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140字小説【無口な楠】

「仕事中の事故で亡くなった?」懐かしい神社の石段を登ると、周囲よりひときわ背の高い楠が僕を見下ろしていた。ここだけは時が止まっているかのようだ。「三年後の今日、ここで再会しよう」高三の夏、楠の下で幼なじみの彼女と交わした約束は果たされなかった。無口な楠が高みの見物をしているだけ…

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