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いつか会えますわ。願い続けていれば必ず|ライトノベル『囚われ令嬢の願いごと』
こちらの作品は、『仮初め寵姫のプライド』の続編。
続編、と言っても、この1冊で独立しているので、仮にこの作品から読み始めても無問題です。
ストーリーは『仮初め寵姫のプライド』の主人公・ヴィアの弟・セルティスの物語。
とは、言っても主人公は田園地帯の下級貴族の娘・オルテンシア。
彼女は9歳で、アント・エクルス・ダキアーノと婚約します。
身分差のある婚約で、高位の貴族ではあるものの、借金まみれのダキアーノ家はオンテンシアのラヴィエ家がもたらす援助だけが目的で、アントはオンテンシアを徹底的に邪険に。
両親も、婚約破棄を望むが、下級貴族であるが故にどうすることもできない。
どうにもならない事をうじうじと悩んでも仕方がない。自分で変えられる事は取り敢えず頑張ってみて、変えられない事は受け入れるしかないのである。
オルテンシアは、下級貴族と馬鹿にされないようにマナーや勉学に励みます。
そんな風に日々、勉学に励むシアであったが、貴族令嬢としての立ち居振舞いも身につき始めた辺りから、両親はシアを連れて皇都ミダスを訪れるようになった。皇都の雰囲気に慣れさせ、何より服飾の流行に触れさせておきたかったのだろう。
オルテンシアが皇都ミダスに滞在していた、ある日。
彼女は同じ年頃のレイとケインという少年たちと出会い。
ひょんなことから、3人は一緒に両替商へ行き、広場の噴水で願掛けをし、カフェへ行き、楽しい時間を過ごしました。
そこで、レイの複雑な家庭環境と共に、望まぬ結婚でも、逞しく生きたレイの母親、そしてレイを育て、今はある事情があり家を出てしまったレイの姉の話を聞きます。
どこか婚約者に冷遇される自分と重なるところもあって、オルテンシアはその話に励まされ。
「きっとたくさん努力されたのですね」
噛み締めるように言葉を紡ぎ、そしてレイの顔を正面から見つめた。
「とても素敵な方だわ」
でも、楽しい時間は長くは続かない。
その宝物のような1日を胸に、オルテンシアは2人の少年と別れました。
婚約者との関係は上手く行かなくても。
幸せになれるかは自分次第。
シアが進む世界にはまだまだ楽しい事がいっぱいあって、これからも笑って生きていていいのだと、シアはそう自分に呟いた。
そして、レイが再び、離ればなれになった姉と会えることを願って。
なろう小説の書籍化作品
作者はタイガーアイ。
配信は本作のシリーズ作品のみ。
小説家になろうの投稿作品の書籍化で、小説家になろうでは他にも作品を発表しています。
本作はアンシェーゼ皇家物語というシリーズで既刊3巻まで配信されている。
出版社は 一迅社
掲載誌・レーベルは 一迅社ノベルス
発売は 2021年07月
この作品もコミカライズして欲しい!
「身につけたものは、わたくしの宝だと思っているんです。ですから、婚約者のおかげと言えばおかげですよね。負けん気に火がついちゃったんですもの」
そう言えるオルテンシアが素晴らしい。
っていうか、このシリーズのキャラクターたちは、困難な環境でも腐らずに出来ることを頑張って道を切り開いていくのが読んでいて励まされます。
作品は二部構成になっていて、前半はオルテンシアの視点からのストーリー、後半はケインの視点からのレイのストーリーになっています。
こういう一粒で二度美味しい構成大好き。
『仮初め寵姫のプライド』のようにこの作品もコミカライズしないかな。
美しく成長したセルティスも堪能したい。
なろう小説ですが、ぎっちりと身が詰まった、読み応えのある作品になっています。
スカッとするストーリーが最高。
是非読んでみてください。
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