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「家電メーカーとして独自の価値を生み出したい」アイリスオーヤマの家電デザインのこだわりとは?

突然ですが、アイリスオーヤマの家電といえば、デザイン性が優れているというイメージよりも「アイデア性溢れる家電」というイメージがありませんか? 実際、お客様からは「もう少しおしゃれだったら欲しい」というご意見をいただくこともあります。
その一方で、近年、世界三大デザイン賞でもある「iFデザインアワード」や「reddot design award」も受賞する商品が出るなど、デザイン性への評価が高まっています。
そこで、今回はアイリスオーヤマの商品から販促物、取扱説明書、特設サイト等の様々なデザインを行っている部署「デザインセンター」の部長である宮脇に話を聞きました!
当社の家電製品デザインに興味がある方はぜひご覧ください。

宮脇 将志(みやわき まさゆき)
アイリスオーヤマ株式会社 東京R&Dセンター センター長 兼 デザインセンター 部長2014年入社。幼少期から絵を描くことが好きで「九州芸術工科大学(現:九州大学芸術学部)」に進学。2014年3月に入社。 家電開発デザインマネージャーを経て2017年にデザインセンター部長、2021年より東京R&Dセンター センター長を兼任


アイリスオーヤマ デザインの軸

ーまず、デザインセンターができたきっかけを教えてください。

宮脇:元々アイリスオーヤマでは、2013年頃までは開発者がデザインもおこなっていました。
ところが家電分野への本格参入の流れの中で、家電製品にもデザイン性がより求められるようになり、家電メーカーらしいデザインにしたいという考えから、2013年にデザインの専属部署を設立しました。その後の商品数の増加やブランドイメージ向上を受け、人員を拡大し今は50名を超える部署となっています。

ーアイリスオーヤマのデザインの軸となる考えはなんでしょうか。

宮脇:ずばり「家電メーカーとして独自の価値を生み出したい」という点です。
具体的には「インテリア性を重視」「アイデア機能をうまく引き出す」の2点をデザインの軸にしています。
特にインテリア性に関しては、商品単体での美しさだけでなく、部屋に置いたときの馴染み方にもこだわっています。最近では、コロナ禍によって在宅時間が増えた影響で、明度や彩度を落とした色が人気です!自宅で過ごす時間に安らぎを求める方が増えているのではないでしょうか。

ーアイデア機能をうまく引き出した商品はなんでしょうか?

宮脇:2つあって、1つはサーキュレーター除湿機(DDC-50)です。除湿機にサーキュレーターを合体させるというアイデア機能を一体感のあるデザインにまとめました。首振り時の動きのある造形と動いていない時のシンプルな造形の対比が面白い商品となりました。
2つ目は、スリムセラミックファンヒーターです。スリムな筐体でありながら大風量を実現した機能性の高い商品において、これまでよりもより多くのシーンで使って頂けるように、シンプルでありながらよりスリム感が強調されたデザインと表面仕上げを実現しました。こちらはreddod design award 2022を受賞しました。

商品デザインのトピックス


ヒット商品のデザイン誕生秘話

―次に、デザイン性で注目されヒットした商品の中から「サーキュレーターアイ」「電気圧力鍋」について、デザイン目線での秘話を教えてください。

サーキュレーターアイ

宮脇:まず、サーキュレータアイに関しては開発を進めるにあたって、もともとインテリア性を高めるためにボール型にする構想がありましたが、風量に関してはどうなるのか不明でした。
そこで試しに作って実験したところ、風量が大幅にアップしたのです!これは偶然の出来事でしたが、当初期待していたインテリア性だけでなく機能もアップした成功事例です。


電気圧力鍋

宮脇:続いて、電気圧力鍋です。
調理家電はホーロー風(※)のデザインが当時のトレンドだったので、メイン案は流行のデザインを考えていました。しかし、「サブ案の方が挑戦的で面白い」という社長の言葉から、現在のデザインで開発することになりました。
私としては肩の力を抜いて考えたデザインでしたが、それが結果的に良かったのかもしれません。


電気圧力鍋のメイン案

※鉄やアルミニウムなどの金属の表面にガラス質のコーティングを施して、高温で焼き付けたもの。金属の強度と優れた熱伝導率・冷却効果、そして、ガラスの耐食性や美しい光沢を併せ持つ


今後のデザイントレンド予測

ーこれらのヒット商品の例から、宮脇部長視点で、今後はどんな家電デザインがトレンドになるでしょうか?

宮脇:下記2点が挙げられるのではと考えています。
①アフターコロナの空気感を反映した、これまでのくすみカラー+少し色目の強いカラーもトレンドになる
②SDGs、環境保全の観点から、本皮や本物の木ではなくフェイク素材が好まれる
トレンドは日々変化していきますが、アイデア商品と掛け合わせたものを生み出せるよう、努力していきます。

今後の課題・展望

ー最後に、今後の展望や課題を教えてください。

宮脇:家電メーカーとして相応しいデザインの商品が生み出せるようになってきたとは考えています。ただ、まだまだ皆さんの想定範囲内のデザインであり、今後は世の中に対するインパクトや提案性のあるデザインを生み出していくことが目標です。これにより、家電メーカーらしさではなくアイリスらしさを表現していけたらと考えています。また、価値観が自由になり、多様性が認められる世の中になっているので、それぞれのニーズに応えられるデザインをこころがけます。アイリスはまだデザインのスタート地点に立ったばかりです!これからのアイリスデザインに期待してください!

ー宮脇部長、ありがとうございました!
皆さんの生活になじむ、アイデア溢れるアイリスオーヤマ商品に今後もご期待ください!


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