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だって、また会ったときに恥ずかしいからね。|漫画『葬送のフリーレン』

ドラクエⅩオフライン版が出ましたね。

迷った末に買ってないですけど。

ドラクエ、どれが好きです?(ドラクエが好きか、という質問は端折る)
Ⅲ?Ⅳ?もしくはⅤ?
私はⅦが好きです。

過去と現在を行ったり来たりするヤツね。

ちょっとノスタルジックになるシナリオが好きなのよ。

一見、無関係に見る、過去の出来事の破片が、現在に垣間見えるというのが。
繋がってる、無駄ではなかった、確かにここに存在したんだ、という感覚が。

過去と現在を行ったり来たりはしないけど、この『葬送のフリーレン』もそんなお話です。

物語の始まりは、魔王を打倒した、勇者一行の帰還から始まる。

10年の冒険は終わりを告げ、半世紀に一度降る流星群をまた見る約束をして、一行はそれぞれの道へと別れた。

それから、50年後。

一行の1人であったエルフのフリーレンは、約束の流星群を見るために戻ってきた。

そこで待っていたのは、年老いた仲間たち。
エルフであるフリーレンは長寿種である為、あの時と何も変わっていなかったが、彼等は違った。

「もう、一生会えないかと思っていた」と言っていた勇者ヒンメルは、一緒に流星群を見た後に、息を引き取る。

そして、ヒンメルの葬儀の時に、フリーレンは後悔するのだ。

「…人間の寿命は短いってわかっていたのに…
…なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう…」

『葬送のフリーレン』第1巻

そして、フリーレンは旅立つ。
趣味の魔法の収集だけではない。

「私はもっと人間を知ろうと思う」

『葬送のフリーレン』第1巻

自分よりもずっと短い人生を生きる、人間たちの“何か”を知る旅に。


作画、原作、どちらも主だった作品がない?

作画はアベツカサ。
配信作品は本作以外にありませんでした。
Wikipediaによると2015年から活動を開始、2018年に『MEET UP』という作品で第82回小学館新人コミック大賞で佳作を受賞。
この作品が初めての連載のようです。
生まれた年が合っているなら、まだ若い作家さんです。

原作は山田鐘人。
配信作品は他に2作あり、1つは本作同様原作、もう1作は自身が漫画を描かれています。
活動は2013年から。

比較的、原作付の漫画、というと作画の方はデビューして、それ程経ってない方も珍しくないですが、原作者の方も両方、というのは少し珍しい気もします。

出版社は小学館。
掲載誌・レーベルは少年サンデー。

既刊9巻。連載中。
最新刊は先日発売したばかりです。

現在、2巻まで無料配信(2022-09-30まで)しています。(BookLiveも同様のキャンペーンを実施中)

また、時期はわかりませんが、アニメ化も決定しています。


今後の展開で評価の変わりそうな作品

ストーリーの軸になるのは、それまで自分の時間軸で自由に生きてきたフリーレンが、勇者ヒンメルの死をきっかけに“他者と関わろうとする”ということだろう。

他者と関わることで、今は亡き仲間の思い出を辿り、その時には解らなかった事に気が付き、新たな人間関係に繋がっていく。

特に多いのは、やはり、旅のきっかけになった、ヒンメルに関することだろう。
フリーレンは繰り返し彼のことを思い出す。

難点を言うならば、その過去と現在の交錯が、この作品の醍醐味なんだけども、少々それをマンネリに感じてしまうところ。

だから、5巻くらいからの、一級魔法使いの試験は面白かった。
“現在”のストーリーのスピードが上がったので。
ただ、“現在”にバランスを傾け過ぎると、この作品の本質を損なってしまう。

そう考えると、コンセプトは面白いもののストーリーのハンドリングが難しい作品なのかも。

ただ、9巻まで来て、登場人物も増えてきたので、過去から現在、そして現在から未来に繋がるお話になっていくと良いな、と思う作品です。

ちなみに、この作品で、私はヒンメルのこのセリフが好きです。

「涙の別れなんて僕達には似合わない。
だって また会ったときに恥ずかしいからね。」

『葬送のフリーレン』第7巻


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