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シナモンロールで振り返るフィンランド・後編【海外初ひとりたび】

2024年3月初句のフィンランド旅行。今も冷めやらぬシナモンロール熱。

シナモンロール懐古録


Maunulan Maja

 ようやくトラムの利用に慣れた3日目の日曜日。連泊中のホテルがあるkatajanokkaから約10Km、ここは森の中(ヘルシンキ中央公園内)にあるカフェだ。市バスに乗ってみるというプチ課題もクリアし辿り着くことができた。

カフェの看板、そしてお散歩中のご婦人たち。絵になるねぇ

 バス停からはゆっくり歩いて15分程だった。ウォーキングコースは凍っているけれど、1歩ずつ踏みしめながら歩けば滑らず歩くことができた。靴用のすべり止めはリュックの中でお守りの役割を果たしてくれた。
 
 どうしてもドーナツをイートインしたかったのでシナモンロールはテイクアウトする。

ホテルに戻り夕食にいただく
小麦感、最高!

 弾力がありボリューミーなシナモンロール。
次回はぜひとも森が青々している時期に来て、この公園をたっぷり歩いた後に食べたい。

ドーナツ、もちもちで食べ応えあり。ほんのりカルダモンを感じる。言うまでもなく美味しい。

Fazer(K-Marketで購入)

 金銭感覚がマヒし始めた4日目。メッセージ交換していた現地の友達に「スーパーで売ってるシナモンロールは安いよ!」と教えてもらう。そこでポルヴォー小旅行の帰りにカンピショッピングセンター内のK-Marketに立ち寄る。

これはカレリアンピーラッカ

 とにかくパンの種類が多いし見たことのないものにも出会い大興奮でトングを手に取る。カチカチ拍子をとりたがる左手にグッと力を込めてこらえ、冷静を装う。そして3種類のパンを選び1つの紙袋に入れた。購入までのシステムがよくわからないので周りのお客さんを観察する。どうやら量り売りのようだ。備え付けの機器を使い各パンの札に記載された番号を押すとバーコードシールが印刷される。それを紙袋に貼り、最後に他の購入品と合わせてレジで精算してもらうというルールのようだ。
 (後に調べて知ったのだが、正しくはパン1種類につき1袋・バーコードシール1枚だそうだ)
 
 レジでは若いメンズの店員さんが「Hello.」と目を見てほほ笑んでくれた。こちらも「Hello」と返す。彼は椅子に腰かけているもんだから少々上目遣いであった。足を組んでリラックスした様子である。ブロンドの短髪で耳には小さなピアス。ブルーとグレーの間の宝石みたいにキレイな瞳。整ったお顔立ちにちょっとヤンチャさを感じさせる頬のそばかす。そう、佇まいも含めてイケメン!!ところで「Moi」ではなく英語で「Hello」と挨拶してくれたのは異国人であるわたしへの優しさだろうか。・・・妄想日本人、心拍数が上がる。
 イケメンも拝めるし最高かよ、なんて浮かれながら精算待ちをしていたところ、彼がパンの紙袋を手に取り数秒間それを見つめる。あれれ、その目に浮かぶのは困惑の色。それから流暢な英語でわたしに何やら説明をしてくれたのだが、こちら、実はほとんど聞き取れないのである(わたしがネイティブ並みなのはHelloの発音限定だ)。イケメンはそれを察したのか説明を止め、諦めの表情で紙袋のバーコードを読み取る。そこで自分がパンの購入方法を間違っていることに気付いた。あぁ、レジの流れを止めてしまったし困らせちゃった・・・。「Sorry…」と申してみたが、イケメンからのレスポンスは得られず精算を終えた。すみません、次は間違えません英語ももっと勉強しますと心の中で誓い、K-marketを後にする。
 ホテルに戻りパンをいただく。どれもめっちゃ美味しい。もうすでにあの時の気まずい気持ちとイケメンに嫌われたかもという小さなショックは消え去っていた。

半分ずつ食べる。残りは明日の朝食に。


Kanniston Leipomo

 日本へ帰国する日の朝、チェックアウトを済ませて75Lのスーツケースを牽く。ヘルシンキを名残惜しく思い、足取りは鈍い。

私の手は大きいが、シナモンロールはそれを上回る

 きっととても美味しいシナモンロールなのだが、これもまた自分の感情により特別な味に思えた。窓際の席に座りこの幸福な数日間を振り返る。HelloTalkで知り合ったフィンランド人のお友達とお茶したり、船に乗ってエストニアまで冒険したり、ホテルのキッチンで慣れないIHヒーターを使ってウインナーを焼いたりしたなぁ。次はいつ来れるだろう。旅費と時間を手に入れるのはそう簡単じゃない。活発にカウンターとパントリーを行ったり来たりしている店員さんを、こうしてずっとぼんやり眺めていたかった。

ROBERTS COFFEE(この旅で3度目)

 幸いヘルシンキ中央駅までの道中にある。ROBERT’S COFFEEはチェーン店なので至る所にあるのだが、初日に来たこの店舗はわたしにとって特別だ。

3つテイクアウトする。ジップロックの準備はできていた。日本まで大切に持ち帰るのだ。1つは自分用に。また1つは特別な友達に。残りの1つは父と母に(はんぶんこさせる)。

ジップロック in ヘルシンキ

 今、22時前。もう目がシパシパしている。思い出のシナモンロールは一通り記録できたと思う。美容のためにできるだけ早く風呂に入ることにする。肩こりがひどい。気の利いた文章は書けない。力技で締めくくる。

珠代姉さん in kaivopuisto

では。

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