誰しもが過去の記憶を引きずって生きている ~年末年始の気づき③~
今年も明けて早いもので、二週間ほどが経とうとしています。そして日が経てば経つほど年末年始の記憶が整理され、感情的になった出来事もようやっと腑に落ちてきました。それが「人は過去の積み重ねでできている」ということです。
① 悪い母親は「過去の姿」
私はここ一年半ほどで、自分との対話や過去を振り返ってきました。そして母親に対して「毒親」だの「甘えさせてくれなかった」だのと、ネガティブな発言をし、記事にしてきました。しかしそれは過去の話。帰省してみて、現在の母の態度や発言と、過去のそれとは違うことに気づいたのです。
そのことを発見してみて思うのは、「人は幼少期(親元で生きてきた時期)の記憶を強烈に引きずって生きている」ということです。
私たちは嫌なことをされた記憶はよく覚えているものです。「ひどいことを言われた」とか「体罰を受けた」とかの記憶を引っ張り出すことで、その人の印象を悪くしようとしている。あるいは、「そのせいで今の自分は苦労している」「こんな性格になったのだ」と意味づけをしようとしているわけです。
それが生きる上で必要な能力だから仕方がない、と言ってしまえばそれまでなのですが、今回はもう少し深掘りしていきたいと思います。
②人は「今この瞬間」を生き続けているけれど、過去がなければ「今」もない
私は、人生とは「エネルゲイア」つまり「今ここ」という点の積み重ねで出来ているものと考えています。(図1参照)アリストテレス哲学の概念ですが、「嫌われる勇気」のラストで「哲人」がエネルゲイア的な生き方を提唱しており、私もその生き方を目指しています(人生は、その瞬間瞬間で完結しているため、過去も未来もない、と言う考え方。)。
しかしながら、
と、物理学者の佐治春夫氏が述べているのを読んでハッとさせられました。確かにその通りだ、と考え改めたところです。
つづけて佐治氏はこのように綴っています。
過去の印象がどんなに悪くても、それが例えば親きょうだいだった場合、完全に縁を切るのは難しい。これからも関係を維持していくつもりがあるのなら、過去を蒸し返すのではなく、これからの付き合い方を良いものにしていく努力をしていく必要がある。今回の帰省で一番強く感じたことです(それは私自身の話だけではなく、パートナー自身の親きょうだいに関しても同じ)。
友人関係にも同様のことが言えるでしょう。たとえどんなに仲が良かった過去があっても、現在疎遠になってしまった場合、これからも関係を維持し続けていきたいなら連絡を取った方がいいし、身近な人との『今』を大事にしようと決めたなら、一期一会だと割り切ることも必要なのかな、とも思うのです。
③大事なのは『過去の価値を今、どう考えるか』
帰省中に父が頻繁に口にしていたのが、「何ごとも前向きに考える」です。結構波瀾万丈の人生だったようなのですが、その出来事すべてを、今は『あの時の出来事が今に繋がっているのだ』と考えているのが、父の言葉から伝わってきたのでした。
その考え方が素晴らしいなぁと思い、私も取り入れようと思っているところです。まだまだ元気に思える両親とだって、いつ別れの時が訪れるかは本当に分からないのですから、元気なうちに過去の出来事も前向きに捉えて語り合い、今を楽しく生きるための材料にしたいものです。
そういうわけで、一つ皆様にお伝えしておきたいのは「今のいろうたの母は人当たりのいい、四人の孫を可愛がるおばあちゃんをやっています」と言うことです。家庭的で、よく働くけれど、ちょっぴり天然ボケなところもかわいらしい。そんな憎めない人。そういう印象に変えていただければ幸いです🥰
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