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映像コンテンツとしての「お祭り」

夏と秋は「お祭り」の多い時期ですよね。皆さんは「お祭り」には足を運ばれましたか?

note内でも「お祭り」に関する記事は多いのですが、今回私は映像作家という立場から、「映像コンテンツ」としての「お祭り」を考えてみたいと思います。

私が映像業界に入ったのは1990年。東京の専門学校を経て、そのまま映像制作会社に入社しました。3つほど映像制作会社を渡り歩くことになるのですが、1つ目の会社では、東京キー局(フジテレビ・TBS・日テレ・テレ朝・テレ東)のワイドショーやバラエティ、そしてドラマに携わらせていただきました。2つ目の会社では、CMや企業映像コンテンツのほか、BS、スペースシャワーの番組に携わらせていただきました。3つ目の会社で、地元名古屋に戻ってくることになるのですが、ここで「お祭り」というものが、「映像コンテンツ」としてどれだけ大事なものであるかを知ることとなりました。

なぜ地元に戻るまでその重要性に気が付かなかったのかというと、東京キー局の場合、放送されるものは全国に配信される番組が多く、東京のローカルネタというのはあまり好まれない傾向にあります。全国の方々が楽しめて、より衝撃的で映えるネタである必要があるわけですね。それに対し、地方局は番組の視聴できる範囲が狭いため、視聴者が「お祭り」に足を運んでいる可能性が非常に高く、夕方のニュースでは「もしかしたら自分が映っているのではないか?」と、各局のニュースをチェックする視聴者も少なからずいらっしゃって、ゆえに「お祭り」の規模の分だけ視聴率が爆上がりします。なので、地方での「お祭り」は、ニュースだけではなく特番としても成り立つほどのキラーコンテンツとなります。これはおもしろい発見でした。

このように地方局でも「お祭り」はキラーコンテンツなのですが、よりローカルなケーブルテレビになると、「町議会」と「地元のお祭り」が2大キラーコンテンツとなります。数時間「町議会」生中継!みたいなものも珍しくありませんし、同じくお祭りもかなりの長時間で放送されます。郊外になればなるほど「お祭り」への参加度は高くなり、神輿を担いだり山車を曳いたり、その晴れ舞台がテレビで放送されるとなれば、ウチの子供が映るかもしれん!とお父さんお母さんおじいちゃんおばあちゃんまで、録画必須となるでしょう。

番組以外でもこんな興味深いことがありました。名古屋では「名古屋まつり」という伝統的なお祭りがあるのですが、その中で織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の三英傑が登場します。この三英傑は一般の方々からの公募となるのですが、三英傑の一人に選ばれた方から映像制作のご依頼がありました。「孫が大きくなった時に見せてやりたい」とのことで、放送機材で撮影をし、カメラマン、音声マン、カメラアシスタントの3人を1パックとしたクルーを3班配置し、3カメ一日密着という、番組顔負けの規模!お孫さんの為にそこまでやるかとも思いましたが、三英傑の衣装を身に纏いながらお孫さんをだっこしている時のくしゃくしゃの笑顔は忘れられませんね。

1998年にフリーランスとして独立してからは「お祭り」に関わることはなかったのですが、昨年の2022年に以前お世話になった某企業の映像担当者の方から「「にっぽんど真ん中祭り」に参加をするダンスチームが映像クリエイターを探しているそうなんだけど…」と連絡をいただきました。

「にっぽんど真ん中祭り」とは、1999年に始まった、国内外から約200チーム20,000人が参加し踊りを披露する、名古屋では「名古屋まつり」と並ぶ勢いの「お祭り」です。数年前にコロナが流行してからは新しい試みとして、参加する各ダンスチームが映像でも参加できるコンテスト形式の「テレどまつり」というものが始まりました。その「テレどまつり」に出品するための映像コンテンツを作りたいということで、以前私の実家があった地域で活動をされているという親近感もあって、お引き受けいたしました。

お引き受けしたのは、名古屋市の瑞穂区で活動されているどまつりチーム「AAA瑞穂」(トリプルエーミズホ)さん。けして大きな規模のダンスチームではないのですが、幅広い年齢層で和気あいあい、アットホームな雰囲気がとても心地よいダンスチームでした。ビジネスライクにされるよりも、こういう雰囲気の方がより良い作品を作ってあげようという意欲が湧くものです。とても良い出会いでした。話しを持ってきてくださった某企業の映像担当者の方に感謝。

コチラは練習風景を撮影させていただき、ダイジェストとしてまとめてみました。

そしてコチラが「第24回にっぽんど真ん中祭り」内企画の「テレどまつり」に出品した作品「名古屋レゲエ」です。ストーリー的には、体育館で練習をしていたメンバーがナニかに導かれ、謎のトンネルを抜けると舞台衣装に変身!学校の校庭で踊りだす…といったものなのですが、もしこの記事をメンバーの方が読んでいたなら「え?そうだったの?」と、1年の歳月を経て驚くかもしれませんねww。

今年2023年もご依頼いただけるかどうか、心配しておりましたが、昨年に引き続きご依頼いただけることとなりまして、さっそく練習風景の撮影に伺い、ダイジェストとしてまとめてみました。

8月には「第25回にっぽんど真ん中祭り」も無事開催され大盛況でした。どまつりチーム「AAA瑞穂」さんのパフォーマンスもより洗練されて、私も舞台に携わって長いですが、素直に楽しめる素晴らしい内容でした。ファミリー賞も受賞されたとのことで、AAA瑞穂さんおめでとうございました!

第25回にっぽんど真ん中祭り

さあ!そして今年2023年の「第25回にっぽんど真ん中祭り」内企画の「テレどまつり」に出品する映像コンテンツの撮影を9月初旬に行ったわけですが、順調すぎるくらい順調で、撮れ高もばっちり!現在9割がた完成しており、今後チェックや修正作業を経て月末の本納品を目指します。

昨年よりもかなりパワーアップしておりますので、楽しみにしていただければと思いますが、「テレどまつり」の審査が11月ごろなので、皆さまにご披露できるのは年末ごろになりそうです。首を長~くしてお待ちくださいませ。お楽しみに!

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読んでくださりありがとうございます。サポートいただいたものは映像動画コンテンツ制作費用として大事に使わせていただくと共に、昨年の心臓手術、今年の難病発覚と病院代もかさんでいるので、その足しにさせてください。