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臨界点突破!世界のガラガラポンが始まる。

やぁー凄まじいですねーこのたった半年間のAI進化。毎日何らかのニュースが入ってきます。毎週どっかで大型アップデートが起きます。毎月驚愕の新システムが登場します。一体どうなってるんでしょうかこの世界。この先どうなってしまうんでしょうかこの世界

僕もギークとして生きてきて、人並み以上にはテックも追っかけてきました。テックトークもこれまで何度も書いてきました。これとかこれとかこれとか。気配はずーっと感じてたんです。特にインターネット登場あたりから、これはもう絶対将来エライ事になると。でも、あれ?まだかな?まだかな?みたいな状態がずっと続いてました。しかし2023年はついに臨界反応が始まった感あります。過去30年、ネットが繋がり、デバイスが浸透し、データが蓄積し、それらが融合発展し、それをネイティブで扱う世代が現れた。ダメ押しのパンデミックで着火、ChatGPTが暴発し、ついにAIが加速ルートに入りました。で、そこからたった半年間の指数関数曲線。領域展開・無下限呪術発動。産業革命以来、人類最大の世界改変、ガフの扉が開いて、ついに世界のガラガラポンが始まる(意味不明)。

という訳で、性懲りも無く毎度の(ひとり)テックトークです。個人的な頭の体操なんで、あんま気にしないでください。

AI絵師騒動

さて、最初はこれからいってみましょう。ま僕も一応ね、絵師の端くれだもんでね。まあ底辺ですけども。でも底辺なりに思う事はある訳です。

僕はPixivやらないんですが、Twitter界隈ではAI絵師を巡ってずっと大荒れです。AI生成されたイラストを以て「我はAI絵師である」と自称し、更にはFanboxやKindleでAI絵を販売(主にエロ萌え系)。それに対して人間絵師やファン、Pixiv運営が超反応して燃えまくるという地獄絵図。そこに度々登場するホットトピックが色々あって面白い。果たして「AI絵師は絵師か」?

そもそもAI絵というのは、ネット上に存在する無数の画像データ(や特定のリファレンスデータ)から特徴を抽出して合成する方法で生成されます。つまりまず「お前描いてないじゃん」という指摘。それに対して「プロンプトでディレクションしている」というAI絵師の主張。それはディレクター、というか立場的にはクライアントなのでは、という議論。一方で、「既存データの抽出だしコピーじゃん」という指摘に対して、「それは人間絵師も同様である」という主張。しかしAI絵師はそのプロセスすらAI任せだろう、という議論。「そうやって人間絵師を駆逐してしまえば、吸えるデータも無くなるので、発展は止まりいずれ共倒れになる」という指摘に対し、「産業革命が起きた時と同様、職人業が自動機械化したに過ぎない」という主張。トレパクでは大騒ぎしてたくせに、AIにおいては著作権無視なのか、云々云々。もう燃える燃える笑。外から引きで見てると滑稽にも見える炎上っぷりですが、色々示唆に富んだ内容も含んでいて興味深かったりします。何が絵師を絵師たらしめるのか

僕の感覚で言うと、AI絵師というのは工業デザイナーに近いようなイメージでしょうか。それこそ産業革命期になぞらえて、人間絵師を職人だとすると、AI絵師は自ら生産はしないながら、大量生産プロダクトをデザインしてるような感じ。まあ広義で「絵師である」と言ってもいいような気がします。工業化したからって、職人は減ったとしても消えはしないですし、工業製品だってコスパ的価値だけで言えば職人工芸品より優れています。僕自身だって、油彩画家から見れば工業デザイナーみたいなもんですし。

ひとことにAI絵師と言っても、同じような萌え絵をひたすら量産してる人もいれば、今までちょっと見た事ないような斬新なイメージを生成している人もいます。今はまだ生まれたての分野で、呪文を操れるだけでチヤホヤされますが、まあ一瞬でAI絵師内でもヒエラルキーが生まれ、神AI絵師と底辺AI絵師に選別されていくでしょうね。世の常です。

