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台湾ドラマ「模倣犯」

主演:ウー・カンレン(吳慷仁)、キャミー・チアン(江宜蓉)、ジャック・ヤオ(姚淳耀)、アリス・クー(柯佳嬿)、ルービー・リン(林心如)、トゥオ・ツンファ(庹宗華)、フェンディ・ファン(范少勳)
2023年 全10話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★★
(写真=Vogue Taiwanより)

まだまだ韓国はトラウマで戻れないので、頑張って陸台泰ドラマを視聴中!個人的にコスパの悪いNetflixをどうにかしなければ!ということで、昨年からずっと待っていた本作がやっと出て良かった!

宮部みゆきの同名の小説が原作である本作、小説も読んだし、中居くんの映画版も中谷美紀のドラマ版も全て視聴しているのだが。。。実は全くストーリーが思い出せなかった。なので、本作は「全く知らない物語」という心構えで視聴することにした。
以下、原作に言及する部分もあるが、すっかり様々な点が記憶から飛んでいたので、全て本作を完走してから、Wikipediaなどネットの情報を拾ったものである。(原作小説はもう処分してしまったので)

次々と起こる殺人事件を追う熱血検事

舞台は1990年代半ばの松延ソンイェン市。ある日の早朝、犬と散歩中の若い女性が、公園で赤いギフトボックスを発見。犬があまりにも吠えるので開けてみると。。。中には切断された女性の右手が!

ギャンブル好きな者が借金のために殺されたという線で事件を片付けたい警察だが、一緒に捜査を担当するウー・カンレン演じるグオ・シャオチー(郭曉其)検事は親指に何かの痕が付いているのに注目。

そこからどうやら過去に類似した事件があることが判明、連続殺人の可能性が出てきた!

しっかりと作られた物語

私は原作小説の単行本を持っていたのだが、すごく分厚い上下巻だった。なのでとても濃い内容なのだが、視聴したにも関わらず日本の映画版とドラマ版は、映像も内容も現在ほとんど覚えていないのは、かなり端折りに端折っていたからなのだろう。

しかし、本作では時々原作小説の内容がフラッシュバックした。グオ検事という原作では登場しない新しい人物の視点を中心にストーリーが回っているにも関わらず、様々な設定が変えられているのにも関わらず、しかも台湾なのに、非常にうまく原作のエッセンスが取り入れられていて、見応えが十分にあるストーリーに仕上がっていたと言える。こういうリメイクは台湾や韓国はやはりとても上手だなぁと感じる。

宮部みゆき氏に会いに東京を訪れた、グオ検事を演じるウー・カンレン(本人公式FBページより)

ネタバレしたくないので詳しくは書かないが、被害者の女性たちの背景、犯人たちのそれぞれの生い立ちと彼らの結びつきも、なかなか説得力ある設定になっていた。

「能」の舞台に例えられているのか

原作小説は「劇場型犯罪」をテーマにしているといえるが、まさに本作でもそれがとてもうまく反映されていた。
本作の冒頭で能の仮面を被った男の犯行予告が流される。犯行からメディアへの露出まで、犯人は全てを自分の舞台として監督し、総括し、制作していたのだ。まるで能楽の舞台のように、シテとなって、型を取り入れる。三方から見えるようになっている観客席にいるのは、警察、マスコミ、そしてテレビの前の視聴者。

そんな風に、原作小説への敬意だけでなく、日本文化への関わりにもこだわったように感じたのは私だけだろうか?

ベテランから若手までキャストにも注目

なんか毎回台湾ドラマの記事では書いているが、本作も例外でなくキャストがいい。ウー・カンレンやルービー・リンについては何もいう必要がないだろう。
個人的には悪者たちがとても良かったが、中でもフェンディ・ファン❣️

イケメンの写真は何枚載せても良い(本人公式FBページより)

台湾BLドラマ『HIStoryシリーズ』の中でも評価の高い一作『HIStory2: 越界〜君にアタック』の主演でブレイクした彼、本作ではワイルドさがたまらなく良かった〜❤️ この悪者たちについては本当は色々と書きたいのだが、ネタバレになってしまうのも嫌なので、ぜひぜひ本作での彼らの良さを見てほしい。

これまで台湾ドラマをあまり観たことない方にも、また、台湾ドラマはBLしか観たことがないという方にも、あるいはNetflixのコスパの悪さに悩んでいる方にも(え、私だけ?笑)、そうでない方にも、解約前に、いや解約する予定がなくても、観ておくことをオススメしたい。
ただ、かなり残虐なシーンがあるので、そういうのが苦手な方は気をつけてほしい。

こちらがエンディングテーマの家家ジャージャーちゃんが歌う『輕傷』をドラマカットバージョンで♫


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