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140字小説

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削って削って、磨いて磨いて仕上げた140字小説です。
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2023年11月の記事一覧

140字小説【君か…】

「山田君?変わってないね」街で見知らぬ女性に声をかけられパンと牛乳を貰った。同じ小学校だ…

こし・いたお
8か月前
2

140字小説【失踪者の行方】

私の住む田舎町では謎の失踪事件が相次いでいた。不安になった私は建築士の夫が図面を書いた我…

こし・いたお
8か月前
2

140字小説【ジャンケン】

トンネル工事中の大規模な崩落事故で閉じ込められた5人の作業員。中の様子を伝える最後の映像…

こし・いたお
8か月前
1

140字小説【人間検査】

自ら人生に幕を下ろす人達。そんな人達を減らす目的で、年に一度、国民に精神状態の検査が義務…

こし・いたお
8か月前
1

140字小説【一周目】

僕には前世の記憶がある。生きるのがしんどくなる理由を知るため、自分の記憶を遡った。川の石…

こし・いたお
8か月前
3

140字小説【探していた地図】

父がお出掛けの支度をしている。地図を買いに本屋へ行くと言う。私は違和感を覚えた。昨今の世…

こし・いたお
8か月前
4

140字小説【終末の世界を彷徨う女】

「人も充電できます」喫茶店の前にあった立て看板。私は自分以外の生き残りを探す旅の途中だ。一息つくため店内へ。しかし私を席に案内した店員は私のうなじ辺りを見て首を傾げる。「お客様は人型ロボットではなく人間ですね?充電用の差し込み口が見当たらないので」 「ええ…そうよ。コーヒーを頂戴」

140字小説【山田さんが居ない】

「山田さん…また勝手に抜け出したでしょ」昼頃から降りだした雪。日の落ちた公園にうごめく怪…

こし・いたお
8か月前
4

140字小説【私は愛を謳う】

テクノロジーは究極の進化を遂げ、ついに知能をお金で買える時代になった。しかし知能を増すご…

こし・いたお
8か月前
7

140字小説【僕の持っていたもの】

三人兄弟の未子として生まれた僕。頭脳明晰な長男と商才のある次男。どちらも生まれながらにし…

こし・いたお
8か月前
2

140字小説【ついている】

最近私はよくケガをする。でも今日くらい悪いことは忘れたい。今日は私の41回目の誕生日。自分…

こし・いたお
8か月前
3

140字小説【お勤めご苦労さま】

「お勤めご苦労さま。90年という長い刑期を脱走もせずに勤め上げたのは偉いよ!」病院で家族に…

こし・いたお
8か月前
1

140字小説【焼き芋屋?】

「ポォー!」「いーしやーきいもーーおいも」焼き芋屋の声が近づいてきた。買おうか迷っている…

こし・いたお
8か月前
4

140字小説【変な◯◯】

選手の名前が呼ばれ、僕ともう一人の男が向かい合った。交互に瓶で一発ずつ頭を殴り合う、百害あって一利なしの狂った我慢比べ。両者何度殴っても倒れなかった。瓶も頑丈なのか映画のようには割れない。結果は引分け。僕たちは固く握手し、お互いの健闘を讃え合った。夢から覚めると頭痛が治っていた。