「できない」ことは権利なのか?|『DD(どっちもどっち)論 「解決できない問題」には理由がある』
相変わらず、橘玲の著書は「わかるけど、言っちゃう?」のオンパレードだ。
本書は著者が『週刊プレイボーイ』『週刊文春』『サンデー毎日』等に連載したコラムをまとめた1冊であり、
という、物事は善悪の二元論で語れるような単純なものではなく、最終的にはDD(どっちもどっち)になる、という具体例を交えて語られたものである。
しかし現実では
だからこそ、よりエネルギーコストの少ない善悪二元論から、自分の立ち位置を決め「わたしが正義」と主張をする。
実際の世の中の問題は、紐解けば紐解くほど行き着く先が見えないくらい複雑にも関わらず。
本書では
・ウクライナの「正義」のゆらぎ
・クリミア併合の満足度は8割
・「性交を金銭に換えるな」はエロス資本の搾取
・日本社会の歪みを象徴する「下級国民のテロリズム」
・女性が活躍する「残酷な未来」
・マイナ騒動は「老人ファシズム」である。
・藤島ジュリー景子こそまっとうだ
と、ザッと目次をさらっただけでも、個人の快不快はともかく、興味を刺激されるタイトルが並ぶ。
深淵を覗き込む。
そんな本である。
『言ってはいけない』最新刊
著者は 橘玲。
元宝島社の編集者で、作家。
『言ってはいけない―残酷すぎる真実―』が50万部を突破する大ヒット。(すいません、私は未読です。いい加減読むかな…)
その他の著書の感想はこちら。
出版社は 集英社
発売は 2024年08月
※こういうケースは初めてですが、こちらの書籍の電子版はKindleでしか販売していないようです。
紙の書籍についても、販売はしていますが、Amazon以外はメーカー取り寄せとなっており購入しづらい(?)状況になっています。
それは“高齢者”だから?
ジャニーズファン(嵐担だっただけで事務所担ではないけど)としては「藤島ジュリー景子こそまっとうだ」も興味深い記事ではあったのですが。
それよりも興味深かったのは「マイナ騒動は「老人ファシズム」である。」。
個人的にこの騒動はいつも不思議だった。
何に拒否反応を示しているのかすら、よくわからなかった。
そもそも“人”がいないのに、いつまでも“人の手”が必要なシステムは続けられない。
全てに納得している訳ではないけど、「こうなってはどうしようもない」が正直なところ。
これに関しては、「金で解決できればね」が正直なところな気がする。
そもそもアナログの情報をデジタルに換える、って基本的に面倒だし。
それよりも気になったのは、基本的にこの問題が「高齢者には難しい」という論調。
一般的にはそうだ、と言われているし、私もそう思っていたし、恐らくデジタルでの手続きが難しい高齢者本人も「自分は高齢者だから」と考えているかも知れない。
が、デジタルの手続きが難しいのは、“高齢者”だからだろうか?
実は、私の周りの高齢者の方はスマホのアプリも説明やアイコンの意味さえわかれば、普通に使っている。
何なら「今、動画の編集に挑戦してるの!」なんて方もいる。
以前読んだ橘玲『もっと言ってはいけない』で
というのがあったはず。
本当に“デジタルでの手続き”が出来ないのは“高齢者”だからなんだろうか。
気づかなかった方が幸せなことに、気づいてしまったんだろうか。
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