をかし -wokashi-

はじめまして。自身が影響を受けたカルチャーを偏愛的に語る「ゼロ年代と、それ以前のシンギ…

をかし -wokashi-

はじめまして。自身が影響を受けたカルチャーを偏愛的に語る「ゼロ年代と、それ以前のシンギュラリティ──」を不定期にて書いています。音楽・アニメ・映画・読書etc.について話すことが多いです。

最近の記事

ゼロ年代と、それ以前のシンギュラリティ── #4 市川春子 『宝石の国』

無限の時を生きる宝石達の散り際は、あまりに一瞬で儚く脆い───。 本作との出会い 最初に本作にふれたのは18歳の5月 少しずつ初夏の香りが感じられた、少し蒸し暑い季節の中、当時専門学生として福岡の片田舎から、福岡市に通って通学していた。 東京や大阪ほどでないにせよ、そのときの自分にとっては十分すぎるほどの大都会であった。 特に思い出に残っているのが、TSUTAYA天神ショッパーズ福岡店に通っていたこと。 福岡市地下街から直結したノース天神とのアクセスも良好で、毎週

    • ゼロ年代と、それ以前のシンギュラリティ── #3 大槻ケンヂ 『人として軸がブレている』

      特別、筋肉少女帯や大槻ケンヂを聴いていたわけではないけれど、 僕をサブカルへ誘ったのは、ブックオフの100円棚で見かけた、このエッセイだったかもしれない。 なぜか興味をひかれた、 "大槻ケンヂ"の文字 この本の紹介を前に、少し自身の読書遍歴から語りたい。 高校を卒業した18歳の春、僕は浪人生だった。 予備校に通う浪人生ではなく、自宅や自主的に勉強するいわゆる宅浪生。 予備校に通っていないため、時間はその分多くあって、何か趣味を始めたいと考えた。 最初に思いついたの

      • ゼロ年代と、それ以前のシンギュラリティ── #2 坂本真綾 『DIVE』

        人生の岐路となる年に、どんな音楽を聴いていただろうか。 18歳の夏に聴いた『DIVE』、奇しくも本作をリリースした坂本真綾と同い年であった。 坂本真綾の音楽を知ったきっかけ 第2回となる ゼロ年代と、それ以前のシンギュラリティ── 影響を受けた音楽は多けれど、最初の音楽作品に本作を取り上げたのは、自身の純粋な感性に響いた作品ゆえである。 元々彼女の存在は、小学生の時から存じていた。当時はヱヴァンゲリヲン新劇場版:破が公開された時期であった。エヴァシリーズ初登場となる真

        • ゼロ年代と、それ以前のシンギュラリティ── #1 『東のエデン』

          今のカルチャー遍歴は、東のエデン以前と以後に分けられる。まさに自己歴史のシンギュラリティであった。 作品との出会い 時は高校2年生の夏。将来の進路を決めたものの、未来の希望より先の不安が大きかった。将来の事から目を背けるように「深夜アニメをみてみたい」そう思い立ち、必死に色んな作品を調べた事は、今でも鮮明に覚えている。 元々、祖父の影響で洋画を嗜む程度に観ていた自分がどうして深夜アニメを観てみたくなったのか。おそらくアニメーションが創出する非日常で空想的なフィクションに

        ゼロ年代と、それ以前のシンギュラリティ── #4 市川春子 『宝石の国』

          ゼロ年代と、それ以前のシンギュラリティ── #0 『ごあいさつ』

          はじめまして。または改めまして。 をかし -wokashi- と申します。 情報過多社会が進む現代、現行の作品のみならず過去の多くの芸術文化にアクセスしやすい時代となりました。 その影響を強く受けた世代もあって、10代の頃から沢山の音楽やアニメなどに多感にふれて過ごしてきました。 その一方で、多量の作品を知ることにより、一つ一つの作品と向き合えていない自分がいました。倍速視聴や概要のみを把握する「ファスト映画」な視聴の仕方を行っていた時期もあります。 それを趣味とい

          ゼロ年代と、それ以前のシンギュラリティ── #0 『ごあいさつ』