見出し画像

「民主的」に物事を決める際に『多数決』が使われますよね。
これは、みんなが合意・共感していくための方法としては、とっても良くないです。
これは僕自身、ファシリテーションについて学ぶなかで、とてもインパクトのあった内容ですので、まとめてみたいと思います。


①多数決はよく使用されている

今日ですね、J党の総裁選があるみたいですね。その後の総選挙ももうすぐというところですね。
民主主義の根幹をなす、『選挙』制度については、基本的には多数決が採用されています。
選挙権・人権・表現の自由など、どの人も尊重されるための制度なので、とやかく言うつもりはありません。

僕の子どもの頃も、学級委員会などで、意見が割れたときには、先生が多数決で決めなさいとおっしゃって進行していました。(イマドキは違うのかな?)

僕たちの文化として、多数決という決め方は根強い文化ですよね。
多くの人の意見を聴いて、多数派にみんなが納得しようじゃないか。というのが多数決ですね。

しかしながら、少数派になってしまった人たちは、「多くの人は分かっていない」と言うでしょう。そこに分断が生まれてしまいます。

マジョリティーマイノリティ的な思考になってしまう要因かもしれませんね。


②みんなが納得、合意するためには?

ありがちな会議のイメージで、議題が示されて、案①と案②を提示され、そんなに議論してもないのに、「では多数決で決めま~す」ということで、どちらかに手を挙げせられて、どちらかに決まっていく・・・。

こうなってしまうと、「下駄箱会議」が始まります。
下駄箱会議とは、会議の席では皆さんの前で発言できなかったんだけど、帰り際、下駄箱のところで仲の良い方達と「あれはこうよね~」「もっとこうした方が良いと思ったんだけど~」と陰口を言うということですね。

これは、納得できていない、合意できていない、主体的に参加できていない典型例ということになります。

では、どうすれば良いのか?

それは、『議論をし尽くす』他にありません。

両案のメリットデメリット、それから派生して起こりえること、関連してくる出来事や感情、今後の発展や影響・・・など、論点は様々あるはずです。

両案で、それぞれが納得いっていない点、特に良いと思う点など、少しずつ聴いていき、切り分けていって、議論を深めていけると良いですね。

ファシリテーションにはこういった「合意形成のためのプロセス」も重要となります。(この辺のこともいつかしっかりとまとめたいと思います)

結論としては、今後の色んな場面において、決め事があった際には、安易に多数決するのではなく、議論をかわして、両者が納得できる合意点を見出せるようにできれば良いですね。


③どうしても多数決をしないといけない場面

議論し尽くしても、どうしても多数決をしなければならないときもあります。

よくある例は、それぞれの感覚・感性で物事を決めるときです。

簡単な例で言うと、デザインや色合いを決めるときなどです。
「どっちの色が良い?」と問われ「どっちでも良い」「こっちが良い」「いや、こっちが良い」というように分かれてしまうときです。
でも、大切なのは、前記2で示したように議論を尽くすことですから、「何でこっちの色が良いの?」⇒「この活動はクールというより温かみのある活動だと思うので、暖色系が良い」とか、言語化して議論していくことですね。

でもでも、行き詰まった先に、どうしても参加者の感性を含めて議論が分かれてしまった際に、決め方のコツがあります。

それは、『決め方を決める』ことです。

決め方の例①:「じゃあ多数決で決めるということで良い?」ということに合意するということですね。具体的には、7人いて、4対3でも多数に決定するよ?ということを決めておきます。

決め方の例②:「自分はホント、どちらでも良い」という方も出てきますよね。「〇〇さんに一任します」という、気持ちの近い人に託していきます。
もしくは「多数決に入らなくて良い」というパターンもありますね。
最後は思い入れの強い代表者らで膝を突き合わせて決めていくということですね。よくある例が、リーダーの意見に一任する、というやり方ですね。
ここで注意すべきはリーダーの意見に揃えることに、全員が合意しているかどうかですね。

決め方の例③:ここまでいけると良いのですが、多数決でほぼ真っ二つになってしまった場合の、その後の決め方も決めておくと後腐れありません。

実際に、ウチのNPOの創設時に、同じことがありました。
散々議論し尽くして、それぞれのやりたいことが感性的に分かれてしまいました。
その後、決め方を決めて、多数決の後の決め方を決めて、リーダーを除く3対3で意見が分かれたときには、リーダーの決定に全員が従うということに全員が合意しました。
このときの決定が10年以上のいまの活動に繋がっていると考えると感慨深いです。
(ファシリテーションの勉強もろくにしていないあの頃によくここまでやったなぁ(笑))


④議論するには傾聴から

以前からそうなのかもしれませんが、最近の政局を見ていると、否定ばかり。対案を示すのは良いことでしょうが、否定から入るのは良くないです。同じ政党どうしでも罵り合戦してますからね・・・。

僕が小学生の頃、生徒会長を決める選挙の際には「自分の主張はしても良いが、他の立候補者の批判をしてはいけない」というルールが明確にありました。

But!&Not!(しかし!違う!)というような演説合戦は聞きたくないですね。こんな上司がいたら最悪です。

合意形成のためには、『傾聴』が必要です。

自分の主張から対案としての反対意見と思っていても、よく聴いてみることです。
Yes & how(そうなんですね、こういうことは)の精神で対応したいですね。
意見を分解して、具体的には10あるうちの10全てが反対意見なのか、もしかしたら1とか2は同じ意見なのではないか?だとすると、「そうですね、〇〇さんの意見とこの部分は同じです、ここの部分はこうするとより良いと考えています」というように、論点の違いも一層明確になっていきます。


SNSなどで、自分の意見を発しやすい世の中になっていますよね。
だからこそ、より一層、他者の意見を傾聴するチカラをもっともっと身につけられるようになっていきたいです。

いただいたサポートは、NPO法人好きっちゃ北九州の活動費に、大切に活用させていただきます!!