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道端で立ち止まりたい~草花が好きなだけなのに~

 道端で生き物観察や写真撮影をしたいけれど、人目が痛いお話です。

 カメラはいつも鞄に忍ばせていますが、写真を撮れない機会も多くあります。突然街中で止まり、カメラを出すのは、どうにもはばかられるのです。ちょっと怪しい人に見られそうで。
 実際、花壇の花に足を止めて見つめているだけでも振り返える通行人がいます。なんというか、道って歩いていないと変な顔されるんですよね。ましてや雑草と呼ばれる類いの花なんて、目線が痛くて観察していられません。「これを画像に留めたい!」何度も思いを飲み込んできました。


 強剪定で柱のようなシルエットになってる樹木には見えない街路樹。コンクリート壁の隙間から出ている苔やシダの塊。
 街路樹の姿は一周回って面白いですし、生き物の管理としてどうなのか疑問の提議できます。
 壁のシダは生命力に感心しますし、色んな種類の苔やシダに満ちていて、実に興味深い。しかも、小さな盆栽か何かのように整っていて美しいことさえあります。
 見逃してしまう日の方が多いですが、都会の緑もちゃんと観察すれば面白さの宝庫です。


それなのに、車のドライバーの視線が!向かいから歩いてくる人の表情が!気になって、痛くて、ゆっくり観察できません。
 「何もしてません!生物が好きなだけです!お家を撮るストーカーでも、探偵でもありません!大丈夫です!」脳内では一気にまくし立てています。
 公共の花壇を眺めているだけで、庭へ出た住民に凝視されたこともあります。内心で無実を訴えつつも、見つめられては心置きなくとはどうもいかないのです。


 桜やハナミズキ、これからはヒマワリなど咲き誇った一面の花なら良いんです。カメラを掲げている通行人も珍しくありません。それが見逃すようななんの変哲もない雑草だとハードルが上がります。いえ、花ならまだ良いのです。

 花でなくても、感嘆する生き物の営みがあるんです。膨らんでいく冬芽、芽吹いた小さな葉、濃くなっていく緑、つぼみ、よくいるスズメ、道路の虫、みんな不思議で魅力的なのに!市民権を得られず、見れば、撮れば、何やってるんだ?と不審がられます。

 結果、道路でキョロキョロ回りを確認してから立ち止まります。人や車通りがあれば諦める場合が常です。
 人がいるのに気がつかず、見渡してから突っ立って見ていたり、ごそごそカメラを取り出す様はますます怪しげです。なんとかならないものか、頭を抱えています。

 確かに今はみんな写真をとり、みんなSNSに投稿する時代なので撮っていてもそんなに不気味はないのかもしれません。でもそんな風な気で常時いられる訳でもなく、自意識過剰と通報の恐怖に悩まされ、切り取りたかった風景を忘れていきます。


 悔しい!せっかく、おやっと視界に入った自然の魅力をゆっくり堪能できないなんて!せめて記録に残せれば、あとでやりようが幾つもあるのに!

 どうしたものでしょう?大きくて立派なカメラを携えている訳でもなく、一緒に散歩する犬がいる訳でもないのです。やましくないですし、慣れるしかないのでしょうか?
 もっと身近な生き物の楽しさが広まれば。自然公園でしゃがみこんで観察する分にはまだ不審がられないのでは?いっそ、自分の広大な庭を手に入れる計画を、、、

 残念ながら、素敵な解決法も今回の締めを飾る名文も、持ち合わせていません。唇をつっぱらかって困り眉を顔に作り、打っています。

 他の方はどうしているのでしょうか?そうですね、何か名案があれば募集したいと思います。

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