自作詩をいくつか、そのよん。『青春時代スイミング』
以前とある投稿サイトにて書いた詩を、noteに投稿しようと思います。先走って夏っぽい作品を三つほど。
『青春時代スイミング』
泳ぎ切れるだろうか
いや泳ぎ切るのだ、この青春時代を
僕は置いてかれたのかも知れない、あの時代に……それとも何かを置いていったのかも知れない、あの時代に
光が差し込む放課後の廊下から
巨大な巨大な水溜りで泳ぐ人々を見下ろしてみると、なんだか綺麗なリフレクション
あの爽やかな風はビンであろうと真空パックであろうと、とっておけないことを
分かっていながら今日も教室の隅の世界で頬杖をついて白い雲、青い空を見ている
その雲の流れ着いた先に誰かいますか
僕のハート泥棒の彼女の影を感じながらあえて見ないふりした黄昏の頃
懐かしくて笑った瞬間だけは明確に写真じゃなくても覚えてるみたいだ
机に彫った優しい雨傘は季節を飛び越えて
記憶を飛び越えて僕を呼び出す
だから再び思い出したやうに泳ぎ出す
泳ぎ出す
25mよりも遥か遠くて愛おしい半直線に
泳ぎ切れるだろうか
いや泳ぎ切るのだ、この青春時代で
『過ぎ去る前の季節』
ああもう一度探しに行く。
アスファルト、退屈な帰り道、あえて歩くは白いライン。
アイスの当たり棒すらつまんなくて捨ててしまうのに、投げて入らなかったゴミを何回もチャレンジする暇潰し。
バックには最低限の想いでしか入ってない。
君と誰かが笑ったバス停で待つはバス。
無機物が友達であれた、コンクリートが冷たくも心地よく、ガラスがずっと違う世界を見せてくれたことが、誰よりも嬉しくて。
でもそれでも有機物の呼吸が世界を作った。
この夏の清々しさも彼女の横顔も、全部全部作られたんだ、作られたものだ。
やがて死んでいく、ならば今は生きていく。
夏に閉じ込められたい。ずるいって笑われたい。もう一度みずになりたい。
夕焼け、いつもそこに、いつも同じようにいてくれるのに。違う景色に見えるは僕の心の持ちようが変わるから。
だから夏が好き。
この夏が好き。
つぎの夏はきっと別もんだ。
答えはない方にあるもの。
ああもう一度探しに行く。
アスファルト、退屈な帰り道、セミの鳴き声、ゆらめる陽炎、僕の気持ち、君の居心地、そして涙が描いた虹の下で。
過ぎ去る前の季節を想っていた。
『夏がもう一度来るように【Re:Summer】』
君に会いたい。
嘘じゃない。うわべじゃない。
例えるなら夏だ。あの透き通っているような空気に、清々しい青に埋め尽くされる感じ。
君は太陽より太陽してる。僕の生きる養分と、意味となっているし、僕の道を照らしてくれている。綺麗に、綺麗に、嫌なほど鮮明に全てを写す。
君の心は綺麗だ
だから僕の心の醜さがよく分かる。
君の目は嘘をつかない
だから僕は君の前じゃ嘘をつけない、カッコつけることすらできやしない。
君は幻かもしれない
じゃないとここまで盲目に愛せない。
君は誰だ!? 少なくとも僕じゃない。
君は何者だ!? 少なくとも僕にゃ分からぬ。
それでも君を愛しています。そんなこと言ってる僕って一体なんなんです。
君も僕に対してそう思ってますか?
なら少し嬉しいのですが、多分それはないでしょう……
ああ! 切ない。
でも……また次も来てよ。
待ってるから。
僕は祈るさ。訳も分からず。
アメニモカゼニモマケヌ感じで。
僕は祈るさ。心の底から叫ぶさ。
夏がもう一度来るように……
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