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ジギタリス製剤の適応と注意点〜国試頻出!

皆さんこんにちは。薬剤師のTATSUです。

あいこん

最近TERU先生のブログにたくさんお邪魔させて頂いておりますが、今回もTERU先生のブログでお話させていただきます。

TERU先生いつもありがとうございます!

今回もTERU先生がまとめて頂いた10年分の看護師国家試験 薬理問題を参考に、心不全治療薬の中でも特に頻出のジギタリス製剤についてお話させていただきます。

そもそもジギタリス製剤とは、どんな働きをする薬なのか?ジギタリス製剤の働きは、大きく分けて以下の2つです。

1. 心臓の収縮力を増強する作用

2.心拍数は減少させる作用

心臓は、常に収縮と拡張を繰り返してドクン、ドクンと拍動しています。健康な人では1分間に60~100回拍動していますが、この拍動する回数を減らす作用がジギタリス製剤にはあります。

一方で、1回で収縮する力は、ジギタリス製剤によって上がります。そのため、心臓に溜まった血液を1回で外へ送り出す量を増やすことができます。つまり、1回で心臓に溜まった血液を押し出す力は増える一方で、1分間にドクン、ドクンと拍動する回数は減らす作用がジギタリス製剤の特徴となります。

これを踏まえて、ジギタリス製剤の適応にはどんな疾患があるか。主な適応疾患は以下の通りです。

1.うっ血性心不全

心不全の1つを指しますが、心臓のポンプ機能が低下して血液が体内へ十分送られなくなり、体の様々な場所で血液が溜まります。そのため、心臓から血液を押し出す力を強くするジギタリス製剤を使い、体内の血液循環を改善します。

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2.上室性頻脈性不整脈(心房細動)

こちらは心臓の上室、すなわち心房の部分で頻脈が起きる疾患です。中でも、上室性頻脈性不整脈の1つである心房細動は、国家試験や定期試験で最も聞かれやすい疾患となります。簡単にお伝えすると、心房細動とは、心房の各部分が興奮し、心房全体の収縮が失われる疾患です。つまり、心房が不規則に興奮するので、心拍数を減少させるジギタリス製剤が適応となります。

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ただ、このジギタリス製剤ですが、使用する際に注意すべき点があります。それは、ジギタリス製剤の過量投与によって起こる、ジギタリス中毒です。ジギタリス中毒とは、血中濃度、すなわち血液中のジギタリス濃度が高くなることで起こる症状です。具体的な症状は以下の通りです。

1.頭痛やめまいなどの神経症状

2.光がないのにちらちら見える視覚異常

3.心拍数減少作用の反動で起きる不整脈

4.悪心、嘔吐、食欲不振などの消化器症状

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ジギタリス製剤の場合、薬としての効果を発揮して、副作用を許容できる血中濃度の範囲が狭いため、常に血中濃度をチェックする必要があります。国家試験ではよく、血中濃度を常にチェックすべき薬でジギタリス製剤を選ばせる問題も出ているので、しっかり押さえて下さい。

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。この記事が、看護師や薬剤師を目指す学生の皆様に少しでもお役立てできたら幸いです。

薬剤師TATSUチャンネル

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