今の所、僕が仕事で必要とする絵に関しては、AI絵はほぼ役に立ちません。僕の需要が特殊過ぎて、データ蓄積も不十分、プロンプトも複雑になる上、生成物も要求水準に達しないので、「自分で描いた方が早い」となります。もちろん僕の呪文使いがヘボいというのはありますが、それを差し引いても、よっぽどの決め打ちシチュエーションじゃない限りAI絵は役に立ちません。今のところは。しかしそれもあっという間に改善されてくでしょうね。5年後くらいには僕もAI酷使してるかも。

プロンプト・エンジニアリングという魔法

むしろ核心は「これが始まりに過ぎない」という事です。プロンプトという呪文を唱えれば、誰でも絵を生成できる。というか写真もアニメも映像も音声も音楽も3Dモデルもプログラムも、ネット上にデータとツールの蓄積があるものは何でも生成できるし、組み合わせて合成できる。コマンド入力も自然会話式になり、呪文は今後どんどん洗練され簡単になっていく。既に現時点で、高校生の呪文使いが、プロンプトだけで3Dモデル空間をFortnight内に出現させてゲームとして走らせたり、AIひろゆきAIホリエモン対談みたいな合成呪文発動が始まっています。

誰でも呪文を唱えられるようになるということは、誰でもAI絵師を名乗れるという事です。となると、今いるAI絵師はまた「普通の人」に逆戻りです。よっぽどの革新的生成物を生み出さない限り特別にはなれないし、生み出したとしてその生成物は一瞬でコピーされて養分になります。これも産業革命後の工業デザインの歴史と同じです。で、特許縛りとかが始まり、中国みたいな無法国家がコピー無双しだす訳ですね。ただ産業革命と違って今回は生成コストがほぼゼロなので、もう生まれた瞬間から既に人類共有資産的な、「パクリ」とかいう概念自体が無意味になってしまうのでは、という気さえします。そうなるともう「頑張って働いて一番になる」とかバカバカしい、未来はベーシックインカム一択じゃないですかー。

ちなみに神ゲーでおなじみ、今アツアツのゼルダ・ティアキンとか見てると、アビリティと素材とギアの組み合わせで、可能性無限大過ぎて呆然としてしまう訳ですが、プロンプト・エンジニアリングも同様の感覚です。マジでもはや魔法です。だいぶ前に落合陽一が「魔法の世紀」とか言ってましたが、いよいよそういう感じになってきました。デジタルネイチャー。そうなってくると、BingCoPilotだのBardWorkspaceだの「まだOffice擦ってんの?でパクリあってんの?」みたいな、まだリリースもされてないテクノロジーが既に古臭いという驚愕の状況になってきます。ついにGAFAMの終わりの始まりなのか。そしてそれはつまり資本主義経済の終わりの始まりでもあるのか。それどころか独裁共産主義をもってしても制御できなそうなこの勢い。マジでガラガラポンになってしまうのか。

賽は投げられた(ルビコン無視)

OpenAIはオープンパンドラだとよく言われますが、確かに公開拡散されてしまった以上もう誰にも止められません。パンデミックみたいなもんで、「制限する」とか「禁止する」みたいな制御可能な類のものではないのです。例えば一国がデジタル鎖国してみたところで、その一国が取り残されていくだけで、世界は進み続けます。AIを体験してしまった人類は、もうそれ以前には戻れないので、AIと共存する世界線を前進するしかありません。

