愛なしでも生きられるのね|映画『ひまわり』感想
第二次大戦時のイタリア。
ナポリで恋に落ちたアントニオとジョバンナ。
しかし、アントニオはアフリカ戦線へ行くことが決まっていた。
アントニオがイタリアに残る為に結婚を提案するジョバンナ。
最初は渋るアントニオも、最後には承諾し、2人は結婚することに。
しかし、ジョバンナの予想に反し、休暇が終わっても戦争は終わらない。
今度はアントニオが精神を病んだふりをして出兵を拒もうとするが、詐病は見破られ、彼はアフリカ戦線ではなく、より過酷なソ連(ロシア)戦線へ行くこととなった。
駅で別れる2人。
そう言い残したアントニオは帰ってこなかった。
戦争が終わっても。
生死は不明なまま。
そして、待ち続けたジョバンナは彼を探しにソ連(ロシア)に行くことを決意する。
ひまわり畑が美しい、恋愛映画の金字塔。
1970年公開。
イタリア、フランス、ソビエト連邦、アメリカ合衆国の合作映画。
監督はヴィットリオ・デ・シーカ。
他には『自転車泥棒』、『ああ結婚』などを監督している。
俳優として『武器よさらば』に軍医役で出演。
ジョバンナ役はソフィア・ローレン。
アントニオ役はマルチェロ・マストロヤンニ。
反戦映画の傑作とも言われており、当時入国が困難だったソ連でのロケが行われていることでも有名。
Amazon Prime Videoでレンタル配信で観ることができます。
現在、劇場公開もされています。
文化の違いか、時代の違いか。
恋愛映画、と言われると、わかる。
しかし、反戦映画かと問われるとうーん、そうなの?
というのが正直な感想だ。
というのも、序盤、ジョバンナとアントニオは恋に浮かれた2人であり、想い合って……というよりはノリと勢い、という印象が強い。
いや、もっと言うとジョバンナの方がアントニオを好きになり、結婚や詐病を提案し、アントニオはそれに乗っかっただけに思える。
事実、アントニオは最初、結婚を渋っているし。
確かに戦争は2人の人生を変えてしまった。
しかし、待ち続けたのはジョバンナだけであったし、彼を探しに行くという行動に出たのもジョバンナであった。
最後に彼女のところへ戻ってこようとしたアントニオに言った言葉。
これが、愛に生きたジョバンナの残酷な事実だったと思う。
いや、ジョバンナはまだアントニオを愛していた。
彼が来る前に以前贈ってくれたイヤリングを付けるくらいに。
でも、人生を共にしなくても、生きていくことは出来てしまったのだ。
ただ、この感想が正しいのか否かが自信がない。
それはこれが1970年の作品であり、当時の世相や、舞台になったイタリア等の文化に私が疎いからである。
あくまで、現代の、日本人の私の感想なので、解釈を間違えている可能性は充分にある。
それは作中のジョバンナの台詞にもある。
結婚休暇を取るために結婚しようとアントニオに言った後だ。
これが、本当に皆やってたのか、結婚するためのジョバンナの方便なのかわからない。
日本ではまず出てこない台詞だし。
日本でも、やっている人がいなかった訳ではないのかもしれないが「みんなやってるわ」という風潮はない。
解釈の自信はないが、当時の映画らしく、ひまわり畑の映像も美しい。
というより、私はひまわり畑よりも建物の美しさが好きでした。
あと、衣装も素敵。
特にロシアのシーンのおばあちゃんのほっかむりにひざ丈スカートの可愛いこと。
Amazon Prime Videoのレンタルはたまに100円セールもやっています。
『ひまわり』が対象になるかはわかりませんが、機会があったら是非、観てみてください。
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