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畏れ

見慣れていないからかもしれないけれど
巨大ムカデはほんとうに怖い

安全で便利な都会から離れて
ちょっとでも自然の中へ行くと
スズメバチにムカデにマムシなど
結構いろいろ怖いものがいることに気づかされる

生身の人間の力ではとても勝てそうにない大きな生き物が怖いのはもちろんだけれど
体は小さくても猛毒を持った生き物は
小さくて見つけにくいだけにかえって恐怖心を掻き立てる

しかし、そういう存在と身近に接し
その強さや生命力を実感していくうちに
「ムカデってすごな」と
恐怖の先に畏敬の念が生まれる瞬間がある

古来、自然界の力を怖れると同時に畏れ敬い
そこに神の存在を感じてきたその感覚らしきものが
リアルに蘇ってくる

そして「畏れ」の感覚は
自然界にある恐怖の対象を徹底的に駆除し
自然界と断絶した人工的な環境を作り
世の中が人間だけで成り立っているかのような錯覚の中で
自然界の力に打ち勝つ「進化」と「成長」に邁進する
人間の傲慢さと滑稽さを
鮮明に写し出してくれる




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