営業資料をそのままプレゼンで使うと商談は失敗する!商談を成功させるためのプレゼン用スライド作成 7つの極意
あなたは日々のプレゼンテーションのスライド、どのように作っていますか?
営業資料をそのままプレゼン用スライドとして使っていませんか?
もしかして、資料の内容をそのまま読み上げてませんか?
実はそれ、大変なことをしているかもしれません…!
相手にきちんと情報が伝わっておらず、不快な思いをさせている可能性があるのです。
なぜなら、営業資料はプレゼン用につくられていないからです!
もし、相手にとって提案内容がベストなものだったとしても、実は提案内容とは別の理由で断られたり、競合他社に負けたりしてしまったとしたら…。
せっかく考えた提案なのに、とにかく勿体ないですよね。
こんにちは、デザイナーの佐野五月です。
ブランディングをはじめとしたデザイン業、デザインコンサルティング、セミナー登壇などをしており、普段から資料作成やプレゼンをしています。
そして、もちろんお客さんとしての立場で、営業の方のプレゼンを受ける側になることもあるのですが、残念ながら「とにかく勿体ない」と感じることが多々あります。
その理由は、プレゼンで使われている資料が「営業資料」のままだからです。
営業資料を使ってプレゼンされると情報が多すぎて、内容どころか肝心の提案が頭に入ってこないことはありませんか?
実は、営業資料とプレゼン用スライドは似て非なるもので、そもそもの情報伝達手段が異なります。
(伝達手段の違いについては、後ほど詳しく説明しますね)
だから、営業資料をそのままプレゼンで使うよりも、プレゼンの特徴を活かしたスライドに作り変えた方がよいのです。
そこで今回は、営業資料をプレゼン用スライドに変えるためのノウハウや、プレゼンで意識すべきことをお伝えします。
この記事を読んでいただくだけで、商談の成約率がアップするかもしれません!
ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
今回の記事はアドビ社のPR企画「みんなの資料作成」に参加して執筆しています。
理解できていないかも……!
営業資料とプレゼンテーションの違い
ビジネスを促進するツールとして、営業資料とプレゼンテーションは頻繁に利用されます。
しかし、両者の違いを正確に理解していないと、大切なメッセージが相手に届かないことも…。
この記事では、営業資料とプレゼンテーションの違いについて、「目的」「ターゲット」「伝え手と受け取り手」の3つの観点で以下のように定義をしています。
目的の違い
営業資料は、商品やサービスの情報を詳細に記載して幅広い見込み客に認知してもらうためのもの。
一方、プレゼンテーションは相手のニーズや関心に合わせて情報を深く伝えて受注や成約などの決断を促すものです。
ターゲットの違い
営業資料は幅広い見込み客を対象としているのに対して、プレゼンテーションは、特定の相手や限られたグループを対象としています。
伝え方と相手の受け取り方の違い
営業資料は、一言で言えば「静的な情報伝達手段」で、それだけで自己完結するものです。
詳細な情報を相手が自分ひとりでじっくりと読むことを前提としています。だからこそ、相手が誤解しないように詳細に情報を記載することから、情報量が多いことも資料の大きな特徴です。
一方、プレゼンテーションは「動的な情報伝達手段」で、スライドはプレゼンテーションの場で話し手と聞き手が双方向のコミュニケーションを取るために使われます。
つまり、聞き手はスライドをじっくり読むのではなく、話し手の情報を補足するための資料として使われます。
話し手は、一方向に情報を伝えるだけではなく、聞き手の反応や感情、疑問点をリアルタイムでキャッチし、必要に応じてスライドの内容を補足したり、話し方を調整したりします。
