地場産業が生き残る道

私は、靴下工場の跡取りです。そして、全国には一次産業、二次産業の跡取りは多数います。うちを例にとると1950年創業時は創業の時代、2代目の現社長はモノがあふれ、流通がテレビショッピング、通販、インターネットなど大きく変化した時代、そして現在は、短期間で予測不可能なことが同時多発的に発生するVUCAといわれる時代。。。

今の跡取りに必要な能力は、直観で物事をどんどん決めて前に進み切る力だと思います。

そして、その前提にはコンセプトを持った自社ブランドが必須条件です。モノがあふれ、競争はグローバルとなり、安価なものが大量に輸入される時代において、価格競争で日本製が勝てるはずがありません。

”勝つ”という競争ではなく、”自分たちのコンセプト”を磨ききることで独自の世界観を作る必要があります。

ブランドがそれです。自社が培ってきたモノづくりの強みと今求められるニーズを掛け合わせ、そして自分たちのあるべき姿や価値観を反映させたコンセプトを持ったエッジが効いたブランドづくり。競争原理において、弱者はニッチでの差別化が鉄則ですが、SNSが発達した今は、ローカルニッチではなく、グローバルニッチになることができます。このVUCAの中、唯一のチャンスを生かすしかありません。

NISHIGUCHI KUTSUSHITAは、徹底して製品、情報発信、取扱先、運営方針などあらゆる接点を”はくひとおもい”というコンセプトから1ミリもずれないように運営することで、ローカルニッチからグローバルニッチに踏み出しました。

そこには、今まで地場産業としてOEMで販売してきた利益からは考えられない利益を獲得することができ、それを次の成長への投資、そして人への投資をすることが可能となります。今のビジネスの延長に未来はありません。日本の人口は減り、人件費や原料はじわじわと高騰する中で少しずつ首が締まっていきます。

まさに今、自社の強みと時代のニーズを掛け合わせ、自分らしい価値観を持ったブランドで勝負しなければ地場産業に未来はないんです。

さぁ、歯を食いしばって、脳みそぐるぐる回して変化を起こしましょう。自分たちらしいブランドは今までの仕事より遥かに楽しいものです。

朝起きで、海外からの注文メールやバイヤーからの感謝の声、国内の素晴らしい場所のお店からのうれしい声など10年前では想像することすらできなかったんです。

今、一番仕事が楽しいんです。地場産業で跡取り世代の人たちもぜひ、変化して日本の良きモノづくりをベースとしたブランドを海外に届けていってもらえたらと思います。

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