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バイリンガル育児座談会からの学び

こんにちは、アイルランド在住会計士のつぐみです。


国籍や住居国にかかわらず、程度の差はあるにせよ、バイリンガル育児をしていない現代の家庭はもはやないのではないのでしょうか。

私の住む国アイルランドでは、英語が公用語になっていますが、ほとんどの家庭が多言語教育を行っています。
移民が多く、様々な民族が暮らしていることに加え、アイルランド独自の言語であるゲール語も存在するためです。

私はいわゆる純ドメなので、バイリンガルいいな〜とのんきに思いながら暮らしていましたが、バイリンガルにはバイリンガルでいろいろな苦労があるようです。

最近バイリンガル教育について興味津々なので、本を読んだり経験者に話を聞いたりしています。
今日は、先日参加した「多言語育児の座談会」のお話です。

バイリンガル育児は思っていたより難しい


私の娘は英語圏で暮らし、家庭内言語が英語なので、英語が第一言語です。
母親である私の第一言語は日本語なので、娘にも日本語はある程度話して欲しいと思っています。


しかし、自分が実際に育児を始めるまで、バイリンガル教育がこうも難しいとは思っていませんでした。


家庭内言語が英語でも、子どもは、母親が話す言語を自然に覚えるものだと思っていたのです。


が、、、全くそんなことはありません。工夫や仕組みなしに、自然に母親の話す言語を覚えるのは難しいです。


もちろん成人になってから、第二言語を覚えるよりはよっぽど簡単なのでしょうが、実際はそれなりに学習を重ねないと流暢には話せないようです。


バイリンガル育児に関しては私も未だに模索中で、いろんな方の話や書籍を参考にしたいと思っています。


そんな中、シェラット美穂さんとエレーヌ京子さんの主催する「多言語育児の座談会」に興味をひかれ、参加してみました。


当日は1時間のオンライン会議の中、英国にお住まいの実穂さんと、スペインにお住まいの京子さんから、経験談を詳しく聞くことができ大変参考になりました。
以下、座談会での学びをシェアします。

日本語を含めた、日本の文化を教えることに注力する


座談会での1番大きな学びは、「日本語を含んだ日本の文化を教える態度」が大切であるということです。

日本語学習のみに躍起になるのではなく、日本の言葉を含めた文化全般を子供に伝えることをメインにすべきというお二人の意見が最も印象的でした。


思えば私も学生時代から、試験のための英語学習には全く面白みを感じておらず、英語を通じて得られる知識や交流を面白い・有用と感じ出してから英語力が劇的に伸びました。

「掘りごたつ」って何?


日本・アメリカでのバイリンガル育児を経て、シェラット実穂さんは、現在は英国ケンブリッジにてお二人のお子様の子育て中。

海外では現地滞在者の日本語学習のために、日本語を週一回程度で学ぶ「補習校」が併設されていることが多いのですが、お住まいのケンブリッジからでは補習校がないとの事。


しかしその一方で、海外にて日本語の絵本や児童書の貸与、読み聞かせ活動を行なっている子供文庫助成プログラムである「文庫のひろば」が、ケンブリッジでは毎週末開催されているようで、お子様たちもそれに参加することで楽しく日本語を学んでいるとのことでした。


毎週末の文庫のひろばで、日本語を話す友達を作ることや、日本のお弁当を補習校に持参するお友達のお話など、子供自身が日本語が楽しいと思える環境作りが大切だとお話しされていました。


また表題にあるように、「掘りごたつって何?」とお子様に急に聞かれたそうです。当然英国に掘りごたつは存在せず、英語に直接翻訳することはできません。

その時に、日本の文化を説明しないと、日本語だけを教えても日本語ができるようにはならないと日本の文化を伝える必要性に気づいたそうです。私にとってはこの話が一番印象的でした。

母から日本文化が楽しいことを伝えてもらった

スペイン在住のエレーヌ京子さんは、なんと4カ国語を話されるマルチリンガルです。私は日本語と英語の2カ国語でもヒーヒー言ってるので、4ヶ国語なんて未知の領域です…(さらに、現在スペインに移住したため、5カ国語目となるスペイン語を勉強中とのこと…絶句)。


京子さんはドイツ生まれで、日本語環境ではない場所で育ったのにもかかわらず、日本語を完璧に習得されています。日本語ネイティブである母親側からの目線だけではなく、日本語を学ぶ子供側からの目線を教えていただき、非常に参考になりました!

とても意外だったのですが、京子さんのお母様は、日本語教育に関して教育ママのような方ではなかったようです。
日本語教育のスタンスは、絵本の読み聞かせもなく、頑張らなくてもいいよとおっしゃっており、毎週末の日本語補習校も嫌ならやめていいとよく言われていたそうです。

しかし、京子さんはお母様と一緒に日本のアニメやドラマを見ることが楽しみだったそうで、それらにより日本の文化を学んだそうです。
ちびまる子ちゃんやサザエさんなどのアニメを通じ、古き良き日本の一般的な家庭の雰囲気を知り、「日本って素晴らしい国だ」という思いを抱くようになったようです。


お母様から学んだのは、日本語そのものだけでなく、日本の楽しい文化であったのですね。4カ国語を話される京子さんご自身の学習への取り組み方が素晴らしいのはもちろんなのですが、京子さんが楽しく学べる環境を整えられたお母様の創意工夫も同様に素晴らしいと感じました。

とても得るものが多い座談会でした!また次回開催時には参加してみたいです。
実穂さん、京子さん、貴重なお話を本当にありがとうございました!

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