ここまでお伝えしてきた違いを以下にまとめました。
比べてみると、似ているようでまったく異なるツールだということがわかりますよね。
営業資料をプレゼン用スライドで使用するデメリット
営業資料とプレゼンテーションの違いをお伝えしましたが、その違いを無視して営業資料をそのままプレゼン用スライドとして使用してしまうと、以下のようなデメリットがあります。
1. 情報過多でメッセージが伝わらない
プレゼンでは、伝えたい情報をたくさん盛り込んだ資料を使った方が、相手によく伝わるような気がしてしまいます。
しかし、聞き手からすると大変です。詳細な情報や文字が小さい資料を見ながら話し手の説明も聞かなくてはいけないため、注意散漫になるうえに、受け取る情報が多すぎて頭に入ってきません。
最近ではオンラインでのプレゼンテーションも増えました。モニターの大きさなどは相手によって環境が異なるため、文字の大きさや詳細な内容にはとくに気をつける必要があります。
また、プレゼンの場では話し手の表情や声のトーン、ジェスチャーといった要素も情報として加わります。
結果、情報が多すぎて、本来のメッセージが伝わらない可能性が高まってしまうのです。
2. プレゼンテーションのよさを活かせない
営業資料をプレゼンで使用した場合にやりがちなのが、資料の文章をそのまま読み上げることです。
目で見ている情報をそっくりそのまま読み上げられると、聞き手は「資料を見ればわかるのに……」ともどかしく感じてしまいます。
その結果、プレゼンが非常に退屈だと感じ、「聞く意欲」を失ってしまいます。
また、資料を朗読してしまうと、プレゼンターの情熱や意気込みが伝わりにくく、相手の感情に訴えかけるようなプレゼンテーションならではの伝え方ができなくなってしまいます。
3. 契約というアクションへ繋げるのが難しい
営業資料は、商品やサービスを幅広い見込み客に知ってもらえるよう、情報を提供するためのツールです。
しかし、単に情報を提供するだけでは、顧客の「契約」という具体的なアクションへ繋げられないことがあります。
一人ひとりのお客様が商品やサービスを求める背景や動機は異なるため、資料の情報だけでは十分な説得力を持たないことが多いからです。
つまり、営業資料はあくまで「認知」してもらうためのもの。
それを超えて「契約」へと進めるためには、お客様一人ひとりの背景や動機を深く理解して、対応する必要があります。
以上の理由から、営業資料をそのまま使用するのではなく、相手に合わせてカスタマイズされたプレゼン用スライドの作成が、効果的なプレゼンテーションに欠かせないんですね。
理解できていなかった、過去の私の失敗談
本当に恥ずかしい話なのですが、実は、過去の私は営業資料とプレゼンテーションの違いを理解しておらず、営業資料をそのままプレゼン用スライドとして使用していました。
その理由は大きく3つあります。
私は人との会話は好きなんですが、プレゼンで話すことには苦手意識があって、緊張してしまうことがよくありました。
そんな私の救世主は、営業資料でした。営業資料には話す内容が記載されてますし、覚える必要もありません。そのまま読み上げれば、話下手もカバーできると安心していたんですね…!
しかし、そんな考えは浅はかでした。結果は散々で、提案は受け入れられず、プレゼン時にせっかく話した内容を後から質問されました。このときは「内容がきちんと伝わってないんだ」と感じ、とてもショックだったことを覚えています。
今振り返ると、プレゼン後の相手の反応は淡々としたものだったと思います。私自身も時間をかけて考えた提案なのに、いまいち気持ちが盛り上がりませんでした。
このような経験から、提案内容を相手に理解してもらえるように伝えるためには、営業資料とプレゼン用スライドはしっかりと作り分けるべきだと学びました。
プレゼン用スライドを変えたらお客さまの反応がポジティブに!
