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シリーズB資金調達の裏側と目的

本日、コクーのシリーズBラウンドにおける資金調達のプレスリリースを出しました。

なぜ、私たちは資金調達をするのか?
キャッシュポジションが大切なのは大前提ですが、私たちは明日の未来のため、パーパス実現のため、そして日本の元気のために更なるチャレンジが必要だと考えており、それは私たちの力だけではなかなか難しいと感じていたので、私たちのビジョンに共感いただけて伴走できるパートナーを探しておりました。その結果、今回強力な引受先7社の方々とご一緒させていただくことになりました。
ふくおかフィナンシャルグループのVC(ベンチャーキャピタル)であるFFGベンチャーキャピタルの吉田社長、日野さん。タレントパレットを提供しているプラスアルファコンサルティングの三室社長、鈴村副社長、永井さん。ほくほくフィナンシャルグループのVCであるほくほくキャピタルの毛呂社長、田中さん。横浜銀行グループのVCである横浜キャピタルの早川社長、小島さん。山陰合同銀行グループのVCであるごうぎんキャピタルの吉田社長、遠藤さん。Chatworkを提供しているChatworkの山本社長、福田COO、森さん。ベトナムでオフショア開発をしているハイブリッドテクノロジーのミン社長、濱本さん
この度は私たちのビジョンに共感いただきありがとうございました!
より一層身を引き締めて日本の元気のために全社一丸となって頑張ります。

写真<後列左より>: (株)ハイブリッドテクノロジーズ 執行役員 濱本 剛史、ほくほくキャピタル(株) 主査 田中 裕仁、ごうぎんキャピタル(株) 代表取締役社長 吉田 孝、横浜キャピタル(株) 投資部部長 小島 秀和、Chatwork(株) 取締役COO 福田 升二
写真<前列左より>:(株)プラスアルファ・コンサルティング 取締役副社長 鈴村 賢治、コクー(株) 代表取締役CEO 入江 雄介、(株)FFGベンチャービジネスパートナーズ 投資事業部シニアマネージャー 日野 敬太<敬称略>

そして、コクーの社員とその社員を日々支えてくれている家族、お客さま、その他すべてのステークホルダーの皆さんのおかげで今のコクーがあります。改めてこの場をお借りして感謝申し上げます。いつもありがとうございます!


資金調達の裏側

さて、エクイティでの資金調達というのはキラキラしているように見えるかも知れませんが、裏側では大変なことも結構あるので、そのあたりのプロセスや想いについて、個人的感想ですがお話ししたいと思います。

今回は2回目のエクイティファイナンスだったのですが、はじめるにあたり弊社CFOの平塚と話していたのは、出資いただけるのであればどこでも良いということではなく、私たちのビジョンに共感いただけて、双方でシナジーが見込めてWIN-WINになれる引き受け先と一緒にやろうと決め、昨年の9月頃からスタートしました。
今回のエクステンション(延長)ラウンドにて、先月9月末まで行っていましたので実質1年間くらいやっていたわけです。その間、色々なVCのピッチイベント(投資家へ向けてプレゼンをするイベント)に出たり、色々な方から紹介していただきながら投資家へのピッチプレゼンを繰り返し、様々なVC、CVC(事業会社のVC)の方々とコミュニケーションを取らせていただきました。1社でプレゼン数回とすると、合計で軽く100回以上はやってるかと思います。なので今は目をつぶってても全部しゃべれます(笑)

投資は相性なので、ビジネスモデルやフェーズ、タイミング等々によって可否も明確で、見送りの連絡もいただくこともありました。その際すべてを否定されているわけではないと頭では分かっているのですが、落ち込むこともあったことは内緒です。

ピッチプレゼンで得た学び

ピッチイベントもオフライン/オンライン、時間も3分/5分/7分/10分と様々な長さがあり、毎回テーマも参加者も違います。またVC、CVC向けの1on1のピッチプレゼンでは、約30分(パワポで106ページ)の会社説明だったりと、ケースによってボリュームも内容も異なるので、ピッチ資料のバリエーションも多々あります。おかげさまでパワポの編集が得意になりました(笑)
また、VC、CVCの方々は質問のプロなので、鋭い質問などを様々な角度からガンガンいただく中で、最初の頃は答えに窮する場面も多々あり冷や汗だらけでしたが、毎回いただいた質問を自分なりに整理し、センスメイキング(意味づけ、腹落ち)させてきました。なので今は会社のMVVは固より事業の詳細KPIに至るまでストーリーで話せるようになったかと思っています。
これはこういった機会を繰り返し繰り返し1年間かけて100回以上ブラッシュアップしてきた結果、私自身も会社や事業のより深い理解の境地にこれたかと思っているので、こういった機会を与えてくださったVC、CVCの皆さまには感謝しています。

資金調達の目的

今回の引き受け先7社の内、4社が地方銀行グループのVCで、3社がCVC(事業会社)です。このこだわりの7社との連携について、コクーとしても意図と目的があります。

私たちは、「デジタルの力でダイバーシティ&インクルージョンがあたりまえの社会を創る」というパーパス(目的)を掲げ、VISION2030にて「DX人財輩出企業No1」になるという長期経営計画、2026年までにIPOやES日本一を目指すという中期経営計画の目標を掲げております。

