田中佑樹(伊勢すえよし)

~その一口が世界を変える~ 東京西麻布にある小さい割烹店『伊勢すえよし』を経営しており…

田中佑樹(伊勢すえよし)

~その一口が世界を変える~ 東京西麻布にある小さい割烹店『伊勢すえよし』を経営しております和食の料理人です。 コロナ禍で『三重の恵み』というブランドも立ち上げました。 https://mienomegumi.stores.jp/ 想いがあふれてきましたので、note始めました

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その一口が世界を変える

「今年は特に大変やわ。9月に海水温が30度を超えて、生け簀の魚がプカプカ浮いてくるんさ。」 生産者の口からふと洩れた言葉。それまでは遠い未来のことだと思ってきた食糧危機が目の前に現れました。想像できますか?丁寧に育て上げた養殖魚たちが次々と海面に浮かんでくるというのです。 食と自然環境の関係は言うまでなく密接です。 これからの時代は世界中の『美味しい』を残すために素材と、技術や道具を未来まで残す努力が必要です。 そのために僕は二つの事をやっています。 技術を持ち美味しさを

    • これからの料理人たちへ

      先日、三重の恵みの取組みの一環として三重県内の高校で授業をさせていただきました。食物調理科の調理クラブということで、「これからの料理人にできること」というテーマで講義させていただきました。 第一回目は 伊勢まだいの生産者の橋本純さんと鯛茶漬けの加工人の石川隆将さんをゲストスピーカーに招き、多業種と連携しながら多様化する料理人の働き方について、 第二回目は山の猟師の古田洋隆さんとトマトの生産者の豊永翔平さんをゲストスピーカーに招き、食材生産現場から見えてくる実情や課題・未来に

      • 食の循環を創出するプロジェクト「三重の恵み」

        『コロナショックで外食疎遠に。需要が消失…行き場を失う食材たち』 2020年4月7日、新型コロナウイルスの影響で全国各地で緊急事態宣言が発表されました。自店も営業を自粛する中、僕は居ても立っても居られなくなりました。 ー「今の自分に何かできることはないだろうか。」 まずは現状を知ろう、そう思った僕は、すぐに取引先の生産者数十軒に連絡を取り、特にひっ迫した状況だと感じた食材の生産者と一緒に、手探り状態で動き始めました。 特に緊急性が高そうな食材は伊勢まだい、そして三重県のブ

        • おせち料理の話

          料理屋の息子として生まれ、小学校に上がる前から洗い物を手伝い始めた僕。いつもは食器の洗い物ばかりでしたが年に一回だけ、食材に触れる時がありました。それが、おせちです。 一年に一度の特別なおせち作りを楽しみにしていた記憶があります。 僕の思い出はどちらかというと『食べる』よりも『作る』事の方が印象深いものでした。少数派かもしれません。 皆さんのお正月の思い出におせち料理は入っていますか?親戚が集まりお重を囲んだ記憶、ご家族と作った黒豆や栗きんとんの記憶がある方もいらっしゃる

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        その一口が世界を変える

          僕が考える、出汁の話

          和食において最も重要な要素の一つ、出汁について。これを語らずには先に行けません。なぜなら、一口に「出汁」と言っても人によって、店によって、用途や土地によって違う無限の出汁が世界には存在しているのです。 僕が引く出汁は、かつて修行していた京都流の出汁を、地元三重県志摩市の波切節を使って作っています。今回はすえよしの一番出汁のレシピを紹介しながら、出汁への理解をより深めていただけたら幸いです。ちなみに僕の出汁の引き方はすえよし料理教室でもお教えしています! 【すえよしの一番出

          僕が考える、出汁の話

          世界を旅した板前がnote.始めました。

          初めまして、東京の西麻布で小さな割烹店「伊勢すえよし」を営んでおります、田中佑樹と申します。 物心つく前から料理人を志し料理一筋で上京、ミシュラン二つ星の料亭での修行。日本料理一筋だった反動からか、急に世界を見てみたくなり世界一周の旅に出た結果、日本料理の原点に立ち返り自分の店を開くに至りました。 というのが、簡単な自己紹介で。 お店はお陰様でオープンして5年、今では世界50か国以上の方が伊勢すえよしを訪れ、日本料理を楽しんでいただいています。なんと、2020年はトリップ

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