営業資料をそのまま使わず、プレゼン用スライドを作成するようになってから、驚くべき変化を実感しています。
まず、提案がスムーズに通るようになりました。以前はプレゼン後に再度説明していたこともありましたが、それもなくなりました。
それに、聞いてくださる方の反応が変わりました。表情が違うんですよね。以前よりも興味を持って聞いてくださっている方が増えたと感じています。
また、「必要だと感じた」「わかりやすかった」など嬉しい感想を言ってもらえるようにもなりました。
一番嬉しかったのは「プレゼンに感動しました」というお言葉です。
プレゼンって感動させることができるのかという、新たな発見になりましたし、感情を動かすことも、とても大切なのだと実感しました。
このような経験から私自身も変化がありました。プレゼンに対して苦手意識しかなかったのですが、今は楽しむことができるように。
お客様が必要と思う提案がしたい、笑顔がみたい、感動してほしい!など、プレゼンに対して意欲的になりました。
きちんとしたプレゼン用スライドを作成することの力、本当に大きいなと実感しています。
営業資料からプレゼン用スライドを作る
7つの極意
ここからプレゼン用スライドを作る7つの極意をお伝えしますが、一つ注意点があります。それはスライドを作る前の下準備が非常に重要だということです。
お客様はいま、営業資料を見て興味を持っている段階です。言い換えると興味を持っているだけなので、さらなるアクションを起こしてもらう必要があります。その最後のひと押しをするのがプレゼンです。
単純に「営業資料の内容でスライドを作ればいい」ではダメなんですね。
大事なのは、「興味をもっているお客様にアクションを起こしてもらえるような内容に作り変える」ことです。
また、「プレゼン用スライドを作る」と考えると、どうしてもスライドのデザイン(見た目)だけを考えてしまいがちですが、スライドのデザイン作成はプレゼンテーションの一部分に過ぎません。
どんなに素敵な見た目のスライドであっても、話す内容が伴っていなければ意味がありません。
だから、下準備をする必要があるのです。
下準備をしっかりすることで、スライド作成の労力が減るだけでなく、相手にきちんと伝わるプレゼンができるようになります。
ということで、ここからお伝えする7つの極意のうち、5つ目までは下準備です。
それでは詳しく解説していきます。
極意1
顧客を徹底的に理解する
説得力があるプレゼンをするには、相手が求めていることや関心があることを理解して、それをもとにプレゼンの方向性を考えましょう。
そうすることで、相手から質問や異論があった場合も、しっかりと対応できます。
顧客を理解するためには、少なくとも以下の4点を確認しておきましょう。
可能であれば、事前にヒアリングしておきたいものです。
とくに新規顧客の場合、問い合わせから一度も顔合わせやヒアリングをせずに、いきなりプレゼンするのは避けた方がいいと考えています。
極意2
顧客の利益を考える
自社商品やサービスを売りたいばかりに、どうしてもこれらの説明ばかりをしてしまいがちですが、顧客が一番知りたいのは「契約してメリットがあるのか」です。
自社の利益を中心に考えるよりも、顧客の利益は何かをまず考えましょう。
そのうえで、契約するメリットをイメージできるよう、「契約した後の未来」をプレゼンに盛り込みましょう。
ちなみに、頭の中だけで考えていても考えがまとまらないですよね。
そんなとき、私はよく、マインドマップを使って思考を整理しています。
たとえば上記の画像は、今回の記事を書くために作ったマインドマップです。
すべて表示しきれないほどたくさん書き込んでいますが、このように頭の中を見える化することで、徐々に考えがまとまっていきますよ。
極意3
キーメッセージを考える
顧客の情報などを元にキーメッセージを考えます。
今回は営業資料を見てすでに興味を持っている状態なので、「契約のひと押し」となるメッセージにすることが大切です。
いわゆる訴求となるメッセージですね。
自社だから、わたしだから言える独自性のある最強のメッセージを考えましょう。
キーメッセージを考えるときに、ポイントが2つあります。
1. 一目で理解できるもの
キーメッセージは一目で理解できるものがよいです。
メッセージといっても「読む」のではなく、一目見ただけで「頭に入る」ようなインパクトが必要なのです。
たとえば、下記のキーメッセージを見てみましょう。
パッと見て、理解できるでしょうか?