中でも、VISION2030の実現に向けて、大きなテーマとしているのが、「D&I」「地方創生」「業務提携」です。

VISION2030実現のための重点テーマ

地方創生 ー支社30拠点の立ち上げ

まず、地方銀行グループの4社については、この地方創生という文脈における連携です。日本の99.7%の中小企業、その多くを占める地方を活性化することが日本の元気には重要だと考えています。
ただ私たちのような東京の小さなベンチャー企業がいきなり地方にいってDX支援しますといっても信頼がないので、地銀と資本業務提携をすることがKFS(重要成功要因)です。地元でコクー支社を立ち上げ、未経験者を雇用創出し、DX育成を通じて、地銀や自治体との連携における地元企業のDX支援という流れをもって地方創生に貢献したいと考えています。これは未経験者を正社員で雇用でき育成をして地元企業に伴走型でDXサポートできるという私たちの強みが、地銀や自治体とのコラボにおいて大きな力を発揮できると考えています。
福岡ではこの4月に支社も立ち上げましたが、地元企業からのDX支援ニーズはどんどん顕在化していくと感じていますので、先月から採用も開始しました。これからほくほくフィナンシャルの富山や北海道、山陰合同銀行の島根などの展開を進めていきたいと考えています。今回の4行においてはこのような連携を通じて、地元での雇用創出地元企業のDX化を進めてまいります。

更に私たちのチャレンジとして重要なことは、地方でも東京と同水準給与での採用をするということです。ただ、企業へのサービス提供価格は(最初は)地方単価に合わせます。もちろんそれが赤字になってしまうと、スケールすることができなくなってしまうので赤字ではいけませんが、薄利であるというのは投資として見なします。私たちはの採用と育成についての実績と自信があるので、地元企業ともしばらくお付き合いをさせていただければ、ROIが圧倒的に高いと感じてもらえると確信しているので、少しづつ単価も東京価格に合わせにいきます。
多くの企業が地方に行ったら地元の給与水準や地元のサービス単価を前提とした会話をしていますが、私としては、その慣習に合わせていたらいつまでたっても東京への流出は防げないと思っています。
日本全国どこにいても同じ水準で働けることが、人の流出を防ぎ、他県からの流入にもつながり、地元の活性化につながるのだと信じています。なので、私たちはそんな信念をもって地方創生に取り組んでまいります。
引き続き、地銀さんや自治体さんとの協業は進めていきますので、ぜひ共感いただける方がいれば声がけください。

業務提携 ー100社との提携

ある調査によるとDXツール導入後の課題として、一番多かったのは運用に対する課題で53%もあることが分かりました。どのSaaSベンダーもカスタマーサクセス(CS)には力を入れてはいますが、ツール機能の進化に対してユーザのリテラシーの乖離は思った以上に大きく、これはDXの進化が進むほど大きくなっていくことに課題感を持っています。
これをコクーのデジタルリテラシーの高い人財がSaaSベンダーのツールを習得して、安定的な供給力と伴走型などでの柔軟な対応力をパッケージ化してサービス提供することで、顧客のエンゲージメント向上におけるチャーン(解約)解消による安定収益につながったり、他社との差別化にもなってくるので協業するメリットがあると考えています。
また、私たちとしてもサービスラインナップが増えることで安定した顧客拡大やクロスセルの可能性が高まったり、個々の付加価値向上における単価アップやブランディングにもつながるので、こうした業務提携を加速させていくというのが大きな戦略となります。

今回はそうした強い連携をしていくべく事業会社の3社と資本業務提携をさせていただきました。中でも、プラスアルファコンサルティング社との連携は昨年末から始まった提携から、約半年で20数社とのお取引を開始しています。タレントマネジメントツールは機能を使いこなすことができれば、人的資本経営においてもより大きな成果が出せることが実績として出せています。今後は地方含めてより差別化要素をもってタレントパレットを圧倒的No1にしていくために一緒に取り組んでまいります。

チャットワーク社が目指すBPaaS展開との親和性も高く、Chatworkスーパーアプリ構想において色々なシナジーを生んでいくべく、様々な取り組みを始めていきます。

ハイブリッドテクノロジー社においては、弊社の完全無料のRPAツール『マクロマン』の開発においてご支援いただきながら、フリーミアムにおける最高のツールをつくっていくことで、企業のDX推進を加速させてまいります。

さいごに

資金調達はお金を集めることだと思われがちですが、今回のプロセスを通じて私が感じたこと。それは仲間集めであるということです。

コクーの未来に期待し、コクーの掲げるパーパスやビジョンの実現を信じてくれている仲間が増えること。それが一番の価値であったと感じました。仲間たちそれぞれが持っている強みを活かして、その実現の確度を最大限に上げていく。これが資金調達をやる本質だと改めて感じています。

正直、パーパスやVISION2030の実現など、私たちが目指している世界観は大きなものなので、まったく不安もなかったかと言われれば嘘になります。ただ、私たちが信じることを熱量をもって伝え、行動し続けた結果、今回すばらしい引き受け先の方々とご一緒できることになりました。そうした人たちに信じていただき一緒に歩むことになったことで、より確固たる信念となり、また自信と責任にもつながりました。

資金調達は、もちろん私一人ではできるものではなく、CFOをはじめ役員、マネジメントチーム、そして全社員一人ひとりの信頼があってこそだと思っています。つまり、コクーというチームがあったからこそ実現できたことであることが、今回の結果として何よりも嬉しいことでありました。

私たちコクーは、CO(個)がCOO(最高執行責任者)となって、一人ひとりが圧倒的当事者意識を持って取り組む会社です。一人ひとりが主役の会社です。

そんな私たち一人ひとりが日々行動することで、日本の明るい未来を切り拓いていけると信じていますので、これからもコクー全社員の活躍にどうぞご期待ください。


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