ビジネスにおいてコロナが与えた変化は、時計の針を一気に進めたこと

コロナウイルスが中国で広がっているという状況がでたのは2020年1月中旬でしたでしょうか。まだ1年経ってないのが少し不思議です。そのころ、パリの展示会、そして2月上旬はNYに展示会の視察に行っていた私にとってはまさに奇跡のタイミングでした。よく無事で帰ってこれたなと。。。

さて、その後、承知の通りコロナによりどの業界も大打撃を今も受けているかと思います。

そんなか、コロナが与えた本当の影響は何か?

私が知っている、ウィズコロナに道筋をつけている企業の方々は、口を揃えて「コロナは5年後の未来を今に持ってきたもの」と答えます。つまり、コロナ自身が直接何か大きな影響を与えたというより、5年かけてゆっくりと起こる変化が目の前に突き付けられただけということです。

つまり、それ自体は悪い影響を及ぼしていないというのです。悪い影響が出ているのは、すでに限界を迎えていると感じているにも関わらず、今までの業界の慣習やビジネスモデルを継続している企業が一気にマイナスの影響が出ているように思います。

例えば、アパレルではトレンドや新しいデザインの提案、そして複雑に展開されるプロモーションで需要以上に生産される洋服を多くのお客様に販売していくモデルです。このモデルの場合、コロナ禍では不特定多数のお客様が来店し、購買理由もなく、売り上げは激減となります。

一方、顧客を持っていてコンセプトが明確で意味があるセレクトをしている個店は案外、オンラインとオフライン合計の売上が伸びたといいます。

コロナで収入が減る方もいる一方、まだ直接影響がない方もいて、外食、旅行など制限される中でのストレス解消の一つが信頼しているお店でのおうちの環境をよりよくするための買い物や出かける機会が少なくてもやはり楽しい洋服の買い物。自粛期間開けは、友人のように仲が良い個店のオーナーとお話をして商品を購入する。そして客単価も飛躍的に高いそうです。

この二つの違いは、今までの売ることを前提にしたモデルか、意味や価値を届け消費者とつながるモデルかの違いです。

私たちの会社を例にとると、NISHIGUCHI KUTSUSHITAはコロナ禍で海外の取り扱いが一気に増えました。これは1月の展示会効果もありますが、おうち時間を過ごす中でより快適でブランドコンセプトが強い商品を求めている小売店や消費者が多かったからです。そして、国内においても4月の自粛期間を除き前年よりはるかに多くの靴下を出荷しています。一方、ファッション向けのOEMや旅館向けの足袋ソックスは減産となりました。

会社トータルは前年を超える実績となりましたが、既存のビジネスは縮小し、新しく今あるべき姿として進めるブランド事業は大きく飛躍しました。

まとめると、コロナは5年後の未来を目の前に突き付けるきっかけであり、本質的にあるべき姿に種まきをし続けてきた会社は一気に加速的に成長し、限界を迎えている既存のビジネスを継続する企業は窮地に追いやられてしまった。ということだと感じています。

ワクチンの開発が進み、ウィズコロナからアフターコロナに近づいてきていますが、元に戻ることは絶対にありません。そして5Gの到来でより、ビジネス環境は変化していきます。

今からでも自分たちの事業のあるべき姿を熟考し、種をまき、既存ビジネスとの両輪をフル回転させないといけません。

あるべき姿を演繹的にとらえて、イメージし続け、時に一旦妄想レベルまで思考の視野を広げ、自分たちのとって正しい種を見つけ育てるしかないですね。難なく生き抜く企業と大ダメージを受ける企業に分かれそうです。。。なんとか生き抜きましょう。

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