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干物は活魚にはなれない

鏡が洗面所にしかないとちょっと不便なことがある。
外に出て白日に晒されると、猫の毛がべっしょり付いていたり、服のコーディネートを失敗したり、お出かけ時の気分が下がることがある。
常日頃から気にする性格であれば、鏡が無くても気づくのだろうが、自由奔放、傍若無人、という言葉が似合う私には無理な話である。

ダイエットや美容など無頓着でも若さでカバーできていたが、そろそろ無理が来る歳になったと自覚したところで、大きな鏡を買うことにした。
自分を見つめる場所を作って、気にするきっかけを買おうという目論見である。

狭い部屋に大きなものは置きたくないので、壁に貼れる鏡を購入。貼った位置が下すぎたのか、実物よりも細く見える鏡になってしまった。

色々気にして生活できるようになったかと言われれば、そもそも鏡を見る習慣がないので、日常に怒涛の変化は生じなかった。早く女を取り戻したい。

▼86エンド 干物は活魚にはなれない

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