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【サルでもわかる】美肌成分!ビタミンA徹底解説!


こんちには〜、サルでもわかる成分解説note。
今回は、美肌がほしいなら必須のビタミンAについて。
違いがわかってると化粧品選びに有利です✌️
これを読んだら、あなたもビタミンAマスター!

▼レチノイドファミリー

レチノイドとは、ビタミンAや誘導体などレチノイド受容体に結合して作用する物質の総称です。
例えば、車(=レチノイド)にもトヨタやホンダ(=ビタミンA、誘導体)など種類があるのと同様です。

わかりやすいようにかなり簡略化した図です。
同じ目的地に行くのに各駅停車と特急があるのと同様に、レチノイド受容体に辿り着くまでにいろいろなルートがあります。

パルミチン酸レチノールからレチナールまでは交互に行き来しています。
レチノール酸(トレチノイン)に変換されて、レチノイド受容体に結合して美肌効果をもたらします。
この変換の回数が少ないほど効果は強く副作用も強いです。

補足として、パルミチン酸レチノールと書いてあるところはレチナルエステルという名称で、リノール酸レチノール、酢酸レチノール、プロピオン酸レチノールなども含まれています。

▼皮がぺりぺり剥けるA反応って?

濃度が高ければ高いほど出やすいです。
ビタミンAの塗り始めに皮が剥けたり赤くなります。
塗り続けると良くなることが多いですが、ひどくなる場合は中断して皮膚科受診や守りのケアをされるのが良いです。

守りケアはこちら↓

▼ビニール肌って?

医学用語ではないので、あやふやですがSNSで見る限りキメがなくなってツルッとした肌を指しているようです。
ピーリングのしすぎやレチノイドを塗りまくると、角層が薄くなって起こります。
つるんと見えるのですが、一層ないので肌が敏感になっています。
全員が出るわけではありません。
ヒリヒリしたりやけにツルッとしていたらビニール肌かも?
その場合、レチノイドも2日に1回と間隔を空けて対応するのが良いと思います。

▼トレチノイン

推奨濃度:0.025-0.1%

トレチノインが肌へもたらす効果は嬉しいものばかり。
効果が一番わかっていますが、A反応も強いため皮膚科処方になります。

▼レチノール

トレチノインの1/20-1/10の効果と考えられています。
つまり、レチノール0.5%=トレチノイン0.025-0.05%程度と考えられます。
レチノール 0.25%、0.5%、1.0%とトレチノイン 0.025%、0.05%、0.1%を比較しても、しみやシワの改善に違いはなかったと報告も[1]。

▼パルミチン酸レチノール

推奨濃度:特になし

ビタミンAは肌の中では、パルミチン酸レチノールのカタチでいます。
紫外線から肌を守る効果があり、守りのレチノールと呼ばれてます。
具体的にはSPF 20の威力があります[2]。

トレチノインやレチノールのようにシミやシワに効果があったという報告はないです。
ビタミンAは紫外線に当たるとなくなってしまうのです。
だから、シワ改善よりは肌のコンディションを整える目的ですね。
朝に塗っても良いと言われますが、レチノールに変換されることもあるので、夜を推奨します。
紫外線防止もありますしね。

あとは、レチノール配合と化粧品に書いてあってもパルミチン酸レチノールのことがあるから注意してくださいね。

▼グラナクティブレチノイド

推奨濃度:2-20%?(上限はまだ報告なし。現在論文で出てるのは5%まで)

新しいレチノイドとして注目成分!
何がすごいかというと他のレチノイドファミリーとは別で変換が必要なく、直接レチノイド受容体につきます
そして、A反応(ヒリヒリ感、皮向け)が少ないのです。

実は、グラナクティブレチノイドはヒドロキシピナコロンレチノアートHydroxypinacolone Retinoate(HPR)が有効成分。
グラナクティブレチノイド=90%ジメチルイソソルビド10%HPRで構成されています。

気になる効果は、
HPR 0.2%(=グラナクティブレチノイド 2%)を1日2回塗布でシワに効果があった。
HPR 0.5%でもシワが改善し、レチノール 0.5%よりヒリヒリ感が少なかった[3]。
レチノールではないので正確に比較することは難しいですが、レチノール 1%=グラナクティブレチノイド5-10%くらい?と考えられています。
しみ、色素沈着、ニキビに対しては報告は今のところありません

●レチノールとどっちがいい?

エビデンス重視ならトレチノインやレチノール。
A反応が嫌だったり、初心者にはグラナクティブレチノイドも選択肢に上がるのではないでしょうか!
今後の研究報告も楽しみですね。

▼アダパレン

推奨濃度:0.1-0.3%

第3世代レチノイドと言われて、ヒリヒリ感を減らしてニキビに特化しています。
こちらも直接レチノイド受容体に結合しますが、一部の受容体だけになります。
市販薬はなく処方になります。
日本では0.1%が処方されていますが、海外では0.3%もあります。

効果は、
日本人を対象していたり、さまざまな研究で0.1%でもニキビに効果があったとされます[4,5]。
シミやシワの美肌効果は、ありそうです(規模や数は少なめ)。

以下、論文を抜粋。
アダパレン0.3%vsトレチノイン0.05% は共にシワや肌色を改善[6,7]。
アダパレン0.1%,0.3%で共にシワを含む光老化を改善(規模は小さめ[8])。
ヒリヒリ感などの副作用はアダパレン0.1%の方がトレチノイン0.025%より少なかった。

●トレチノインやレチノールとどっちがいい?

ニキビにはアダパレンが有効。
シミやシワなどアンチエイジングも有効そうなので、A反応が出やすい方は検討してもいいと思います。
もらうなら自費ですよ〜!
エビデンス重視ならトレチノインやレチノールです

▼レチノイドコスメ検討中の方へ


低濃度から徐々に上げていくことをオススメします。
高濃度の方が効果は出やすいですが、無理に上げないでも良いかと○
光感受性があるので塗るのは夜です。
また、妊娠・授乳中は控えましょう

▼レチノイドが合わない方の成分


赤みやヒリヒリ感で赤ら顔になる方もいるので、そういった場合は控えましょう。
成分としてはナイアシンアミドや脂溶性ビタミンCがオススメです。

▼バクチオールは何が違うの?

バクチオールはレチノイド受容体にも結合せず、ただ美肌効果がレチノイドと似ているというだけです。
全く別物質になります。

●どっちがいいの?

論文で効果が多く実証されているのはレチノイドなので、まずはレチノイドかな〜と。
妊娠や授乳中、A反応がどうしても起きてしまうならバクチオールが選択肢になるかな、という個人的な意見です。
バクチオールも植物性成分でアレルギー反応が出る方は多いと思うので最初は少量から。


以上、レチノイドについてでした!
化粧品取り上げようと思ったのですが、力尽きた、、、。
反響がよかったら検討します!笑

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参考文献

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2699641/

https://incidecoder.com/ingredients/hydroxypinacolone-retinoate
https://www.researchgate.net/publication/324871220_1310_Anti-aging_effects_of_retinoid_hydroxypinacolone_retinoate_on_skin_models
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25876142/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26889724/

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5551983/

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