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ひとりだけどひとりじゃない私の昼休み

私の仕事は、放課後等デイサービス事業所勤務の児童指導員。

保育士資格を取得したこと、元来福祉のお仕事に就きたいと思っていたことから、現在の職に至る。

職場は、元一軒家をリフォームした古民家風の平屋。

同僚は、一回り年上のお姉さまがふたり、同期の男の子がひとりと、とても狭く深い関係性だ。

お姉さま方は、仲良くワイワイと事務室でごはん。

男の子は、広い運動療育室でごはん。

私はというと、普段子どもたちが宿題やお絵かき、クールダウンする部屋として使っている、勉強部屋の勉強机でごはん。


お弁当は、父が作ってくれたもの。
お弁当箱ではなくタッパーに、ご飯とおかずが詰められている。
味気なくても、その味は温かく少しの不器用さが伝わってなんだか微笑ましい。

とりわけ、卵焼きはいちばんの癒し。
昆布が入っていたり、ネギだったりごまだったり。空気がたっぷり入っていてふわふわで柔らかく、だしの風味が心地よい。


そして脇には、SNSチェックのために開かれたiPhoneと、今日の運勢チェックのための、「ゲッターズ飯田の五星三心占い2023」が置かれている。

推しと、そのおたくのみんなの動向を確認し、新たな解禁がなされていれば、そのお祝いコメントをつぶやき、「今日は”整理の日”か。掃除を念入りにしよう」と想う。

その背景には、隣の部屋や奥の部屋から、何やら楽しそうな音が広がっている。

同期が見ている興味深そうな動画の音声がうっすらと聴こえる。
お姉さま方は、いつもと何ら変わらず他愛もない会話で盛り上がり、笑い声が聴こえてくる。

個性豊かで時々面倒だけど、憎めなくてほんとは大好きな私の同僚。


この部屋には私1人だけど、この平屋には楽しくて大事な人たちが過ごしている。

そんなことを今日も想いながら、少し冷えた白ご飯をほおばる12時半。

#昼休みの過ごしかた

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