小惑星探査機「はやぶさ」2010年6月13日に帰還した再突入カプセル実物写真

画像1 前面ヒートシールド:大気圏再突入の際に前面(地上に向かう側)にあり、空力加熱によって最も強い熱に耐えなくてはならないコンポーネント。素材が分解して発生したガスによって熱を逃し、中の物体を熱から守るアブレーション技術が使われている。飛行中にアブレータが剥離してしまわないよう、10ミリメートル間隔で切れ目の入った樹脂のシートを重ねて作られている。撮影:秋山文野
画像2 前面ヒートシールド(2):前面ヒートシールドの頂上部分、格子状の切れ目は通称「すだれアブレータ(Lattice Ablator)」と呼ばれるが、「メロンパン」の愛称も。小惑星サンプルを守りきった技術だ。撮影:秋山文野
画像3 背面ヒートシールド:素焼きの洗面器のような外見の前面ヒートシールドに対し、背面ヒートシールドは表面にアルミと耐熱樹脂ポリイミドのテープが貼られている。再突入時には、500~600度の熱を受けたと考えられており、テープが溶けて剥がれ、一部だけが引っかき傷のように残っている。撮影:秋山文野
画像4 背面ヒートシールド:初代はやぶさに比べ、はやぶさ2のカプセルではテープの残り方がやや少ないようだ。撮影:秋山文野
画像5 インスツルメントモジュール:金属製の構体の中に小惑星サンプルのコンテナと、再突入時に作動する電子機器を収める部分。撮影:秋山文野
画像6 搭載電子機器:再突入時の環境に耐えるため、基盤を樹脂で固めた搭載電子機器。はやぶさ2でもほぼ同じ構成だが、飛行時の加速度やカプセル内部の温度データを取得する「再突入飛行計測モジュール(REMM)」が追加された。撮影:秋山文野
画像7 搭載電子機器:撮影:秋山文野
画像8 パラシュート:はやぶさが打ち上げられた2003年から帰還の2010年まで7年間、たった1回の再突入の瞬間のために出番を待っていたパラシュート。1度のチャンスで確実に動作することが求められ、小さくたたまれていたパラシュートはしっかりと開いてインスツルメントモジュールを地上に降ろした。レーダーで発見しやすくなるよう、電波反射材のシートが取り付けられている。撮影:秋山文野

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