人が刑務所で仕事をするように担った経過や、実際での仕事の部分はきちんと描かれておらず、この辺はもうちょっと描いてほしかった。


そして、カン・ヒョンナム役のヨム・ヘラン
彼女は『マスクガール』での母親ぶりも凄かったが、本作では悲惨な状況にあるにもかかわらず、夫への復讐と娘への愛情に満ち溢れ、でもコミカルな要素も入っていて、ちょっとした息抜きとスパイスにもなっていたと思う。

母娘の関係もテーマに

いじめと復讐がもちろんメインだが、本作では3組の母娘の関係にもその違いに焦点が当てられていたと言える。

毒親の代表はドンウンの母。この母親にドンウンは若い頃から散々な目に遭い、逃げても逃げても付き纏われる。
いじめっ子ヨンジンの母親は、ずっと娘を一番に考えているように見え、すべての尻拭いをしてきたが、結局は可愛いのは自分だけ。

こんな毒親たちばかりだと絶望的になるが、せめてもの救いはカンさん。彼女の母親像こそが「母親」なんだと思うが、世界にはいろいろな人がいて、いろいろな状況に置かれている。そんなことからも「母親が子供を想って当然」とは今の時代言い切れないところが悲しい。

キャストもいいし、ストーリーもしっかりしていて、これは2023年のベストドラマの一本というのも納得。観て良かった。
オススメ度は5つ星だが、これもいじめへのトラウマがある人には視聴はお勧めしない。

こちらが主題曲の『You Remember』🎵


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