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140字小説

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削って削って、磨いて磨いて仕上げた140字小説です。
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2024年6月の記事一覧

140字小説【僕の見たいニュース】

僕の一日はニュースを見ることから始まる。レンタル彼女を頼んだら、若作りしたオカンがきたと…

こし・いたお
1か月前
2

140字小説【無口な楠】

「仕事中の事故で亡くなった?」懐かしい神社の石段を登ると、周囲よりひときわ背の高い楠が僕…

こし・いたお
1か月前
1

140字小説【マナー】

私と彼は大がつくほどの映画好き。彼はSNSで紹介動画をアップしているくらいだ。だから会えば…

こし・いたお
1か月前
2

140字小説【私も飛ばそうか】

「飛んでったね……」子供向けイベントの帰り道。幼い娘の手から離れた黄色い風船。気づいたら…

こし・いたお
1か月前
3

140字小説【これでよかったの?】

私の友人の趣味は、動物に餌をやり、おいしそうに食べている様子を動画に収めること。猫や亀、…

こし・いたお
1か月前
3

140字小説【夫の好きな種】

私たちの家には小さな裏庭がある。私は食いしん坊な夫の食費を少しでも抑えるため、家庭菜園を…

こし・いたお
1か月前
4

140字小説【令和の鼠小僧?】

ある真夏日。公務員のボーナスを貰った僕は、帰宅してから財布を落としたことに気づいた。たぶん自販機でジュースを買った時だ。探しに戻ると現金の抜かれた僕の財布があった。自販機はほとんど売り切れになっている。近くにいた子供が教えてくれた。ここでジュースを買って子供に配ってる人がいたと。

140字小説【私はここにいる】

「カチ、カチ、カチ」今夜もいた。晴夜には決まって廃校の屋上に侵入し、数取器で星を数えてい…

こし・いたお
1か月前
2

140字小説【寝子】

「昔は名前に子を付ける親が多かったのよ」彼女に名前の由来を聞くとそう答えた。名前は寝子。…

こし・いたお
1か月前
4

140字小説【盗まれた?】

僕は新人の山田。上司の風間さんとは今一つ話が噛み合わない。「山田くん、この書類、机の上に…

こし・いたお
1か月前

140字小説【彼女の秘密】

僕の彼女には戸籍がない。ない理由は秘密らしい。座椅子に座る僕の膝を、右、左とリズム良く手…

こし・いたお
1か月前
2

140字小説【3対1】

俺は2対1の喧嘩を目撃し仲裁に入ったつもりだった。「どうされました?相手の方ケガされてます…

こし・いたお
1か月前
2

140字小説【パパコップ】

「ポンコツすぎるよ。いっそサイボーグにしてもらったら?」肩が攣る、腰が痛い、膝が痛い。ボ…

こし・いたお
1か月前

140字小説【狙われた三つの的】

僕らは弓道部の同窓会に参加するため、外界から閉ざされた真冬の山荘へやってきた。一夜明け、嫌われ者のAさんと、才色兼備のBさんが首を矢で射られ死んでいた。「的は三つ」と書かれた紙と共に。僕はあることに気づき青ざめた。批判の的、憧れの的、そして目立ちたがり屋だった僕は、注目の的……。