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ぼくは昔から道を尋ねられたり、カメラのシャッターを押してほしいと頼まれることが多かった。…
「ああ、今日で食べ納めかと思うと寂しいですよ。おやっさんの打つそばも出汁も最高なのに」 …
私がこの精神病院で先生と呼ばれていたのは、ずいぶん昔のことだ。 ろくに家にも帰らず病院に…
遠ざかっていった砂嵐がまるで意思をもったように進路を変え、ピラミッドの方へ戻ってくる。 …
見渡す限りの砂漠。 ときおり吹く砂の混じった乾いた風が、頬に当たってうっとうしい。 ゲー…
ロープに足を絡ませ、しがみついているぼく。 周囲を見渡すと同じロープが無数にぶら下がって…
「ねえねえ、お父さん」 「なんだね」 「実は今、すっごく欲しいものがあるんだよね」 「ほう、それはバイトに精が出そうだな」 「ところでお父さんさ」 「ん?」 「フードコートでいつも醤油ラーメンミニカレーセット頼むよね」 「そりゃあそうだ。醤油ラーメン大好きだけど、それだけじゃちょっと寂しいだろ」 「ああ、なるほど。じゃあ先週一緒に駅前歩いてた女の人はミニカレーみたいな感じ?」 「よし!! 何が欲しいか言ってみろ」 終
繁華街のスナックで他の客に悪態をつく中年の男がいた。 「おい!! 俺は帰るぞ。タクシーを…
私のお父さんは見かけからは想像もできないほどの力を秘めています。 普段は猫をかぶっている…
ぼくには実体が無い。 夢の中でのみ存在を認識される。 ぼくは不正アクセスを繰り返すハッカ…
私は始発の新幹線が発進する音で目が覚めた。 新幹線は私の目覚ましがわりだ。 早朝からサラ…
このシェルターに彼女と避難できたのは幸運だった。 ここが誰の家の地下室なのかなんて知らな…
夏休みは子どもたちだけの特権ではありません。 引きこもり気味な私のお父さんにも夏休みがや…
ぼくはとあるセミナーにやってきた。 その名もサバイバルセミナー。 会場はどこかの会議室で、ぼくは一番後ろの席に座った。 過酷な状況下で役に立つ知識や技術を学ぶセミナーで、一回五千円。 講師は名前は知られてないがSNSではそれなりのフォロワーを持つ発信者で、世界中の秘境を求めて旅する冒険家らしい。セミナーは今回初めて開催するようだ。百人くらいは集まっている。 講師はずっと一人で旅してきたので、この中で誰か相棒になってくれる人はいるかと冗談半分で言った。 ぼくは内心「