「最大80%省エネ、長寿命・明るさそのままの新しいLED電球」という長いキーメッセージにした場合、読んで意味を理解する必要があります。
その結果、商品の特徴は詳しく伝えてあるものの、訴求力は弱いキーメッセージとなってしまっています。
逆にこちらはどうでしょうか。
一目で「80%の省エネで、新しいLEDなんだな」ということが理解できるはずです。
商品の特徴は詳しく書かれていないものの、「80%省エネ」と「新しいLED」というワードが頭に残って、さらに商品のことを知りたくなりませんか!?
このように簡潔で分かりやすいメッセージは、長い文章や複雑なメッセージよりも記憶に残りやすく、受け手の心に強く刻まれ、商品やサービスに対する印象を強くします。
一目で理解できるキーメッセージを作るには、以下の点を意識してみてください。
●商品やサービスの詳細は別スライドに載せる
詳しい商品の特徴は別のスライドにまとめましょう。
情報を分けることで、受け手は理解しやすくなります。
●無駄なテキストは削る
一目見て頭に入るキーメッセージにするために、なくても意味が伝わるテキストは削りましょう。
2. 感情を動かすもの
キーメッセージは感情を動かすようなものがよいでしょう。
たとえば、「○○サービスのご提案」よりも「希望の未来を手に入れる」の方がグッときませんか!?
とくに無形商材(サービス、ソフトウェア、保険、コンサルティングなど)ほど、具体的な目に見えるメリットが少ないため、感情に訴えるキーメッセージが効果的であることが多いです。
感情を動かすキーメッセージを考える際には、以下のいずれかのポイントをメッセージに入れることを意識してみてください。
これらの各ポイントを踏まえてキーメッセージを考えると、以下のようなメッセージを作れます。
「人は論理で納得して感情で動く」といわれています。
「契約のひと押し」をするために顧客のアクションを起こす訴求力のあるキーメッセージを考えてみましょう。
このキーメッセージを元に、プレゼンを展開していきます。キーメッセージはコンセプトでもあり、ブレない提案をするために、必要なものです。
なお、キーメッセージを考えるのが苦手という方には、こちらの本がおすすめです。
売れるコピーライティング単語帖 探しているフレーズが必ず見つかる言葉のアイデア2000
極意4
実際のプレゼンをイメージする
今まで聞いたプレゼンのなかで、印象に残らなかったものと印象に残ったものはないでしょうか。
話を聞いてアクションを起こしたことはもちろん、話者の話し方や表情も覚えている…というようなプレゼンは、印象に残ったプレゼンである証拠です。要は「話者のプレゼンが上手かった」ということ。
ビジネスプレゼンテーションになると、どうしても商品やサービスの説明だけに注力して、淡々としたものになりがちです。
しかし、プレゼンでは内容だけでなく、話者の表情や話し方、声のトーンも非言語コミュニケーションの情報として相手に伝わります。
「極意3」で「人は論理で納得して感情で動く」とお伝えしましたが、キーメッセージだけでなく、自分の表情や話し方なども、相手の感情を動かすための重要な情報だと意識しましょう。
そこでおすすめなのが、実際のプレゼンの場面や、プレゼン後の相手の感情をイメージすることです。
プレゼン中はどんな雰囲気であってほしいか?プレゼンが終わった後に、どんなアクションが欲しいか?どんな感情をもってほしいか……などをイメージして書き出します。
私はこれらをイメージすることで、スライドに掲載する表現方法やメッセージ、声のトーンや話し方を微妙に変えています。
プレゼンが単なる情報伝達ではなく、自分の想いや感情がこもった印象に残るプレゼンテーションが実現できるので、ぜひ考えてみてください。
極意5
ストーリー(構成)を作る
プレゼンが成功するかしないかは、構成が大きく左右します。スライドを作る前にしっかり考えておきましょう。
なお、最も有名なプレゼンの型はPREP(プレップ)法です。情報を整理しやすく、メッセージや具体例がはっきりとし、聞き手にも分かりやすく伝えることができます。
このほかにも、プレゼンにはさまざまな型があります。提案内容や目的によって使い分けましょう。
わたしはデザインの提案、サービスの提案、課題解決、セミナー登壇など目的によって型を使い分けています。
極意6
