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地域で『孤育て』を支え合う仕組みづくり~ショートステイ里親~

昨日、コラボラキャンパスネットワークさんの主催による講座を受講してきました。
コラボラさんは、6団体が連携・協働しているチーム型組織で、特に、子育てに関する活動に取組まれています。

今回の講座テーマは、『孤育て』、そして『里親』です。

講師をされたのは、認定NPO法人の『SOS子どもの村JAPAN』のお二人です。

福岡市で、日本唯一の『子どもの村』を設置・運営されています。
現在では、福岡市と連携した受入れ事業も展開されているようで、とても素晴らしい活動内容に感服しっぱなしでした。

虐待や、親のいない子ども達、そして様々な事情で、親とは一緒に生活できない子ども達。
生まれながらに子どもに罪はありません。
これからの人生を生きていく子ども達に、居場所を、生活を、命を。
そんな活動です。

教わってきたばかりですので、アウトプットしてみたいと思います。

以前にも『里親』については書きました。
ぼくもとても関心のあるテーマです。

虐待や、体罰のことについての、以前の記事です。


①虐待を疑う通報は、年間20万件

虐待を疑うような市民通報は、年間20万件あるそうです。

計算すると、3分に1件、どこかで子ども達が苦しんでいます。

以前は、年間、千件ぐらいだったのが、児童虐待防止法の制定により、10倍の1万件になったそうです。
現在では、200倍の20万件だそうです。

通報すべき定義が変わったということもありますし、
ぼくも救急行政を担当しているときに『疑わしきは通報せよ』ということを徹底するようにしていました。

空振りでも通報すべき、ということですね。

どこに通報すべきかご存知ですか?

『189』です。
(いちはやく)です。

虐待による年間の死亡者数は約60人。
毎年、虐待により命を失う子どもがこんなにもいるそうです。

そして、その半数が0歳児だそうです。
その子からすれば、親に殺されるなんて、どうしようもないことです。。。。


②『孤育て』を救う

虐待などの起こってしまう家庭には、様々な要因があるのでしょうが、子どもへ当たってしまうということに問題があります。

ひとつの家庭での人数は、社会の進展とともに、どんどん減っています。
サザエさんのような多世代・大家族が当たり前だった時代から、
単一世代・核家族化は当然にして、母子家庭もどこにでもいらっしゃいます。

また、すぐ身近に頼る存在。
地域でのコミュニティも希薄化していっています。

生活での苦悩を抱え、どうして良いかも分からない子育ての中、将来への不安、心身の疲労。泣き止まない子ども。
虐待が生まれてしまいます。

もちろん、救うべきは、子ども達です。
本当に救うべきは、孤育てをしている親なのかもしれません。


③一時保護・里親の仕組み

ぼくもまだまだ不勉強なのですが、
一時保護の仕組みなどを少し詳しく教えてくださりました。

様々な事情で、家庭に子どもを居させておくわけにはいかないという事案があったとして、一時的に保護し、その後の対応を検討するそうです。

この一時保護は、どちらかというと『管理』の性質が強くなってしまい、子ども達にとっても良い状況とはいきません。

また、いつまでもそこに居れるわけではありません。
その後、行く宛がなくなった子ども達は、多くが施設に引き取られます。

こうした『社会的養護』が必要な子ども達は、現在、5万人いるそうです。

その8割が施設に。
その2割が、里親さんに引き取っていただくそうです。

子ども達の育みにおいて、大人との愛着のある関係性が必要だそうです。
心の繋がりをもって育っていくことが重要。
それが、里親さんが必要になってくる理由だそうです。


④『SOS子どもの村JAPAN』での里親

とても驚いたのは、『SOS子どもの村JAPAN』さんで取り組まれている里親です。

福岡市に、実際に村をつくり、そこに何軒か家があり、
そこに里親さん(育親さんと呼んでいました)が住民票を置いて住み、そこに複数人の里子さんたちが生活しているそうです。

村全体の大家族のような、親戚・兄弟のような印象を持ちました。

里親さんたちだけに預けずに、それをNPO法人として全体で支援しているとのことでした。

認定NPO法人SOS子どもの村JAPAN|SOS CHILDREN’S VILLAGES JAPAN (sosjapan.org)

とてもスゴイですね。


⑤ショートステイ里親

更にさらに、一歩進んで。

長期的に預かる里親・里子だけでなく、
一時的な対応も重要になります。

一時保護は、もうキャパオーバー。
それであるが故に、管理的な状態で良い場所とは言えません。

この、一時保護の段階を里親さんが担う『ショートステイ里親』を始めたそうです。

里親さんは、事前の登録が必要で、研修なども実施されるそうです。

もちろん、行政からの依頼からスタートし、実費相当程度かと思いますが費用も負担しくれるそうです。

先ほどの『子どもの村』で、一時的に保護する『ショートステイ里親』も開始されたとのことで、この取組みは福岡市以外にはまだ他に例が無いようです。

さらに、市内で一箇所だけでなく、
各小学校区ぐらいの範囲で実現したいと、各地区にお住いの登録里親さんたちと連携しながら、取組みを進めているようです。

これは、子ども達の日常を途切らせないためだそうです。
例えば、学校へ行くなど、生活の中での、一時的な保護をしていくということです。

このような取組みを全国に広めていきたいという切実な熱意を聞きました。
とても応援しています。

少額ではありますが、早速、寄付もさせていただきました。
ぼく自身は、すぐには、お力になれることはありませんが、
お金として、また応援・賛同する一員として、表現させていただきました。


もう一度、URLを貼っておきますね。
認定NPO法人SOS子どもの村JAPAN|SOS CHILDREN’S VILLAGES JAPAN (sosjapan.org)


このまちで生まれ、育っていく子ども達に、
自分の居場所を好きになってもらいたい。

まず、家庭。
そして、地域。

自分の居場所を好きになれることが、
自分を肯定してあげられるファーストステップだと思います。

これからの人生や性格の形成に左右することです。

どんな子でも、かけがえのない命を。人生を。生活を。

SDGsや人権の根幹のように思います。


今日もご覧いただきありがとうございます。



<1年前の”今日”の記事★>

こちらもママたちの話ですね!
色んな人がいます。
色んな視点や能力があります。
多くの人と関わることは色んな刺激をいただくことになります。




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