貴女にならきっとできるわ。 だって、私の娘なのですもの。|ライトノベル『型破り皇女の結婚事情』
アンシェーゼ皇家物語の3巻。
1巻は、第一皇子アレクと第四皇女ヴィアの物語。
2巻はヴィアとアレクの弟・セルティスの物語。
そして、3巻は、第一皇女のマリアージェの物語。
とは、言ってもマリアージェは、ヴィアやセルティスたちとほぼ接点はありません。
それは、マリアージェの結婚が関係しています。
母親は平民。
皇帝の寵愛は既に元踊り子のツィティー妃(ヴィア、セルティスの母)に移っていて。
マリアージェは離宮の一角に閉じ込められて育ちました。
マリアージェはわずか8歳で、異国であるスラン公国の貴族へとたった1人で嫁ぐことになります。
相手は、公国内の旧家と呼ばれる特別な高位貴族の1つレイマス家出身の母を持つ、イエル・ロイド・プランツォ。
年齢は、マリアージェより14歳年上の22歳。
そんな不安を抱きながら、遂に、夫となる人との対面の時を迎えます。
そこにいた、イエルは、高貴さのかけらもなく、美男とは言い難い容姿。
でも――。
マリアージェの、一目惚れの瞬間でした。
シリーズ3作の中で、一番好きかも。
※作者や、出版社等は2巻の感想でご確認ください。
幼くして、異国の貴族へと降嫁することになったマリアージェ。
母とも別れることになり、涙、涙……なところが無いわけではないのですが。
平民の母から受けた教育(?)の甲斐もあって、マリアージェ、結構、嫁ぎ先でも逞しく生きていきます。
夫となるイエルも本当に良い人なのですが。
イエルの母は、イエルを産んだ後、すぐに亡くなっていて。
イエルの家族というのは、父、義母、異母弟なのですが、
2人の結婚は、この家族にイエルの跡継ぎとしての権利も奪われると危惧した、彼の母方の祖父が繋いだ縁組で。
2人はお互いを心の拠り所にしながら、成長をしていきます。
シリーズ通して共通している、困難な状況でも、努力していれば、いつかそれが人生を切り開くきっかけになる、というのは本作でも健在。
マリアージェの逞しさと、イエルの成長が、とても読み応えのある良い作品です。
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