営業資料を元にスライドを作る
これまで下準備についてお伝えしましたが、お待たせしました!やっとここからスライド作成に入ります。
ここからは、営業資料を元にスライドを作る際に意識しておきたい8のポイントをお伝えします。
6_1 営業資料の情報を絞る
「極意2」でもお伝えしましたが、自社商品やサービスを売りたいばかりに、どうしてもこれらの説明ばかりをしてしまいがちです。
しかし大切なことは、目の前にいる顧客が本当に必要としている情報に絞ること。せっかくプレゼン用のスライドを作成したのに、結局営業資料と同じ内容では意味がありません。
シンプルな資料ほど、内容が理解しやすくなります。
余計な情報は、訴求が弱くなったり、相手の興味や聞く意欲を失ってしまうことになりかねません。
とはいえ私もいまだに情報を盛り込んでしまいがちです。「あれもこれも」と盛り込みたくなるんですよね……ですので「絞る」ことをかなり意識しています。
6_2 トークが主役のスライドを作る
プレゼンでは、トークが主役になるようなスライドを作成する必要があります。
ではどんなスライドが必要なのかというと、紙芝居や絵本の読み聞かせを想像してもらえるとイメージしやすいと思います。どちらも話者が主役で、絵や本はあくまで話の補佐です。
つまり、トークが主役を言い換えるならば「あなた自身が主役」ということです。
プレゼンではあなたの見た目、表情、話し方、声、ジェスチャーという情報も加わります。
ですので、スライドに情報が多すぎると、聞いている方が情報過多で頭に内容が入ってこなくなってしまうんですね。
ぜひ、あなた自身に注目してもらえるスライドを作りましょう。
こちらの記事が非常に参考になるので、読んでみてください。
6_3 スライドのサイズ
多くの営業資料はA4サイズが多いですが、環境によっては非常に見づらいことがあります。
営業資料をそのまま使うことのデメリットのひとつですね。
そのため、プレゼン会場のスクリーンの比率や、オンラインであればPCモニターの縦横比である16:9など、相手の環境に合わせたスライドサイズに調整しましょう。
6_4 営業資料を分解する
営業資料をスライド用に変更するときにやってはいけないのが、1ページをそのままプレゼン用スライドにコピーすることです。
これではスライドとして適しません。では、どのように変更していけばいいのか。
おすすめの方法は、営業資料を分解してから、トークに合わせてスライド化していくことです。
見出し、トーク、内容…と分けます。
資料での長い文章は、トークにするか、箇条書きなどにして簡潔にしましょう。
資料を分解したら、トークは見出しとセットでまとめておきましょう。
この工程を行うことで「トークが主役」のスライドを作成しやすくなりますし、プレゼンの全体像がイメージしやすくなります。
営業資料では1ページの情報でも、プレゼン用スライドでは1ページに情報を詰め込まずにトークに合わせてスライドを作っていきましょう。
6_5 スライドは「見出し」「トランジション」「コンテンツ」の3つで構成する
スライドは「見出し」、「トランジション」、「コンテンツ」の3つのスライド構造で作りましょう。
この3つのスライド構造は、「見出し」→「トランジション」→「コンテンツ」の順番で構成されるので、情報を順序立てて伝えることができ、聞き手の理解を深めるのに役立ちます。
また、プレゼンター自身にもメリットがあって、全体の流れを把握しやすいため、スライドが作りやすくなりますよ。
キーメッセージは見出しスライドに入れる
キーメッセージは見出しに入れて、聞き手の心を掴みましょう。
見出しはセクションの最初のスライドです。
キーメッセージを最初に提示することで、聞き手の注意を特定のテーマやポイントに集中させることができます。
また、キーメッセージを入れたスライドは、写真を使って視覚的に見せるのも効果的です。
6_6 トークに合わせてスライドを変化させる
トークに合わせて、特定のポイントや情報を強調すると、重要なポイントが視覚的にわかりやすくなります。
なお、一つのスライドが長く表示されると、聞き手の注意が散漫になる可能性があります。
スライドを変化させて動きをつけることで、注意を引きつけて飽きさせない効果もありますよ。
6_7 1スライド1メッセージ