コテンラジオによると、どうやら「世界の変革はまず実態から訪れる」らしいです。環境変化だったり新技術だったりで、まず生活様相が変わり人々のメンタリティが変化する。実態が変容した時点で、何かをきっかけにそれが表面化して変革が起こる。そしてそれを法整備が後追いする。これが人類史で繰り返されてきたセオリーであると。産業革命だってフランス革命だって、実態が先に変容して摩擦エネルギーを蓄積し、臨界点で爆発して旧体制を打倒したのだと。それが今回も起きてるって事です。偉そうにしてるけど、結局人類は世界の潮流を制御できた事なんて無いのです。啓蒙主義→実存主義→構造主義みたいな、「なんだ俺ら流されてるだけじゃん」てところに帰りつく。パーティクル気象シミュレーションの成り行きをただ眺めてるようなもんです。そして現在、変化は日々加速を続けており、理想と実態のギャップや世代間ギャップもどんどん開いています。摩擦力スーパーチャージ中、南海トラフ待ったなし。頑張ったけど、おじさんマジもうついてけない。。。とか思いつつも、やっぱりワクワクしてしまうのは性格ですね。おじさんも魔法使いなりたいし。

日本は一回落ちぶれてデフレってたおかげで、逆に今、半導体やAI産業の興味を集めてるみたいです。教育やインフラの水準が高く、コストは安い。元来オタク気質でテックアレルギーも低い(ありがとうドラえもん&ガンダム)。その上AI学習における著作権法はガバガバなので訴訟リスクが低い。という訳で、次世代産業の立ち上げ場所として魅力的に見えているという噂。舵取りをうまくやれば、日本は今後返り咲きのチャンスかもしれませんよ。リープフロッグ返し炸裂で失われた30年を取り返し、AI時代での日本復活ターンなるか。まあ岸田さんのままじゃ無理だろうけど。全ては若い子らの手腕にかかっている。

乗るしかねえこのAIウェーブ(不可避)

データ参照、抽出、検証、整理、選別みたいな中間プロセスワークは、もはや人間がやる意味がないレベルでAIの独壇場なので、僕らがやる仕事は創造・消費の両極端に特化していきます。なので、なんとなくそういう方面に備えておけばいいような気はしますが、如何せんこのAIウェーブはこれまでの波と比べて、ちょっとロジックの次元が違い過ぎて、乗りこなそうとかいうレベルじゃないです。数年後の予想すらつかないので、とりあえず死なない程度に波にプカプカ浮かんで、成り行きを見守ろうと思います。

まあテックがどうなろうが、社会が変わろうが、どの道クリエイターは創造をやめないし、むしろAIのサポートで更に好き勝手に生産し続けるので、特に心配はしてません。むしろ心配なのはクリエイトしない人達です。消費しか知らないドーパミン中毒の人たちは、AIウェーブの上で超加速して、中毒死するまで消費を貪る事になります。旧世界の競争システムから抜けられず、生産と共有のサイクルに適応できない旧世代は、ガンガンメンタル病んでいきそう。その頃にはAIセラピストも発達してる事を祈りましょう。

まとめ(不可能)

毎度の如くダラダラ取り留めなくなってしまいましたが、まとめると「AIすげえ」「もう何がどうなるかわからん」という事です。あと「魔法使いになりたい」。激変期は適応大変だけど面白い。こんな時代に生きててラッキー。来週はどんな驚愕イベントが発生するんでしょうかね。シンギュラリティサロンとか見てると、工学的にも物理学的にも哲学的にももう全方位的にワクワクしかないです。聖書が「先に言葉あり」と言い、大規模言語AIモデルから新たな知性が始まるとか、もう厨二病大爆発じゃないですか。

人間が初めて自分たち以上の知性と出会った時、人間はどういう反応をするのか。これまでずっと「知性」が人間たる所以と思ってたけど、そうじゃなかったのだとしたら、何が人間を規定するのか。無知の知に立ち戻り猿の惑星となるのか。アイデンティティ・クライシスっていう意味でもガラガラポン時代突入です。



あ、ちなみにタイトル絵は特に意味ありません。表紙絵がなかったので、テキトーなやつ貼っただけです。AIじゃなくて一応自分で描きましたよ。





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いつの世も、アーティストという職業はファンやパトロンのサポートがなければ食っていけない茨道〜✨