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〜 律 Vol.2 〜





物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪


〜 律 〜

いつもと変わらぬ日常が、ふと変わる時
あなたなら、どうしますか?
私は、どうにもこうにも、どう接したらいいか分からず、とりあえず彼の隣に座っている
中学からの同級生である彼とは、異性の中では仲が良く、ずっと友達だ
高校、大学を卒業するまで、たまに連絡は取っていたものの、社会人になり同じ会社に入社していたのは、今でもビックリする出来事だった
と言っても、彼は転職したので今は同僚ではない
そして彼には、彼女もいたし、もちろん私にも彼はいた
だから、お互いずっと友達のまま、ずっと友達で、どんどん年を重ねて昔の話で盛り上がる
そういう楽な異性の友達
『俺さ、彼女と別れるかも』
『そうなんだ。私は、大丈夫かな』
そんな他愛も無い会話をしていたのは、いつの事だっただろう
今年の冬もそろそろ終わりを告げる頃、気が付けば私は、すっかり灰色に染まった街を一人歩いていた
·
ぽっかり空いた穴と灰色に染まった街が、いつの間にか鮮やかな色とギュッと詰まった器に変わったのは、隣にいる彼のせい
久々にこっぴどく振られた私は、彼に散々愚痴を聞いてもらい、慰めてもらう
ここまではいつもと同じだったのだが、タイミングとは面白いもので、お互いフリーだし試しに付き合ってみるか?と言う話になったのだ
成り行きで付き合う事になったのだが、私はどうもこそばゆい
彼の隣で、三角座りをしている私の頬を掴みながら、彼はニヤニヤしている
『何、そんな固まってるの?』
『え、固まってないよ』
『はは。今までのままで大丈夫だから。構えんなよ』
『いや、だって、ほら?!ねぇ??今まで友達だったじゃん?突然付き合おうってなっても、どうしたらいいか困るよ』
『ほんと、お前は真面目だな。俺は何も気にせず、好きな事していても、のんびり出来るお前といるのが、心地いいんだけど?』
『ふぁっっ!!』
『あはは。何それ。つうか本当だよ。お前といると心地いい』
『あ、あ、ありがとうございます』
『いつものお前でいろよ?』
·
どうやら構えていたのは私だけだったようだ
そらそうだ。突然、友達に告白されたようなものなのだから
かくいう私も、彼といるのは居心地がいい
気にすることがなく、とても楽だし自然でいられる事がすごくいい
『なんだ。そゆことか』
『なんだよ?』
『え?何もない。うん。私も居心地いい』
『はは。なんだそれ』
『ありがとう』
『どうしたしまして、なのか?ん?あれ?』
『私、好きになるかもしれないけどいい?』
『・・・俺は、お前の事好きだよ?』
『なっ!へっっ?!』
突然の二度目の告白に私は変な声が出た
まじまじと彼を見つめる私に、彼が追い打ちをかける
『ずっと思ってたんだろうけど、近すぎて気が付かなかったみたいだわ。・・・お前が好きだ。俺と付き合って下さい』
瞬間湯沸かし器のように、耳の先まで真っ赤になるのが自分でも分かるほど耳が熱い
自分で好きになるかもしれないと言っておいて、私は急に恥ずかしくなり俯く
『あれ?返事は?』
しどろもどろしながら、やっぱりどこかこそばゆい言葉に私は苦戦する
『わ、わ、わたしも!私も好きになる。だから、だからよろしくお願いします?』
少し上目遣いになりながら彼の様子を伺う
ポンと頭に手を置かれ優しく包む大きな手が、私の騒がしい気持ちを凪いでくれる
『俺も、よろしくお願いします』
彼と目が合うと、お互いふふっと照れ笑いをし、私はそのまま彼の腕の中へと包み込まれていく
春の訪れと共に、私のところにも新しい季節が訪れてくれたようだ
·

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