私には萌えがあるもの!|ライトノベル『マリエル・クララックの婚約』
15歳で社交デビューして3年目。
クララック子爵令嬢のマリエルに縁談が舞い込んだ。
縁談の相手は、シメオン・フロベール。
まるで物語から王子様が抜け出してきたような存在。
なぜ、そんな人が自分に求婚しているのか?
自慢ではないが、クララック家も子爵家とはいえ、家格も財産でもフロベール家には遠く及ばず。
容姿は目に留まるどころか、どこにでもある茶色い髪と瞳で、これといった特徴はない。
と、なると。
少しは盛らなければ見つかる話も見つからないだろうが、下手な見栄をはられると後で困るのはマリエルなのである。
やんわりと、“あなたが期待しているような女性ではない”と(父が何と言ったか知らないが)言うが
と言われてしまっては断れない。
好みなのだ。ドンピシャ、“萌え”のど真ん中なのだ。
しかし、もう1つ問題が。
マリエルには、シメオンには言えない秘密がある。
流行小説の作家なんて、良家の令嬢がすることではない、というのがこの世界での一般認識。
実はマリエルはアニエス・ヴィヴィエというペンネームでヒット作品を書いている人気作家。
夜会では目立たない容姿を存分に使い、様々な噂話に耳を傾けネタの収集を怠らない。
シメオンがなぜ自分と婚約したかわからないマリエルだったが、ご令嬢たちからの嫉妬ややっかみから来る嫌がらせも良いネタになる。
この幸運を逃す手はない。
おそらく、作家をしていることを知れば、良い顔をしないであろうシメオンには、この婚約に亀裂を生まない為にも黙っているのが得策だろう。
――と、思っていたのに
まさかのシメオンからアニエス・ヴィヴィエの名前が飛び出した。
これは牽制? 作家活動を暗に非難されてる?
私、油断ならない人と婚約したかも!
シリーズ11作品の人気作品
著者は 桃春花
女性向けライトノベルを中心に活動されている作家さんです。
このシリーズが長期に渡る作品で、その他は1作品配信があります。
出版社は 一迅社
掲載誌・レーベルは アイリスNEO
発売は 2017年04月
既刊11巻。連載中。
アラスカぱんの作画でコミカライズも進行中。
1巻は2023-11-07現在KindleUnlimitedで配信中。
既刊8巻。連載中。
原作小説もコミカライズも面白い!
気がつけば、原作小説も、コミカライズ版も結構巻数が進んでいた作品ですが……
今回、小説とコミカライズ両方の新刊が出たのですが、やっぱり面白い!
この作品の面白いところは、間諜ばりに目立たないけどトラブルを引き寄せ、それを持ち前の行動力と才覚で切り抜けていくマリエルと、王子様な容姿で強くてクールだけど、マリエルのことが好きで心配性で不器用なシメオンが、毎回何かしらのトラブルに巻き込まれる……というところ。
ストーリーの最初の頃は、シメオンが何故結婚を申し込んできたのかわからないマリエルが「これで婚約破棄か……」となるケースが多かったけど。
中盤は、トラブルに巻き込まれて、マリエルが危機に陥ったり、彼女の魅力に惚れ込んだ他の男性の存在が出てきたりでシメオンが過保護になっていくことですれ違ったり、仲直りしたり。
原作小説は、丁寧に書かれているので、マリエルやシメオンがどうやって歩み寄っていくのかを楽しめますし、コミカライズ版はアラスカぱんさんが、上手にストーリーを再編集してわかりやすく、テンポ良く展開しているので楽しいです。
というか、コミカライズ版の悪役令嬢・オレリア様が素敵!!
コミカライズ版も大筋は同じなので、ぜひそちらからでも読んでみてください。
よろしければサポートをお願いします。