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「大地の芸術祭」公式サポーター「こへび隊」の一日

                                                                                                     IPUT3年 宮田

新潟県の越後妻有地域で3年おきに開催される大地の芸術祭。そんな芸術祭を支えるボランティア活動を行っているのがこへび隊である。今回は芸術祭会期中のこへび隊に参加させていただくことができたので、実際の体験をもとにこへび隊での1日を紹介していく。

~こへび隊の家「三省ハウス」~

こへび隊は山奥の廃校を再利用した「三省ハウス」という施設に寝泊まりする。
元は教室だった部屋にたくさんの二段ベッドが置かれていて、決められたベッドで生活する。上下も横も他のこへび隊のメンバーが生活していて、プライベート空間の無さに最初は戸惑った。

寝泊まりする三省ハウスとベッド

また、ひと部屋に最大8人が生活するが、エアコンはなく、あるのは扇風機2台とスポットクーラーだけ。いくら山の中とはいえ暑い。
今回参加したのが8月末から9月の中頃だったので、まだマシだったが、真夏は暑いかも。(とはいえ、東京と比べたらかなり涼しいです)

~6:30、起床~

山の中だからか、都会のアスファルトに囲まれた場所とは違い朝は結構涼しい。
なんなら若干寒い日もあった。
朝食が7:00から食べられるが、8:00前には出発になることもあるので朝食前に身支度をする。
朝食は地元の方が毎朝作ってくれる。活動日は無料で食べることができる。

朝ご飯をみんなで食べているところ

朝食後は廊下のボードを確認し自分の集合場所と出発時間を確認する。集合場所は現代美術館MonETと農舞台の二か所があり、毎日ランダムで振り分けられる。それぞれ三省ハウスからの距離が違うため出発時間が異なる。

自分の集合場所と出発時間が前日の夜から確認できる


~8:00、出発~

集合場所には送迎の車に乗って向かう。MonETまでは約40分、農舞台までは約15分かかる。自分の車で行き来しているこへび隊の人もいた。持ち物はスマホ、財布のほかにハンディファンを持って行っていた。エアコンや扇風機がないところだと結構活躍した。

~8:30、朝礼~

二か所の集合場所をZoomでつないでオンラインで一緒に朝礼を行う。その日の配属先や見学予定のツアーの詳細、作品展示に関する情報などの共有を行う。配属場所は毎日異なり、ほぼ毎回初見の作品を担当することになる。朝礼後はそれぞれの配属先に移動していく。

それぞれの朝礼の様子


~9:00、開館準備~

それぞれ作品用のマニュアルなどが入ったバッグを渡され配属先へ出発する。作品が集合場所から遠いため、また車で送ってもらう。途中でコンビニに寄って夕方までの食料を調達し、配属先へ向かう。電波の届かない山の中の作品に配属されることもあるため、飲み物の準備は大事だった。
配属先についてからは開館準備を行う。渡されたバッグに入っているマニュアルを見ながら準備をしていく。建物の窓の開放、作品の起動、受付のレジ金確認などを行う。初見の人が担当することが多いためか、マニュアルがわかりやすく手間取ることは少なかった。

~10:00、開館~

ついに営業スタート。とは言っても一日通してお客さんは50人から100人くらい。少ないと15人くらいの時もあるので、基本的には暇な時間が多い。受付に座って、お客さんが来たらパスポートにスタンプを押したり、チケットを売るのが主な仕事だった。

1日座っている受付スペースの写真

ほかのこへび隊の人と一緒に配属されると喋ったりしながら時間をつぶせるが、一人だとしんどくなるくらい暇な時があった。
たまにアーティストの人に声をかけてもらい、作品作りの手伝いをさせてもらったり、地元の方のパーティーに連れていかれたりなどのイベントもあって貴重な体験ができた。運営はなごやかな感じで気楽にやれた。

お客さんがいないタイミングで昼ご飯を食べたり、近くに散歩しに行ったりしていた(作品はほかの人にまかせられるとき)。

~17:00、閉館~

営業時間後は迎えの車を待ちながらレジ金を数え、建物や作品をもとの状態に戻して閉館作業をする。これもマニュアルを見ながらやっていけば問題なかった。
迎えの車に乗って朝来た集合場所でバッグを返却し、三省ハウスへ帰る。
MonET組は帰りに館内の温泉に入れたりする(こへび隊参加者の特別料金で)

~18:00、帰宅~

帰宅後は自由に時間を過ごしていいことになっていた。夕飯は食堂が開いている22:00ごろまでならいつでも食べられるので好きなタイミングでご飯を食べたりシャワーを浴びたりできる。

夕飯の写真、食べ盛りな学生には若干物足りないかも

消灯までの時間は各々好きなことをやって過ごしている。館内で唯一エアコンがある談話室で本を読んだり、食堂で集まってお話したり、ボードゲームをしたり、人それぞれ色んな楽しみ方をしていた。

みんなで花火をした

~23:00、消灯~

廊下の電気などもすべて消され、結構暗い。元学校なだけあって夜は少し怖い雰囲気になる。
普段夜明け前に寝るような生活を送っていたため、日付が変わる前寝られるわけないだろ、と思っていたが、朝早いこともあり2,3日すると自然に眠くなるように体が順応していった。めっちゃくちゃ健康的な生活に代わった。夜型の学生とかにオススメ!

消灯後の廊下の様子。iPhoneのカメラだとなんかいい感じに撮れたが実際はめっちゃ暗い

~まとめ~

最初は戸惑うことも多かったが、とても新鮮な経験をすることができた。
次回開催が3年後なので少し先になるが、大自然のなかの芸術作品や新しい仲間との出会いに少しでも魅力を感じてくれたらぜひ参加してみてほしい。
※芸術祭期間以外にもイベントが開催されるて、こへび隊の活動が発生するときもある。
 

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