見出し画像

〜 ブックカバー 〜





物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪


〜 ブックカバー 〜

『では、こちらへ記入お願いします。書き終わりました受付へお持ち下さい』
診察券を渡した私は、受付の女性から病状を書く記入表をもらう
空いたソファーへと腰を掛け、記入し始める
使い捨てコンタクトレンズが無くなりそうなので、定期検診を兼ねて朝から眼科へと訪れていた
『目がかゆい、目が痛いは当てはまるなぁ』
春の穏やかな季節が、目の前まで来ているというのに、毎年、厄介者も一緒に訪れる
私は〈目がかゆい、目が痛い〉項目に、ペンを走らせた
『お願いします』
記入表を渡し、再び腰を掛ける私は、カバンから取り出した本を開く
病院の待ち時間は長い
いつも病院へ行く時は、必ず本を持っていく
今日は、お気に入りの『ブックカバー』を付けて本を読む
薄い紙にお行儀よく並ぶ文字たちを、ゆっくり縦に読んでいく
さて、どこまで読めるかな
·
しばらく読みふけっていると、自分の番号が呼ばれた事に反応する
最近の病院は、個人情報保護の為か番号のところが多い
診察と思いきや、視力検査や眼圧の検査
一通り終われば、また待ち時間
今日は、天気も良いからか患者さんも溢れている
いや、病気に天気は関係ないか
何でも天気に結びつけてしまうあたり、私も歳をとったのかもしれない
よくお祖母ちゃんが『今日は天気がいいから病院行くのも気持ちいいわ』と言っていたのを思い出す
3分の1程読み終わった私は、ふーっと一息つく
時計を見ると10時半を回っている
本を読んでいると時間が早く進む、と思うのは私だけだろうか
このまま続きを読もうかというところで、順番が回ってきた
·
結局どこも以上はなく、やはり花粉のせいで目にかゆみが出ているようだった
コンタクトレンズと目薬をもらった私は、足早に家を目指す
続きが気になっているので早く読みたい
何事もなく終わった眼科を背に、私は大きく伸びをする
空に届きそうなくらい伸ばした手を見上げ、白く輝く清々しい太陽に目を細める
『んー。天気がいいから気持ちいい。今日は公園で本読もうかな』
家を目指していた歩みを変え、緑の葉っぱが生い茂る公園へと足取り軽くした
·

『はじめまして、いろいとです』へ戻る


読んで下さり、ありがとうございますm(_ _)m


コメントやスキもらえると嬉しいです♪励みになります♪頑張ります!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?