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梅雨明けと今夏の観光の展望

先日、「史上最速の梅雨明けかも?」と投稿しましたが、6月28日に本当に「九州北部地方は梅雨明けしたとみられる」と気象庁からの発表があった。

入梅も遅かったので僅か17日間の梅雨。天草に限って言えば昨年の6月よりも降水量自体は多かったのでしばらくは水不足の心配はないかと思っていますが、九州でも福岡など北部の方が降水量が例年よりかなり少なめなので今後が少し心配。来週少し梅雨の戻りがありそうなのでそこでまとまって降ることを期待したいところです。

今夏の観光の見通しは?

回復しているようなしていないような何とも把握しにくい状況の観光業界。間違いなく2020年、21年よりは回復傾向だと感じる。個人旅行で分かりやすい目安は国内OTAの数字。最大手であるじゃらんが6月15日に2年ぶりにリアル開催した「じゃらんフォーラム2022」で発表したデータが興味深いものでした。

2021年度は11月から年度末にかけて、2019年度比で100%前後まで回復したとのこと。これは宿泊関係者からすると嬉しい情報ではないでしょうか。守秘義務がありますので詳細は説明できませんが、じゃらんが掲載施設向けに出している今夏の予約状況の数字を見ても天草は7月〜8月が非常に好調に推移していて2019年に迫る勢いとのこと。これまで動かなかったグループの予約も増加傾向だそう。一方でリアル旅行会社の発表は芳しくなく、JTBが6月27日に発表した2022年の営業概要によると2022年4月の国内個人向けの企画商品の取り扱い額は2019年比60.6%減とまだまだ厳しい状況。

このように個人客に関して言えばOTAの回復が早く、リアル旅行会社が遅れている二極化の流れはを続いています。ただ、リアル旅行会社も大手に関しては団体旅行に回復は顕著で教育旅行はコロナ禍以前の水準に戻りつつあります。

では当社のような小規模施設の実際の数字はどうなのか。7月〜9月の数字を見てみると予約段階で前年比120〜150%、実数では200%を超えそうな勢い。当社は2019年時点ではまだ宿泊業はスタートしたばかりだったので比較はできませんが確実に戻りつつあります。クルージングの乗客も日本人個人客だけで言えば完全に回復している状況です。

その他、じゃらんと並び国内OTA2強の一角である楽天トラベルも色々と発表しています。遠方に出かける人や訪れたことがない地域に旅行を計画しているなど旅行者のニーズの変化を感じます。

次に遠距離や非日常の代名詞「沖縄」の状況はどうでしょうか。沖縄県の発表によると今年5月の観光客数は前年比2倍、コロナ禍以降最大の戻り幅で活況となりつつあるとのこと。レンタカー不足は深刻な状況のようですが、沖縄がこれだけ回復すればその他の地域も明るい見通しとなるのではないでしょうか。

また、じゃらんリサーチセンターでは6月22日に第13回国内宿泊旅行ニーズ調査の結果を発表。やはり旅行意欲は高まっているようで、全体の4割近くが今夏の旅行を実施したいと考えており、定番の温泉が根強い人気だということ。日本人の温泉好きはコロナ禍でも普遍のようですね。加えてこの2年できなかった家族旅行で想い出作りをしたい傾向も強いようです。

結論

まるで海外のようなロケーションのリゾラテラス天草
夏空が広がる本日のシークルーズグランピング熊本天草

各種データからも今夏の観光産業はかなり期待の持てる数字が出揃っています。消費者のニーズを読み取り、適切な企画立案やサービスを提供すれば十分な回復は見込めるが、油断できないのはまだ2019年比で考えると全体的な宿泊客数は大きく下回っているということ。地域全体が回復するのではなく、施設間のバラツキが大きいことを忘れてはいけません。実際に先日熊本県内の主要宿泊施設の空室情報をリサーチしましたが予約状況に相当な差があり、8月までほとんど満室の施設もあれば、全日程空室十分、お盆さえもガラガラの施設も見受けられます。これが現実でありますが、今からでも遅くはないので各施設の経営者が早急に対策を行い、幅広い施設が潤って観光産業が活性化されることを願っています。

おまけ:各種データ


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