病理学講義4)循環障害 「浮腫の原因4つ!」
こんにちは!TERUです
病理学講義3)からの続きです
前回の講義では、リンパと、静脈の流れが滞るとむくみますとお話ししました
実は、それ以外にも浮腫が起きてくる病態があるのです
これを踏まえて、浮腫の原因を以下の4つに分けて考えましょう!
( 1)は静脈、4)はリンパの流れの問題で、2)、3)が今回新たに出てきました)
1)毛細血管圧上昇
2)血漿膠質浸透圧低下
3)毛細血管壁透過性亢進
4)リンパ管閉塞
となります!
漢字が並んでるし、上昇?低下?亢進?閉塞?と、ややこしそうですね?
でも、大丈夫!ひとつひとつ解説していきましょう!
1)毛細血管圧上昇
静脈が閉塞したり、ポンプの役割を担う心臓が機能不全に陥ると、血液の流れが滞り、毛細血管レベルで圧が上昇します
うっ血性心不全に伴う「全身性浮腫」は、心原性浮腫と呼ばれます
ポンプ機能が低下し、流れている血液が交通渋滞を起こしているようなものですね
局所的には、深部静脈血栓症や、上大静脈症候群などで「部分的な浮腫」が起こります
2)血漿膠質浸透圧低下
膠質浸透圧とは、タンパク質による浸透圧(水分を引きつける力)です、血管内のタンパク質が減少する疾患で、水分が血管内に保持できなくなって、間質に漏れ出てしまった状態です
ヒトの血液では、タンパク質の中でもアルブミンという物質が特に浸透圧に関与します
低アルブミン血症を引き起こす原因として、ネフローゼ症候群(腎性浮腫)や、肝硬変(肝性浮腫)をおさえておきましょう
これも国試でよく問われます
3)毛細血管壁透過性亢進
「炎症」のために血管壁の隙間が開いて、血漿が間質に増加し浮腫が起きた状態です
全身性に起こる、敗血症、アナフィラキシーショック、局所的には虫刺されや、局所のアレルギー反応などを知っておきましょう
4)リンパ管閉塞
リンパ管が閉塞、狭窄を起こし、リンパ液がうっ滞を起こした浮腫です
がんのリンパ節転移に対して広範なリンパ節郭清術を行った後に起きる例があります
以上、4つに分けて考えると整理できます
(イラストは、マガジンの「教材係」からダウンロードできます)
ぬり絵バージョンもありますので、お使いください
浮腫は、過去問でも頻出問題ですおさえておきましょう!
ここまで読んでいただいて有り難うございました!
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