客観的・俯瞰的になることと純真さ

今よりもっと世界が広がれば、知識が増やせれば、客観的に、俯瞰的に、自分の状況を見つめられれば、もっと良い判断が下せるかもしれない、もっとよい道が見えてくるかもしれない。

なんとなくそう思って、本を読みはじめた。一冊、また一冊と少しずつ読み進めていくうちに、いつしか学術書、哲学書を読み漁るようになり、読書が生活の一部、ではなく、生活そのものになりつつあった。

そして、当初の思惑どおり、世界が広がり、一つの物事をいろんな方向から見つめることができるようになった。
あれこれ可能性のある方法を考えてその中から最もよい方法を選ぶことができるようになった。

けれども一方で、視野の決して広くない人が、パッと自分の前に見えたある一つの道をなんの疑いもなく信じて進めることもある。
持つものは少なくても心にある純真さ、まっすぐさが自分自身を導いていくような。

結局は、賢さよりも行動力が大事なんだろうな。
うじうじ考えていても、たとえその考えがすごい賢明でも、行動を起こさなかったら何にも結ばれない。

そしてあとは、一つの物事にたいして深く、長く向き合えるかどうかがすべてじゃないかと思った。