見出し画像

講師インタビュー vol. 2🩰バレエダンサー/ピラティストレーナー細井佑季

こんにちは。性別の枠にはまらないイベントを企画しているirOdori〜彩り×踊り〜です🌈

今月はイベントを一緒に企画している方々のご紹介をしています!

第2回となる今回は、バレエダンサー/ピラティストレーナーの細井佑季(ほそいゆき)さん。irOdoriとして最初に開催したイベントから関わってくださっていて、終始笑顔でイベント参加者を楽しませてくれる佑季さん。バレエにまつわる波瀾万丈の半生からピラティスイベントへの思いまで、たくさん語っていただきました。

(略歴)
3歳からバレエを始め、貝谷バレエ学園、小野正子バレエスタジオ、東京シティバレエ団付属スクールで学ぶ。English National Ballet Schoolサマーコース参加。National Theatre Ballet Schoolに留学。バレエ、コンテンポラリーなどを学び、学校公演で主役を踊るKathleen Gorham Scholarship第3位(RAD Advenced 1取得)。San Diego Balletでソリストとしてツアー本公演に参加。
BESJマットピラティス指導者。
帰国後、舞台に出演しながらバレエ講師、ピラティストレーナーとして幅広く指導している。

画像5

身体に良さそうな習い事としてバレエを始めました

・バレエを始めたきっかけを教えてください。

家族にバレエをしている人はいなかったのですが、私の親が、左右対称に身体を動かす身体に良さそうな習い事として、バレエと水泳のどちらを始めさせたいと考えたみたいです。
家族に日本舞踊を習っていた人がいたのと、私自身が落ち着きがなくてどこにいても踊っていた子供だったことから(笑)、バレエを始めました。

毎日教室に通えるほど余裕はなかったので、高校生になるまでは週3くらいで通っていました。小さい時は、バレエ教室では教室のお姉さん達に優しくしてもらいながら「私が一番前!」という感じではしゃいでいました。
教室に通わない日は親が買ってくれたバーを使ってバーレッスン(バレエの基礎的な動き)をしたり、バレエのDVDを観たりしていました。元々身体はすごく硬い方なので、ストレッチは毎日していたかなと思います。

踊り終わって拍手をもらう瞬間が好き

・本当にバレエっ子だったんですね。なぜそこまでバレエにハマったのでしょうか?

何よりも踊るのが楽しかったです。舞台で踊り終わってお辞儀をするときに、お客さんから拍手もらっている瞬間が好きなんです。
あとは、いい意味で高校生になるまで厳しい世界を知らなかったというのもあります。コンクールには何回か出場しましたが、同じバレエ教室で競う相手はいなかったので、純粋に楽しめたんだと思います。

画像2

先生に声を掛けていただきオーストラリアへ

・本格的にバレエの道に進むことになったきっかけを教えてください。

オーストラリアに留学したことでした。
高校生になって、自分の出来なさを身に染みて感じるようになったので、高校卒業などのタイミングでバレエをやめようと思いました。将来は大学に行くことも考えていた高3の夏、オーストラリアのNational Theatre Ballet Schoolというバレエ学校の留学試験の存在を知って、受けに行きました。すると、学校の先生から「ぜひ勉強しに来なさい」と声を掛けていただきました。
当時、バレエの技術は全然よくなかったのですが、「技術は直すから」と言われました(笑)。そのようにおっしゃってくれる人がいるならと思って、大学に行くことをやめて、オーストラリアに留学することにしました。

留学生活はすごく良かったのですが、自分は何でも一番頑張らなきゃと思って、毎日12時間近く踊っていました。
ただ、しばらくして身体的にも精神的にも無理が出て、体調を崩してしまったので帰国しました。

画像5

(高校2年、イギリスEnglish National Ballet Schoolサマーコースにて)

今が一番純粋に頑張れている気がする

・帰国後はどのように過ごしましたか?

留学中に家族が大阪に転勤したので、帰国して大阪に移りました。当時20歳で、通っていたバレエ教室もなくて知り合いもいない状態で、一から再スタートを切ったような感じでした。

大阪では、有名な先生のいるバレエスタジオでレッスンさせていただきました。素晴らしいダンサーがたくさんいて追いつくのに必死でしたが、なんとか公演に参加させていただきました。また、教えることも始め、自分の教室も持つようになりました。

2018年に東京に帰って来たタイミングでも、バレエをやめようと思ったのですが、東京でたくさんの先生が声を掛けてくださったおかげで、徐々に軌道に乗ることができ、今に至ります。始めは役につかずに舞台に出ていましたが、だんだん役をいただけるようになってきました。

今までたくさんのことを経験したので、最近やっと心が開けてきたなと感じています。
例えば昔は、舞台のオーディションに落ちたらどうしよう、と自分のプライドのせいで些細なことを気にしていましたが、今はオーディションに落ちても気にならなくなりました。そんなどうでもいいことを気にしていたら、将来つかめたはずのチャンスがつかめずもったいないからです。前からこういう風に考えられれば自分の人生は変わっていたかもしれないなとも思います。

今は真摯にバレエと向き合うことができるようになりました。今が一番純粋に頑張れている気がします。

画像5

(帰国後に行ったアメリカSan Diego Balletにて)

