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魔女は惚れ薬によって失恋した。|漫画『どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。』

意外とさ。

現実の恋愛って、恋愛漫画のようにライバルが現れて翻弄されたり、びっくりするような大事件とかって起きたりしないじゃない?

だからこそ、ハラハラドキドキのラブストーリーはファンタジーとして面白かったりするんだけど。

その一方で、リアリティのある、2人がお互いの気持ちを探りながら惹かれ合う話も好きだったりするのよ。

この、『どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。』も、そんな、惹かれ合う2人を楽しむ作品。

ファンタジーはたった1つ。

主人公のロゼが、惚れ薬を作れる魔女だということ。

「――惚れ薬を作って欲しい」

『どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。』    1巻

その瞬間、ロゼは失恋をした。

王都の外れの森の奥、湖に囲まれた小島にある、あばら家は“魔女の庵”と呼ばれ、ロゼは“湖の魔女”と呼ばれる魔女だった。

以前は祖母と住んでいたが、今は彼女1人。

ここへは、用の無いものはやって来ない。
やって来るのは、魔女のみが作れる魔法のかかった“魔女の秘薬”を求める者のみ。

そこへ、王宮勤めの騎士・ハリージュがやって来た。

ここに来るような人ではないと思っていたのに。

ロゼは、買い出しに出た街で、あることがきっかけでハリージュに想いを寄せていた。

しかし、魔女と騎士に接点があるはずもなく。
それは心の中にしまっておくことしかない感情だったけども。

思いもよらない接点が出来たとき。

彼女は見事に失恋した。

どんな事情にしろ
「惚れさせたい相手がいる」という点は覆せない
――片思いの相手がやってきた
惚れ薬を作って欲しいとやってきた

『どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。』    1巻

彼女はハリージュに頼まれた惚れ薬を、わざと時間をかけて手渡すことを決める。

それはロゼのささやかな抵抗。

彼女の存在が、ほんの少しでもハリージュの記憶に残るように。


人気作家原作小説のコミカライズ

作画は釜田。
配信作品は本作の他に、他の作家さんのコミカライズが1作品ありました。
その他は、児童書のイラストなども手掛けているようです。

原作は六つ花えいこ。
女性向けライトノベルを多く執筆されてる作家さんです。
原作は既刊2巻。おそらく完結。
2冊ともKindleUnlimitedで読むことができます。

出版社はKADOKAWA。
掲載誌・レーベルはFLOS COMIC。

現在、BookLiveにて分冊版が3話まで無料配信しています。

コミック版は既刊3巻。連載中。
最新刊の3巻は先日発売したばかりです。


生活力低め魔女×お節介騎士のラブストーリー

初めからロゼは、ハリージュのことが好きなのね。だからこそ、惚れ薬を注文されて傷つくんだけど。

ストーリーの主軸は、好きな人に会えて嬉しい、でも期待をしたくない、という揺れる乙女心なわけです。

しかし、この作品の見どころは、主人公のロゼよりもハリージュの心の変化だと思う。

初めはフードを目深に被って、やたら手間のかかる材料を要求する魔女を怪しんでいたんだけど。

あるきっかけで、魔女であるロゼが、普通の女の子だと気がついてからは、次第に態度が変わっていきます。

変わりすぎてやや、お節介が過ぎる感じもあるけど(笑)。

じわじわと2人の距離感が近づいていくのを楽しめる作品です。

現在、最新刊の3巻で、原作小説の1巻後半に入ってます。おそらく、次の巻で原作1巻分が終るかと。

一度そこで話が区切れているので、原作2巻がコミカライズされるのか気になるところです。


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