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〜 小さな貴婦人 vol.2 〜




物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪


〜 小さな貴婦人 〜

学校の前を通り過ぎると、ちょうど何かが終わったのか、体育館からぞろぞろと出てくる子どもたちの姿が見えた
袴を着ている子が数人いるものの、ほとんどがジャケットにズボンやスカートの、正装をした子どもたちが体育館からそろそろと出てきていた
手には、それぞれ一輪の花を持っていることから、どうやら今日は卒業式らしいと推測出来る
そして、みな笑顔なのだが、どこか目が潤んでいる
こうやって見送ったのは何年前のことだろうか?
ふと自分の子が卒業した時の事を思い出していた
·
・・・
『卒業おめでとう!』
『おめでとう!』
誰もが口々にお祝いの言葉をかけ、親も子もみな笑顔が絶える事がなかった
式も無事に終了し、今は学校の中庭で記念撮影大会だ
我が子も友達のところへ行っては何枚も撮影をする
カシャリ、カシャ
学校専属のカメラマンさんも負けじと撮影をする
最後の最後まで写真を撮り、後日卒業アルバムとして渡してくれるのだ
『ママこっち撮って!』
『はいはい!!』
今日は、私は娘の小間使いである
『中学校離れちゃうけど、また遊ぼうね♪』
『遊ぼう!携帯に連絡するね♡』
『おけ!』
今時の子の連絡方法は便利なものだ
私の頃は、まだ携帯もなかったので手紙を書く事が多かったし、連絡が途絶える事も少なくはなかった
『ママこっち行くよ!』
『はぁい』
言われるがまま私は娘の後に続く
·
かれこれどのくらいの時間が経っただろう?
人もまばらになってきたので、私達もそろそろ帰ろうか?と話をしていた
ふと、娘の隣にいる女の子と、その子のママがお揃いの『ちいさな貴婦人』を付けている事に気が付いた私は、こういうのもいいなと人知れず思ってその場をあとにした
・・・
·
ドサっ、ガチャリ
買い袋をキッチンへと置いたと同時にリビングのドアが開き、眠そうにあくびをしながら娘が入ってきた
『まだ寝てたの?』
『うん、てかお腹減った』
『そろそろお昼ご飯しよっか。あ!さっきさー小学校で卒業式してたよ』
『もうそんな時期?小学校かぁ・・・何年前だ?私が今、高2だから・・・5年前?』
『みんな可愛かったよ♪袴も増えてきたね!』
さっき見てきた卒業式の話をしながら、お昼ご飯を作る
テスト休み中の娘は、まだ寝ぼけ眼でダラッとソファでくつろぎながら話を聞いていた
『出来たよ』
ウインナーとツナを入れたケチャップライスに卵を巻いただけの簡単オムライスを机に置いた
『なんでハートなの?』
『大きくなってくれてありがとうって思って♡』
『・・・いただきます』
『いただきます♪』
『・・・おいしい』
『オムライス大好きだもんね。ふふ』
陽だまり溢れるお昼時
少し遅めのお昼を私は娘とゆっくり味わった
·

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