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辺境伯領はいただきますが、夫はいりません!|TL小説『婚約者を略奪されたら、返黒策士に熱烈に求愛されています』
※この作品はTL小説です。
元はと言えば。
クレインさんの『ヤンデレ魔法使いは石像の乙女しか愛せない 魔女は愛弟子の熱い口づけでとける』のコミカライズをシーモアで読んで。
面白かったので、Kindle Unlimitedで配信していた原作小説も読んで。
そうなってくると、他の作品も読んでみたい!
ってことで読んだのが、この『婚約者を略奪されたら、返黒策士に熱烈に求愛されています』なのですが。
こういう作品の良いところは、タイトルで内容がある程度わかることですね。
この作品も例に漏れず、タイトル通りのストーリーです。
舞台は中世の西洋のような世界。
主人公のシュゼットは、辺境伯の次女であり、現在は王妃付きの女官として王宮で働いていた。
そこで、王妃に気に入られ、第二王子の婚約者
選ばれる。
順風満帆、将来安泰。
しかし、人生には“まさか”という坂がつきものである。
このストーリーも、シュゼットの“まさか”から始まった。
「────一目で恋に落ちたんだ。私はもう、ミシェル以外愛せない」 芝居がかった話し方でそう言って、愛おしそうにシュゼットの実姉であるミシェルの腰を抱き甘く微笑んでいるのは、この国の第二王子ジェラルドだ。
シュゼットの婚約者を略奪したのは、姉であるミシェル。
妹のシュゼットは、この姉であるミシェルに幼い頃から差をつけられて育った。
容姿も美しく、将来は婿を取り、辺境伯の地位を受け継ぐ姉には、物質的にも親の関心もシュゼットよりも多くのものが与えられてきた。
自分とは違って、不自由なく育てられた姉。
その姉は、辺境伯の地位を捨て、シュゼットの婚約者を奪い、第二王子の婚約者になるという。
――真実の愛、とやらのために。
何かを言ってやりたいのに、言葉が出てこない。これ見よがしに泣いてやるべきなのだろうが、涙も出てこない。あるのはただ諦念だけだ。
そう、心のどこかで、こうなるような気がしていたのだ。
だって、見比べてしまえば、シュゼットよりもミシェルがいいと、誰もが思うものだから。
残されたのは、辺境伯の跡継ぎという地位と、姉の婚約者であった幼馴染のアンセルム。
既にアンセルムの実家であるノヴィール伯爵家から援助を受けていた両親は、シュゼットに爵位を継ぎ、アンセルムと婚約するよう、しつこく迫った。
しかし、シュゼットは、この付き合いきれない茶番に、初めて反抗をする。
「お父様、お母様、お姉様。ルヴェリエ辺境伯領は私がいただきます。────けれど、夫はいりません」
そして、1人、領地経営を学ぶために戻ってきたシュゼット。
……のハズが、何故かアンセルムも付いて来て?!
という、主人公シュゼットが領主となる為に奮闘し、幼馴染のアンセルムと遠回りをして、すれ違いながら展開していくラブストーリーです。
人気TL作家さんの作品。
作者はクレイン。
TL小説を多く執筆されてる作家さんです。
冒頭で紹介している『ヤンデレ魔法使いは石像の乙女しか愛せない 魔女は愛弟子の熱い口づけでとける』も含め、コミカライズされている作品もあります。(本作はコミカライズされていません)
出版社は竹書房。
掲載誌・レーベルは蜜猫novels。
電子版発売日は2019年09月10日。
読み切り作品です。
こちらの作品は、Kindle Unlimitedで配信されています。
脇役の行く末も面白い作品。
このお話の面白かったところは、姉であるミシェルがシュゼットに対して、完全な悪役ではなかったところ。
お話が進むにつれ、姉ミシェルの知らなかった一面が見えてきて、次第に多少のわだかまりを残しながらも、和解していくんですね。
それは、お互いの婚約者をどちらも好きではなかったことも大きかったと思うけれど。
そして、それ以上にアンセルムに嵌められた、ってところもあると思うけど。
あと、シュゼットの乳姉妹であり、友人であり、唯一の味方と言っていいロザリーも良かったです。
口が悪く、粗野な印象なロザリーなんですけど。
友人思いで行動力もあって。
巻末の番外編での、彼女のラブストーリーも続きがもっと読みたかったです。
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