「1スライド1メッセージ」とは、プレゼンテーションの効果的なデザインや伝達のための原則の一つで、各スライドには一つの主要なメッセージやポイントのみを含めるという考え方です。
プレゼンテーション中、聞き手は限られた時間で多くの情報を処理しようとします。
そのため、たくさんのメッセージやデータ、情報が一つのスライドに詰め込まれていると、聞き手は混乱しやすく、主要なポイントを見逃してしまう可能性が高まります。
それは、スライドのデザインでも同じことがいえます。一つのスライドで色や装飾を使いすぎると、混乱を招きやすいので避けましょう。
6_8 シンプルに徹する
スライドの情報をシンプルにすることは、情報を効果的に伝えるための鍵となります。
「プレゼン用スライドを作る」と考えると、どうしてもスライドのデザイン(見た目)を作り込んでしまいがちですが、先ほどもお伝えしたように、プレゼンでは視覚的な情報が多ければ多いほど、必要なメッセージが相手に伝わらなくなってしまいます。
「少し物足りないかな?」くらいで丁度よいです。
余計なテキストや装飾を削って、スライドをシンプル化しましょう。
テキストを削る
聞き手はトークと視覚的な情報が同時に入ります。瞬時に理解できるように、冗長なテキストは削りましょう。
装飾を削る
下記のような装飾をおこなうと、情報が見にくかったり、聞き手の混乱を招いたりする可能性があるので、避けましょう。
過度な装飾
内容と紐付かないイラストや写真
過度なアニメーション
極意7
双方向のコミュニケーションを意識する
プレゼンは「私の話を聞いてもらう」ように捉えがちですが、実はそれだけではありません。
お客様とのコミュニケーションを活性化させることを意識しましょう。
コミュニケーションの活性化といっても、常に相手と話しながら進行するということではありません。参加者に話しかけたり、質問などでプレゼンに参加してもらうのです。
たとえば、参加者への質問やアンケートなどを盛り込み、手を挙げてもらう、オンラインであればスタンプを押してもらうなど、聞くだけでなく参加できるようにすると、聞き手の心を掴むことができ、飽きさせません。
私の場合は、機会があればプレゼンの前に参加者に話しかけたり、オンラインプレゼンでは「途中で質問するのでスタンプ押していただけると嬉しいです」など、何かアクションをしてほしいことを伝えています。
その一言だけでも参加者の聞く姿勢に変化があるのを感じています。「聞くだけ」と「参加」は雲泥の差があるので、ぜひお試しください。
わたし流、プレゼンの心構え
最後に、これまで何度もプレゼンを行ってきたわたしが、プレゼンをするときに心掛けていることをお伝えします。
通しで練習する
必ず通しで数回練習をします。たとえ短いプレゼンだったり、組織やチームなど身近な人へ向けたものだったとしてもです。
実際にやってみることで改善点がわかって、トークとスライドが合っていない、わかりにくい…など、練習しながら改善できます。
また、何度も練習すると話すべきことが頭に入って、その時の状況に合わせた自分の言葉で伝えられるようになります。
何より練習したこと自体が自信になって、本番では堂々とプレゼンができるようになります。
楽しく挑む
未だにプレゼンの前は緊張します。
そこで「下手くそでもいい。楽しもう」と自分に言い聞かせています。緊張する大きな理由は「上手くやらなきゃ…」と身構えてしまうためです。
以前の私はプレゼンに苦手意識があって、資料を淡々と読み上げ、朗読会を開催しているようなものでした。
ですが、考え方をまるっと変えて「楽しもう!」になったんです。
まずは自分が楽しまないと、どんなにいい提案も相手に受け入れてもらえないと考えています。
能面で淡々と朗読する人と契約したいと思わないですよね。
プレゼンターが楽しんでいると、相手にも伝わります。それが提案やあなた自身への興味にも繋がるのです。
私のように緊張してしまう方、「よし、楽しむぞ」と声に出してみてください。
せっかく考えた提案です。思いきって伝えてみてください。
きっと相手に伝わります。
資料とプレゼン用スライド作成におすすめの「Adobe Acrobat オンラインツール」
最後に、資料作成に便利な「Adobe Acrobat オンラインツール」の機能を紹介します。
Acrobat オンラインツールを使うと、さらに資料やプレゼン用スライド作成がさらにラクになるんです!
