ICTの活用もここまできたか
中学生の凄さを感じる出来事があった。
ある授業で、動画をつくると言い出した子たちがいた。PowerPointやiMovieを使う機会は多くしてきたので、きっと今回も似たようなことをしたいと思っているのだろうと考えていた。
作品完成期限まであと2時間というときに、生徒のiPadを見させてもらった。
その画面には見たことのないサイトが開かれていた。
みなさんは「CoeFont」をご存じでしょうか。あるテレビ番組で紹介されていたようですが、私はこのときに出会うまで恥ずかしながら知らなかった……。
「CoeFont」は「声のフォント」で、かなり自然にテキストを読み上げてくれるAIを活用した優れたサービス(説明が正確でなかったらごめんなさい)。声帯を摘出した方が使われている例もあると聞く。
中学生がどこからこの「CoeFont」を知ったのかはわからないが、この読み上げ機能を用いて映像をつくろうとしていた。
国語教師の自分からすれば、子どもたち自身の声で話してほしいと思っていた。収録環境を用意したが、時間的な制約があったのだろう。
私は子どもたちを侮っていた。
万人がクリエイターになれる時代に育っている子たちである。発信することに慣れ、流行に乗り遅れまいと情報を集めるスキルも高い。その子たちより発信力が優れている、情報活用力があると本当にいえるだろうか。
その作品にあった「声」というものがあるだろう。自分の声を理想に近づける発想ではなく、そもそもの「声」を選ぶところから始める発想は私にはなかった。開発者も、それを活用しようとしている中学生もすごい。「声のフォント」という発想は斬新かつ社会への貢献度が高いと思う。
なんだか面白くなってきた。
「どんな声質のどんな読み方がよいかを選んで朗読音源をつくる」なんてこともできるのだろうか。ははは。突拍子もないね。
その音源にした理由なんかもあわせて発表させたりとか?
子どもを侮ったらしっぺ返しをくらう。
楽しみながらやっているものには敵わないということか。
わくわくすることを見つけて、私も楽しくやろう。
誰かに評価されるからやるのではなくて、やったことが評価につながったらうれしい。ひとりよがりにならないように周りを見ながら、でも自分らしく進めたらいい。
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