自分の身体を見直そうと思いピラティストレーナーに

・とても素敵な心持ちですね。ピラティストレーナーになったきっかけを教えてください。

自分の身体を見直そうと思い、ピラティスを始めることにしました。
私は楽しい舞台にすること、舞台を盛り上げることは得意な方だったのですが、踊りの繊細さや綺麗さは欠けていると感じていて、そんな自分に飽き飽きしていました。ちゃんと踊れるようになりたいと思い、始めました。

ピラティスのパーソナルレッスンに通いたかったのですが、どうせ受けるならピラティスのことを知っておいた方が良いと思って、3年ほど前にBESJ(Body Element System JAPAN)のマットピラティスの資格を取りました。資格を取ったおかげで、踊っている人の身体のズレがわかるようになったり、自分自身踊る時にうまくバランスが取れるようになりました。ピラティスはバレエに必要な基礎の身体作りに活用できると思います。

画像5

(2019/11/16 初回のirOdori主催のピラティス&バレエストレッチイベント)

一方的に教えずに、一緒に作業していく

・今はどのようなクラスを開催していますか?

◎ピラティス&ストレッチイベント(irOdoriイベント:スタジオorオンライン、不定期)
◎オンラインパーソナルレッスン(ピラティス、バレエ、トレーニング、ダイエット、姿勢矯正、ストレッチなど)
◎田町のパーソナルトレーニングスタジオでのレッスン
などをしています。バレエ教室で指導もしています。

指導してアウトプットをする分、自分にも得るものがあるので、教えるのは好きですね。
どのクラスでも、一方通行に教えるのは好きではないので、一緒に作業していく感じでやっています。「こっちが言ってあっちがやる」ではなく、相手の反応を見ながら指導します。その分、私の言うことが右往左往することもありますが、それは試行錯誤しているからです。
深いお付き合いの方に対しては、手加減せずにものすごく粘って指導します。相手にうるさいと思われるくらい言い続ければ、何かを感じてもらえると信じてやっています。

画像6

(オンラインパーソナルレッスンの様子)

何かの枠にはまらずに、そのまま来てください

・irOdoriは「性別の枠にはまらない」をコンセプトにしていますが、イベントへの思いを教えてください。

私は、男女にわけて人を見ることやLGBTQの方を特別扱いするようなことはしていません。なので「自分は男性だからこうだ」というように、何かの枠にはまってクラスを受ける必要はありません。そのままのご自身で来てください。
女性として生まれて女性として生きている人でも、表に出るのが恥ずかしいという方がいますが、「私は何も気にしていませんよ」ということをクラスの最初に言うようにしています。

海外で暮らしていた時、LGBTQかどうかに関わらず、皆とても誇らしげに生きていたのが印象的でした。何か言ってくる人や周りの目線に対して気にするのではなく「同じ次元の人じゃないな」「何もわかってない人だな」と思って受け止め方を変えていければ、日本でも一人一人がもっと誇らしく堂々と生きていけると思います。

クラスを受ける時も、「こう言われたから」という周りの余計な声は忘れて、ご自身の「柔らかくなりたい」「身体をスッキリさせたい」などの純粋な思いをぜひ大事にしてお越しください。

画像7

(2020/2/16 ピラティス&ストレッチイベント)

自分らしく生きていきたい

・最後に、佑季さんの将来の夢を教えてください。

一番は、自分らしく生きていきたいですね。
あとは、舞台に立つことも、指導をすることも、相手がいないとできないことが多いので、人に必要とされる人になりたいです。そのために、お客様の想いをできるだけ感じるようにしています。

バレエと仕事以外で今やっていることといえば、飼っている犬と戯れるくらいですね(笑)。バレエと仕事で精一杯なので、これ以上何か増やしたら嫌ですし、やるならちゃんとそれに向き合いたいので、今は趣味はありません。いつか趣味は欲しいですね。

画像8

終わりに

佑季さんの過去やストイックな姿勢、プロ意識を垣間見れて、改めて尊敬の念を抱きました。実は佑季さんとirOdori運営者の彩夏は、小学校の同級生というつながりがあるのですが(!)、今こうして一緒にお仕事できるのを嬉しく思います。この記事を読んで佑季さんのバレエ公演を観てみたい、プロの指導を受けたい、と思った方は、ぜひ佑季さんやirOdoriのSNSをフォローしてみてはいかがでしょうか?

細井佑季
Email yuki.8alle2@gmail.com
Instagram @balletyukihosoi

irOdori〜彩り×踊り〜
Email info.irodoriodori@gmail.com
Instagram @irodori_odori
Twitter @irodori_odori
公式LINEアカウント https://lin.ee/xgH0cTN

インタビューを受ける方を募集します

このnoteには、すでにirOdoriイベントに関わっている方だけでなく、イベント・レッスン参加者の性別や性自認(自分が自身を認識している性)を尊重しながら、または従来の性別の枠を超えてバレエ・ダンス・フィットネスなどを教えているインストラクターやスタジオのインタビュー記事も掲載したいと考えています。

30分ほどのインタビューで2,000円(相談可)をお渡しします。ご興味のある方がいらっしゃいましたらぜひご連絡ください。また、ご興味のありそうな方が周りにいらっしゃいましたらぜひご紹介ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?