アプリダウンロード不要で、オンラインで使えます。
PDF資料をPowerPointデータへ変換できる
この記事でお伝えしてきた通り、営業資料をそのままプレゼン用スライドとして使うのは避けましょう。
しかし、自社や自社商品の基本情報など、営業資料の内容をベースに作れる部分もあります。
PDFのプレゼン用スライドを0から作るのは大変なので、営業資料の内容を参考にできる部分は参考にしましょう。
また、営業資料がPDFファイルでしか残っておらず、元のPowerPointのデータがない場合もあるかもしれません。
そんなときでも、Acrobat オンラインツールを使えば、PDF資料をPowerPointなどのデータへ簡単に変換できるんです!
変換されたら、ダウンロードしましょう。
ツールにPDFファイルをドラッグ&ドロップするだけで、簡単にPDFからPowerPointのデータができました!
こちらがPDFをAcrobat オンラインツールでPowerPointデータに変換したものです。
オブジェクトやテキストボックスがきちんと分割されているので、編集も可能。
PDFからテキストをコピー&ペーストしたり、素材を別途探したりする必要がないので、スピーディーにスライド作成ができます。
PDFをPPTに変換
PowerPointデータをPDF資料へ変換できる
プレゼン後にスライドを配布する際には、どのデバイスでも見た目が崩れずに表示されるPDFの形式を使うのが便利です。
PowerPointデータからPDFへの変換も、Acrobat オンラインツールを使うと、ドラッグ&ドロップで簡単にできます。
PPTをPDFに変換
WordやExcelなど、ほかのファイル形式からPDFに変換したいときはこちらから。
PDFに変換
PDFの必要なページのみを残して保存できる
配布用のPDFは、必要のないページを削除したい場合もあります。そんなときもAcrobat オンラインツールにある「PDFのページを削除」という機能で、必要なページのみ残して保存できます。
削除したいページを選択して削除ボタンを選びましょう。
チェックボックスをクリックすれば、複数のページを一括削除できるのが便利です。
必要のないページを削除して整理できました!
PDFのページを削除するだけでなく、ページの入れ替えも、オンライン上で直感的に操作できます。
PDFのページを削除
「PDFからページを抽出」を使えば、逆に使いたいページのみを残して別のPDFとして保存できます。
ページを抽出
PDFを保護するパスワード設定ができる
PDFファイルを外部の第三者から保護するパスワード設定もAcrobat オンラインツールで設定できます。
重要な文書や機密情報を含む場合は必ず設定しておきたいですね。
パスワード保護
PDFにフィードバックを入れられる
Acrobat オンラインツールでPDFにコメントを入れられます。
コメントを直接文書に追加できるので、修正などの具体的な部分に対するフィードバックや指示を明確に示すことができます。
また、複数人で作業が可能なので、コメントを使用して意見交換を行ったり、修正点を確認したりすることができます。
PDFを編集
いかがでしたでしょうか?
今回は営業資料をプレゼン用スライドに変えるためのノウハウや、プレゼンで意識することをお伝えしました。
この記事がみなさんのお役に立てると嬉しいです!
ここまで読んでいただきありがとうございました。