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#また乾杯しよう お気に入り

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お気に入りを発見次第入れます。いち参加者/読者の感想です。 キリン×note 公式コンテスト #また乾杯しよう 投稿期間:2020/8/5~9/9 🔻告知 https://not…
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#乾杯

苦くて甘い「乾杯」を、一緒に。

あのお酒とあの思い出ハタチを迎えてから10年が経った。10年もあれば、大学や地元、会社や旅先でのいろんな「お酒」の思い出がそれなりに降り積もっている。 学生の懐にもやさしい値段の飲み放題のお店で、おそるおそる飲んだカシスオレンジ。だだっ広い河原でバーベキューをしながら、喉に流し込んだ缶チューハイ。寒い冬の恒例だった誰かの家での鍋パーティーに、必ずといっていいほどあった梅酒。たまに帰る実家で「せっかく季世が帰ってきたから」と、家族が用意してくれていた地元の日本酒やワイン。社会

ビールの売り子と1杯の乾杯

「冷たい生ビール、いかがですかー!」 今年も、ついにこの季節がやってきた。 目を瞑れば、瞼の裏にはあの光景がすぐに映し出される。 深緑の人工芝。満員の観客。金管楽器と応援歌。冷たい樽の感触。幅が広い階段。胸に当てたくたくたなタオル。薄黒くなった膝こぞう。腱鞘炎の左指。造花の髪飾り。汗だくのユニフォームからほんのり感じる、ビールの香り。 ーー大好きな野球場で「ビールの売り子」をしていた、あの頃。 ♢♢♢ 「今日の予告先発ピッチャー見た? 試合展開早そうだよね」 「見

あなたといた証

「乾杯」 僕はバーを営んでいて、数えきれない時間を現場で過ごし、きっと人よりも多くその言葉を聴いてきた。かけ声を合図にグラスの重なる祝祭的な音が響く。その調べは、いつ聴いてもいいものだ。それは祈りにも似ている。 乾杯は一人ではできない。いつだってそこには「あなた」がいる。もし一人だとしても、その瞬間だけは心の中に「あなた」を思い浮かべる。「あなた」でなく「わたし」でもいい。誰かを想うそのかけがえのない時間が、グラスの音色と溶け合って、言葉にならない美しさを醸す。そう、その

誰にだってその人なりの乾杯の形があっていい

乾杯といえば、お酒が飲めるようになった大学生の頃を思い浮かべる。大学時代、生活の中心はバドミントンサークルだった。 バドミントンを結構真剣にやるサークルで、飲みサーではないのだが、それでも飲み会はそれなりにある。 僕はあのコールとかゲームとか、いわゆる学生ノリみたいなのがあまり好きではなかった。 「乾杯は〜、杯を乾かすと書く〜!」 とか言って飲まそうとする輩もいた。 うん。女を兼ねると書いて嫌いだ。 ボクはお酒が弱いので、基本的にはあまりがばがば飲むことはない。