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LTVで考える

私が飲食店、美容院とか整体、歯医者など店舗型の事業をされている方にサービスを買ってもらう時に意識している考え方になるのですが、

LTVという言葉はご存知でしょうか??

ライフタイムバリュー、顧客生涯価値とか言われている指標の略です。

簡単に言うと「一人のお客さんが生涯でお店にいくらお金を落としてくれるのか?」という話になります。

算出方法としては
「平均顧客単価×平均リピート回数」
です。

つまり美容院などで一人平均5,000円使ってもらっていて、リピート回数は平均3回です、という場合であればLTVは5,000円×3で15,000円、という計算ですね。(「生涯」となっていますが実際は1年くらいなど期間を区切って算出している場合が多いです)

店舗型の事業を行っている方でみなさん平均顧客単価はかなり意識されているのですが、リピート回数まで含めたこのLTVを意識されている方は案外そこまで多くないように感じています。

店舗型の事業をやられている方のところに広告運用など集客のサービスを売りにいこうとした場合にそこがネックになるケースが割とあります。

例えば先程の例でLTVが15,000円なのであれば、一人の新規顧客を獲得するために仮に広告費が10,000円かかったとしても問題はないはずです。

問題は無いと言うか最終的には5,000円の利益が出ています。
(話を簡単にするためその他の経費や費用などは無視します)


しかし、平均顧客単価が5,000円なのに獲得コストが10,000円、となると「赤字じゃないか!」と結構なりがちなんですね。

もちろん初回の時点では赤字です。

ですが平均して3回はリピートしてくれるはずなのでそれを考えれば最終的に利益が出るはずなのですが、あまりLTVという考え方を持っていない方だと初回時点で利益が出ていないとダメ、という考えになってしまうんですね。


ただ気持ちはわかります。

店舗型の事業は、総じて利益率が高くないことも多いですし、1%、2%利益率を改善するための企業努力を日夜続けています。

なのでLTVという考え方を知っていたとしてもやはり初回から利益が出てほしい、初回赤字だと不安になる、というのはあるのかなと思っています。


あとはキャッシュフローの問題もあります。

例えば極端な例ですが、
平均顧客単価:1,000円
平均リピート回数:1万回

だとするとLTVとしては1千万円になりますが、じゃあだからと言って
一人の顧客を獲得するのに獲得コスト900万円かけれるかと言うと、

資金がよほど潤沢な状態でない限りそれはおそらく現実的ではないと思います。1万回リピートしてくれる間に潰れてしまうでしょう。


ですのでなんでもかんでもLTVで考えれば良いというものでもないとは思いますが、しかしこのLTVの考えを知らない、腑に落ちていない方相手の商談だと初回で利益が出ることを求められるので、

データを元に予測値を立てたとしても「これでは費用対効果が合わない」と感じられてしまいやすくなりますし、またそのまま安易に案件を受けてしまうと後々揉めたりするようなケースもあります。


なので店舗型の事業だけに限った話ではないのですが、
相手が
「LTVという考え方を持っているか?」
「LTVをざっくりでも把握できているか?」

というところは商談の際に確認してから話を進めるようにした方が良いのかなと思っています。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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